ビストロアルファ(イタリアン・板橋区役所前) | C.I.L.

ビストロアルファ(イタリアン・板橋区役所前)

都営三田線の板橋区役所前駅から徒歩5分。地元民でもその名称を知らない人がいる王子新道を少し十条方向へ下っていくと、今回ご紹介するビストロアルファがある。

このお店は洋食不毛の仲宿一帯にあってかなりステキな存在だと思うのだが、なぁ~~ぜか客入りが悪い。

普通に美味いし、正統派から一風変わった品から揃っていて選ぶ楽しみもあるし、自家製のケーキなんかもあって至れり尽くせりなのに、本当にいつ行っても自分以外の客がいない。

これでもしダメなお店だっていうなら仕方ないとは思うけど、板橋メタボ仲間のロザリーが発狂しそうになりながら 「ビストロアルファ行け~!このままじゃ潰れる~!あそこを失うのは痛すぎる~!」 と大騒ぎする ほど良い店だというのにコレじゃなあ。

ロザリーは隣にチェーン系の安い店があるからとか、大山に凄い店が色々とあるからなんて分析しているが、オレは板橋区民の悪い癖である 「金額が少し高いと全否定」 ってヤツが炸裂してんだと思う。

板橋区民って面白いというか、救いがないっていうのか、ラーメンやカレーには平気で千円近く出すくせに、対象がイタリアンとかフレンチだと急に財布が固くなるのよ。

食べ慣れてないのか何なのか知らんけど、それで今までどれだけの名店が経営不振で板橋を去って行ったことか。

しかも板橋に愛想を尽かして他の土地に移って大成功したお店なんかも色々とあるのよ。例えば阿佐ヶ谷の某トルコ料理の名店 とかな。あの店なんかそもそもは不動通りの裏にあったのに、外人嫌いの頭の固いジジババに虐められてみたり、単価が高いと悪く言われてみたりして、気付いたら閉店→阿佐ヶ谷移転→大繁盛っていう。(大繁盛っていうか、今じゃトルコ料理店の代表格みたいな扱いされてんだぜ?)

もうね、そういう同じ過ちを繰り返すのやめませんか?


C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)
C.I.L(Charismatic Itabashi Lover)
とまあこんな具合に店内でこの店が流行らない理由をあれこれ考えていたんだが、やっぱ少し値段が高いのかなあ。オレとしてはそこまで高くねえよと思うんだけど、平均的な板橋の人からすると高く感じるのかもなあ……。

てかそんな話はどうでもよく、卑怯極まりない文字列ばかりでメニュー見てるだけで腹が減ってくるんですが。


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必死の形相でメニューとにらめっこを続けるオレの前に出されたお通し。

「スモークサーモンか。まあ無難だわな。」 なんて思いつつ一口食べてみたらお前、てかお前、むしろお前。

ビックリ美味しい。

鮭の風味がほわぁ~んときて、なぜか凄く肉厚に感じる食感があって、文字通りあっという間になくなった。瞬きする間にオレの視界から消えてしまった。


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光の速さでスモークサーモンがなくなってしまったので、仕方ないからビールのあてにソーセージ(750円)。北海道のなんとか豚とかいうのをソーセージにしたらしいんだが、オレ的に付け合せのジャガイモが美味くて美味くて。

やっぱドイツ人凄いよな。ビールのアテにソーセージとジャガイモを持って来たという点だけで全肯定してあげたくなる。


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当カップルはこの光景を愛と呼びます。


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ささやかな愛の形を皆様にご披露したところでカキフライ(600円)。

あまり期待せず、なんとなく "カキフライ" という字面に惹かれて頼んだだけなんだが、これがちょっとおいちかったの。

トマトソース、マヨネーズ、レモンと好きなように味を付けられて、さらにカキの下に細切りにした大根のサラダが敷いてあって、それにもちゃんと美味しいドレッシングがかかってて、なんていうか食べる前から目で嬉しさを感じちゃうみたいな。

それにカキ自体がプリっとしてて風味も濃厚で実に美味い。満足度高し。


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続いてイトヨリ鯛のソテーサラダ(780円)。カルパッチョ的な物に少し火を通したのかと思いきや、生野菜の上にドカンとソテーした鯛が鎮座。軽く塩で調えたシンプルな味付けなんだが、鯛のジューシーさと香ばしさに意外と強く出てるキノコの風味が合わさってうめー。

これとさっきのソーセージが同じような価格ってのが不思議でしょうがない。


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そしてまさかのスモークサーモンリターンズ(750円)。お通しで食べたサーモンがあまりに美味かったため、単品で追加注文してみた。

そしたらこれがやっぱ香りも食感も最高なのよ。なんていうか美味いのよ。美味いとしかいえないのよ。

聞いてみたら自家製なんだそうで、昔ながらの実にステキな味わい。これだけあればいくらでも酒が呑めそう。ひとり1皿頼んでもいいくらい。


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ちなみに最初に頼んだビールなどとっくの昔に消失しており、ハウスワインの白をエンドレスでがぶ飲み。ここのハウスワインは赤も白もどちらも飲みやすく、白の方は甘味こそ控えめだけどジュースのようにグイグイいけちゃう危険な感じ。


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ホっと温まるメニューが欲しかったので、牛スジのポトフ(700円) を頼んでみた。シンプルな塩味のスープに牛スジの出汁が移ってて、そこに野菜の甘味が加わって口当たり柔らか。


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さすがに胃の限界が見えてきたので最後はボンゴレ(1,200円) で〆てみた。アサリのお出汁がしっかり出てて、さっぱり味なのに旨味充分。これまた基本中の基本ってな安心できる一品である。


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自家製チーズケーキに目を付けていたんだが、残念ながらこの日は売り切れ……。仕方ないのでリンゴとパインのシャーベットと紅茶で食後のティータイム。

実に満たされた気分である。



■総評
味:☆☆~☆☆☆(キラーコンテンツあり)
値段:☆~☆☆(そんなに高くはないと思うんだけどなあ……)
品揃え:☆☆
店の雰囲気:☆☆(昔ながらの洋食レストラン風で落ち着ける)
接客:☆☆
遠征:☆
デート:☆☆
DQN率:☆

備考:肩肘張った本格的イタリアン!というわけでもなく、かといって大衆的すぎるわけでもなく、微妙な立ち位置にあるお店だと思う。決して高すぎるとは思わない価格帯なのに地元民に 「あそこは高い」 と言われる理由は、この高級店なんだか庶民派なんだかわからないポジションにあるんじゃないかと。オレは単に "良心的な個人経営のレストラン" だと思うんだが、近所のドカ盛り系の店と比較されちゃったりでかなりババを引いてる感じ。あと一部に 「あれ?」 という価格設定のメニューがあるんだが、そういう地雷っぽいのを避けて頼めばかなりお値打ちなんじゃないのかなあ。今回で言うならソーセージは高すぎると感じたけど、スモークサーモンは適正価格だと思ったし、鯛のサラダは安いと思えた。こういう金額的な統一感のなさが積もり積もって悪い印象を与えちゃうのかもしれない。味はどれもハズレなくスタンダードな料理が楽しめるので、「今日は外食!」 という日に家族連れで訪れたりするといいんじゃないかね?何にせよこの店が不入りってのは勿体無いよ。



■ビストロアルファ(イタリアン)
住所:東京都板橋区板橋3-10-8
TEL:03-3579-3187
営業時間:11:30~14:00(ランチ) 17:30~22:00
定休日:月曜