ドラゴンとオレ※過去ログサルベージ
2004年02月23日
ドラゴンとオレ
当方、ドラゴンが好きだ。
ドラゴンといえば龍でも中日でもRPGでもない。
賢明なおはら汁読者諸兄はそんな勘違いは犯さないだろうが、ドラゴンといえば『プロレスラー ドラゴン藤波』である。マッチョ”無我”ドラゴンである。
ドラゴン藤波がいかに偉大なレスラーだったか、ぜひ皆さんにも知っていただきたいと筆を取ったのだが、あまりにもレジェンドなメモリーが、そしてメルヘンな記憶が多すぎて、正直どれから伝えていいのか分からない。
とりあえずオレが惚れたドラゴン伝説の一部を、とりとめもなく書き綴ってみようと思う。
■ドラゴン伝説その1:趣味がお城めぐり■
ドラゴンは、何年も前から自分の趣味は『城巡り』だと公言している。休日の日はとりあえず城に行くのだそうだ。
だが、それだけでは単なる城好きなオヤジである。 僕らのドラゴン伝説はそんなもんじゃない。マッチョドラゴンを甘く見てもらっては困る!
まず第一に、城好きだと昔から口にしていた割には、バラエティ番組や旅番組に出演した際の城に関するボキャブラリーがいちじるしく欠落しているのだ。
ボキャブラリーが少ないとか薄いではなく "無い" のである。
※例:旅番組で城を訪れたドラゴン
「いや~城っていいですよね~」
「城のこの雄大なね。なんというかね。大きなね。いいですね。」
「あの辺の形とかね。いいね。落ち着くんですよ。」
「お城はよく来ますね。よくね、なんていうかね、好きなんですね。」
「ほら、広いでしょう。ねえ。いいですよ~。」
きっと我らがドラゴンの脳内では、とてつもなく専門的な、我々イッパンピープルには理解できないような、とてもとても難解な『お城ちょっといい話』とかが展開しているに違いない。
だがミンナのドラゴンはそんな専門的な話をして、自分のファンが理解できずに置いてきぼりにされ、寂しい思いをすることをよしとしないのである。自尊心、自意識、知識自慢なんかは二の次にして、まずはファンのことを思いやる、まさにヒーローの鏡である。
当方、おかげさまで何年も藤波を追い続けているが、藤波の口から専門的な城の話が飛び出した現場に遭遇したことがない。なんとつつましい男であろうか。常日頃から気を引き締め、皆が分かる話しか口にしないように心がけているのだ。
さすがはドラゴン、猪木イズムの後継者に恥じぬ人格者だ。
■ドラゴン伝説その2:地下プロレスに挑戦■
これを目撃した人間は日本でもごくわずかだと思うが、ドラゴンは昔TBSのウルルンかなんかの旅番組に出演した際に、ルール無用、賭博OK、素人力自慢続々乱入な『地下プロレス』のリングで戦っているのだ。
どこの旅番組がそんな野蛮な『地下プロレス』を題材にするんだと疑問に思う貴兄も多かろうが、これはれっきとした事実である。少なくともオレは見た。
ちなみに『藤波 地下プロレス』でググルさんを叩いてみたところ、予想外にヒット した。これで私が正直者だと証明できたであろうか?
とにかく、ボクらのドラゴンはアメリカのプロレス道場などを紹介しながら、酒場の中に置かれたリングの上で地下プロレスに挑戦したのである。
しかも藤波が「いや~リングだね~。こんな所にリングがあるね~。」などと寝ぼけたことを言いながら観戦していると、突然マイクで「ジャパンから偉大なチャンプがきている!」とかリングアナウンサーに煽られ、おまけに「このチャンプに挑戦する命知らずはいるか~?」などとどっかのB級プロレス漫画みたいな展開でなし崩し的に試合が始まってしまうのである。
ちなみにこのときのドラゴンは 「自分探しの旅」 という凄い理由で長期欠場しており、日本国内ではマトモなプロレスの試合をしていなかった。
それにも関わらず、地下プロレスのリングに上がり見事に勝ってしまう。そしてこれが放送されるのは "旅番組" というこの無茶無謀無策な構成。
色々な意味でなんという勇気だろう。
まだ総合格闘技というジャンルが定着していない、十年以上前の出来事である。さすがは我らのドラゴンである。先見の明という言葉は藤波の為にあるようなものだ。
『いつ何時、誰の挑戦でも受ける』
まさしく、猪木イズムの後継者にふさわしい『闘魂』の持ち主だと言えよう。
■ドラゴン伝説その3:数多くの迷言■
読者の皆さんにおかれましては、もういい加減『ドラゴンの魅力』でお腹いっぱいだと思われますが、今しばらくお付き合いいただきたい。
本番はこれからなのです。
※以下、ドラゴン藤波の迷言集
■獣神サンダーライガーがマスクを剥がされそうになった時に一言
「いけませんね!これでは山田の正体が明かされてしまいますよ!」
いやドラゴン、ライガーだから。
■馬場さんが亡くなった際にTV番組にて
「大福・・・馬場さんが大好きでね・・・馬場さんを思い出すなぁ・・・」
ライバル団体とはいえ、やっぱ馬場さんを思っていたんだあ・・・と思いきや・・・
■猪木に対して
「あの人には新日を守る気があるの?馬場さんは常識家でしたよ!」
もしかして単に馬場派?猪木が嫌いなだけ???
■新日の前に所属していた、日本プロレス時代を思い出して
「馬場さんの付き人だったら全日に行ってたかもね。」
たまたま猪木の付き人だったから新日に行っただけなのね・・・ドラゴン・・・。
■新日に対して
「もういやだ!こんな会社辞めてやる!」
新日のやり方が気に入らなかったらしく、試合後に裸のまま雪の札幌を歩きつつ吼える藤波。どうもこの人、本気で新日が嫌いなだけらしい・・・。そのくせ今じゃ社長やってんだよなぁ・・・。
■長州の有名な「オレはお前のかませ犬じゃない!」発言に対して
「なんでかませ犬なの?」
日本のプロレス史に残る「かませ犬発言」に対して、実は最初にドラゴンが出したコメントはこれである。緊張感も緊迫感も皆無・・・。このコメントは業界の諸事情により闇に葬られたが、長州との格の違いを見せ付ける一言だ。似た言葉に「パンがないならケーキを食べれば?」がある。貧民と貴族では見えている物が違うのだ。
■スーパーストロングマシンに対して
「お前、平田だろ!」
どうもドラゴンは『マスクマン』というジャンルを全く理解できていないらしい。
■東スポで自分が社長を務める新日の記事を読んで
「こんな事になってるのか!」(真顔で)
自分の会社の最新情報を新聞でチェック!これぞ情報時代のサラリーマンの正しい姿。っていうか、この頃から『ドラゴン新日内でおミソ説』が囁かれ始めた。大事な情報が社長に回ってこないという、ステキな会社。それが新日。
■長州が新日に辞表を提出した事が話題になって
「ボクのところには届いていない」
ちなみに、この頃すでに新聞や2ちゃんで祭りになっていた。にも関わらず社長の藤波の元には一報も入らないという(ry
これはドラゴン伝説のほんの一部だが、どうだろう?
書いていてオレまでお腹いっぱいだ。
社長なのに会社の大事な情報が回ってこず(回覧板が回ってこない嫌われ者一家状態)、猪木が嫌いで馬場さんが好き、挙句にマスクマンの正体を人前でばらしまくる。これぞドラゴン。空気読め。
僕らのヒーローのはずのドラゴンが、なんだか単に頭の弱い子に思えてくるから不思議だ。
でも、これもきっと藤波一流の演技なんだと思う。そう思い込もう。これが素だと思うと震えが来るほど怖い。あまりに救いがない。
天才と狂気は紙一重というが、まさに猪木(詐欺師)イズムの後継者にふさわしい危うさだ…