TANTO-SUN (大山・イタリアン…?) | C.I.L.

TANTO-SUN (大山・イタリアン…?)

なんか板橋グルメマップ史上 「こんなの初めて!」 と言っていいほど、どう評価すべきか分からない迷店とぶち当たってしまった…。


いや、まあ言葉でごちゃごちゃと細かいことを言うのもアレなので、とりあえずいつも通りお店紹介に移ります。


そうすれば、みんなもきっと 『この店の歪み』 に気付いてくれると思うから…。





まずは地雷店か天国店か分からないので、「とりあえず」 ということで無難なサラダを頼んでみた。


皆さんは上の写真を見て、このサラダの正式名称が分かるだろうか?


乱雑に敷き詰められた大量のレタスの上に、切ってない大きな焼きベーコンが2枚も乗り、フランスパンを細かく切ったような物やニンニクが散りばめられている。


そして、醤油味にも感じるビネガーの効いた和風なんだか洋風なんだか分からないドレッシングがかかっている。


さあ、このサラダの名称はなんだ?!





答え 「シーザーサラダ」





うそだああああ!!!!


チーズは?チーズはどこに行ったの?


あ、この細かく切ったフランスパンはクルトンの代わりだったのね?


そうなのね?


で、チーズはどこに…。



いやでもね、確かに味は悪くない…っていうか、単にレタスとベーコンなんだもの。そりゃ美味いもマズイもないわな。


はい、早くも地雷臭がプンプンしてきました。





だがこの 『ラム肉のガーリックソテー』 でちょっとビックリ。


まずなんと言ってもデカイ。表面積といい、厚みといい、楽にタバコ2箱分くらいある肉の塊が出てきた。


で、味には全然期待していなかったのに、これがジューシーで柔らかくて美味い。 「どこかに落ち度があるはずだ!」 と疑いつつ食べたけど、困ったことに普通に美味しい。


ラムと呼ぶにはちょっと臭いがあったけど、それでもマトンと呼ぶのも可哀想かなあという感じ。ラムとマトンの中間くらいなんじゃないのかなコレ。(ラムは前歯の生えてない仔羊で、柔らかくて臭いも少ない。マトンは2歳以上の大人な羊で、いわゆる昔ながらの安い羊肉!って感じ。)


でもオレ様は羊の臭いが好きでほとんど気にならないので、これはこれでやっぱ普通に美味いんだよなあ。なんか悔しいなあ。


適当にお肉食べてお酒呑んで 「なんだやっぱ地雷かよ!ケ!」 とか言いつつ家に帰ろうと思ったのに…。




『軍鶏の黒胡椒焼き』


またしても無駄にデカイ!これはさっきのラム肉よりもさらにデカイ!タバコ3箱分はあるんじゃないのかコレ。


これは絶対に脂っこいだろ!と思ったんだが、軍鶏だからか普通の鶏肉に比べたらよっぽど脂分が少なくて、それでいて柔らかくジューシーで、お肉の濃い味わいが口に広がる。皮の部分を食べても全然しつこくなくて、カリカリに焼いてある所が凄くおいちい。大量の黒胡椒もほどよいアクセントになっててヨシ。


あれ~?


シーザーサラダがおかしいだけで、実は良いお店なのか…?





と思ったらコレですよ!


何を頼んだか分かる?


大好きな大好きな大人味のミートソースである 『ボロネーゼ』 を頼んだら、明らかにボロネーゼじゃないのが出てきちゃいましたよ!


もうね、オレ様ってばここぞとばかりに山岡モード。



「これがボロネーゼだっていうのか?ふざけるな!オレが本当のボロネーゼを食わせてやる!明日朝5時に三崎港に来い!」


なんで三崎港?



それはともかく、オレの中では 「やっと叩く理由が見つかった!」 と大喜び。でもまあ食わないで文句言うのもアレだから一口くらい食うかとフォークを伸ばす。


そしたらアナタ…。


確かにオレが望んでいるボロネーゼではないものの、なんか安心できるお味でして…。


お…美味しい…んで…す…。




うわーーー!


一番評価に困る 「しみじみ美味しい喫茶店パスタ」 が出てきちゃったーーー!!





ちなみにコレも当然のようにキチガイじみてデカイ。


上で紹介した肉2種類でまさかとは思ったが、明らかに軽く2人前はある。(写真では分かり辛いかもしれないけど標高が…)


あ、言い忘れてたけど今回紹介したラム肉と軍鶏とパスタのお皿は同じサイズ(ていうか全て同じ皿か?) なので、この写真と肉の写真を比較すると大きさがよく分かるかと。


それにしてもムカツクなあ。


絶対にボロネーゼを名乗っちゃいけない、缶詰の安いミートソースをベースにしたかのような素朴すぎる味なのに微妙に美味い。パスタは細麺なんだけど、湯で加減がしっかりしてるから食感がいい。『喫茶店パスタ』 として考えたら最高の部類だ。


どう評価すりゃいいんだコレ。



と、ここでオレ様はこの店をどう評価していいのか分からず、店の人に聞こえないようにコソコソと彼女さん と密談。



オレ 「ねえ、この店どう思う?」


彼女「微妙なんだけど…悪くはないよね…」


オレ 「でもイタリアンじゃないよね?」


彼女「絶対ちがう。(即答)」


オレ 「居酒屋?洋風居酒屋?」


彼女「んーそうだなあ。友達のお父さんが料理上手で、お家に遊びに行ったらこんな料理を作ってくれてステキー!みたいな店?」


オレ 「もっと短くまとめろや!」





というわけで、オレ様の出した感動的な結論。



『ここはイタリアンレストランじゃない。きっと料理の美味しい喫茶店だ。』



だから遠慮なくジンジャエールを頼んだね。


自分でも驚くほど 『この店の料理とジンジャーエール』 が違和感なくハマったね。





お店の外観。


恐怖を感じるほどイタリアンな感じだけど、きっとここは喫茶店。


イタリアンな内装の喫茶店…。(呪文のようにつぶやきつつ)




■総評

本文中にも書いたが、ほんと評価に悩む店である。少なくとも 『イタリアンのレストラン』 として捉えると60点とかじゃなかろうか?やっぱ美味いマズイは別として、コチラが望む物が出てこないってのはよくないよ。


その店のオリジナルな解釈で 「こういう形になったんだ!」 と納得できる物ならまだしも、この店のメニューはなんか歪んでるというか、壮大な勘違いをしているというか…。


あと写真に撮り忘れたんだけど、お通しで出てきた "イカ" も外見が酷かった。なんかね、情けなくちぎられた色気もヘッタクレもないレタスの上に、何匹か適当にホタルイカみたいな小さなイカが乗ってるだけなの。しかも彼女さんの小皿にはイカが6匹くらい乗ってるのに、オレの小皿には3匹しかないの。



てめえ両手で足りる数くらいちゃんと数えろやあ!!!



と、思わず小さなことで怒鳴りたくなる。これが5と6の違いならまだしも、3と6はダメだろ。量が倍違うてアンタ。料理人として絶対に何かがダメだと思うのはオレだけか?


でも激しく脱力しながらそのイカのお通しを (渋々) 食べてみると、かかっているドレッシングの風味と、ワタの深くほのかに苦い味わい、そして柔らかい身がマッチしてて普通に美味しかった。オレも彼女さんも予想外の美味しさに驚いて、思わず 「ええええ??」 と声を出してしまった。


この 『お通しの歪み』 がこの店の全てを物語ってる気がする。


絶対に何かがダメで否定したくなるんだけど、食べてみるとそつなくまとまってて美味しいし、量も多くて良心的だし…。



こんなの点数つけらんないよウワーン(号泣)




しかし評価を下さないことには記事が終わらないので、さっさと無理矢理に評価してしまおう。



『イタリア料理の店』 としては60点がいいところ。これは間違いない。


でも本文にも書いたように 『料理の美味しい喫茶店』 とか 『洋風の庶民料理を出すお店』 として考えるなら85点てな感じ。


【異常なまでの盛りの良さ=コストパフォーマンスの良さ】 を考えたら、それくらい評価してあげないと可哀想かなと。



ちなみにこの日頼んだ料理の価格はこんな感じ。


・ラム肉 850円

・軍鶏 750円

・サラダ 580円

・パスタ 890円


で、お酒はハウスワインのグラスが400円代で、サワーとかも400円代とまあまあ安い価格設定。ちなみにソフトドリンクは290円。


料理の価格だけ見ると普通なんだけど、とにかく盛りが凄いので、上記のメニューを3人で食べて各自適当にお酒を呑めばちょうどいい感じ。(3人で行って1人2,000円で満腹って感じかな?)


うん、やっぱコストパフォーマンス的には決して悪くない。

なんというか、こんなに苦悩した板橋グルメマップは初めてだ。




■TANNTO-SUN (イタリアン…?)

住所:東京都板橋区大山町55-2
TEL:03-3957-7725
時間:11:30~14:30 18:00~24:30(LO)
休み:月

アクセス:東武東上線大山駅南口改札を出て右へ。アーケード街の中をひたすら進み、大きな通り(川越街道) まで出る。そのまま1~2分直進した右手。(龍神の向かい、鳥多希の手前)