大山ディスティニー(パスタ・イタリアン) | C.I.L.

大山ディスティニー(パスタ・イタリアン)

ロザリーがバーニャカウダについて記事を書いていた のを読んで思い出した。

大山のディスティニィにも新メニューでバーニャカウダが登場したんですよ奥さん!

ディスティニィというのは、ガーナ出身のジョニーさんが一人で切り盛りするイタリアン中心のお店なんだが、このジョニーという人物は世界各国でシェフとして働き、その後日本に来て (腕が立つからか) ラ・ボエム系列の各店をリリーフ投手のように渡り歩いたという職人気質な実力者。ある意味で "職人の町板橋" らしいシェフである。



と、そんな職人ジョニー作のバーニャカウダがコチラ。スティックサラダ状の野菜がてんこ盛りで、セロリ・大根・ニンジン・トマト・カブ・キュウリ…と種類がやたらと豊富。半分くらい飲んでしまっているが、フランチェスカーナのゴールドと共に撮影してみた。




で、ディスティニィではこれらモリモリの生野菜を、アンチョビとオリーブオイルで作ったオイルソースにつけて食すんだが、なんというか激しく酒の進む味である。程よい塩気で、どことなく下品でジャンクな味わいがたまらん。

気付けば無言でボリボリと野菜をかじっており、あっという間に食べ尽くしてしまったオレがいる。




あらかた野菜を食べ終わると、ジョニーが 「コレに付ければ最後まで食べれるよ」 とパンを出してくれた。そのお言葉通り遠慮なくオイルソースをジャブジャブ付けて完食。1,000円くらいしたはずなんだが、食べてみると意外とコストパフォーマンスよろしいな。

ちなみにこのアンチョビソースはずっと火がかかりっぱなしなんだけど、焦げ付いたり煮詰まったりしないようにジョニーがマメに気を遣ってくれるので、最後まで味が変わる事なく美味しくいただけます。

アンチョビとは言っても、塩気とほんのり風味という感じで魚臭くはないため、魚嫌いの人でも平気なはず。かなりオススメ。





で、野菜だけでも酒が進んでいる酷い有り様だというのに、追加でラムチョップを注文。スーパーで売ってるようなどうでもいいラム肉を使っているように見えるんだが、焼き方が抜群なのか、味付けが抜群なのか、香ばしくジューシーで、ほんのちょっぴり獣肉特有の野蛮な味が感じられなくもないという絶妙なバランスでとにかく美味い。下に敷いてあるたっぷりのフライドポテトも酒のアテに最高。

ちなみにソースはジョニーの気分次第で変わるんだが、今回はバルサミコ酢を使ったちょっぴり酸味と甘味のあるソースだった。前はミントっぽいスースー爽やかなソースだったりもしたんだけど、アレは正直日本にない味で口に合わなかった!

まあラム自体に塩胡椒で味が付いているので、ソースが気に入らなかったら素で食べても凄く美味い。これまたオススメメニューである。




実家から母親が大量にアスパラを送ってきてどうしようか悩んだので、思い切ってジョニーに 「なんとかして!」 と託してみた。

その結果 "アスパラだけを使ったペペロンチーノ" という食べた事のないメニューが登場。これはアスパラを細く切って、それをパスタのように茹でてガーリックオイルと和えた1品。シンプルなんだけどアスパラの甘味とガーリックオイルの風味が絶妙にマッチしててうめー。シャキシャキした食感も食欲増進ってな感じ。




充分食べてる気もするんだが、ディスティニィに来たらパスタを食べなきゃ終われないので、頑張って2人で1つ食べておこうという結論に。

何を食べようかああだこうだ悩んだ結果、"ボロネーゼのクリームパスタ" というこれまた新メニューに挑戦。この店のボロネーゼは本当にオレの人生の中で一番美味いんじゃないかと思うほどの名物なんだが、味わいはそのままにクリームソース特有のまろやかさが加わっていて、今後はデフォルトのボロネーゼかクリームのボロネーゼかで頭を抱えるハメに陥りそう。パスタがオレの大好きなリングイネってのもいいね。ヤバイね。気付けばお腹一杯とか言っておきながらひとりで70%ほど平らげてたね。



■総評
調理場に店主ひとりで、ドリンクメニューからフードメニューから食器洗いまでこなしているこじんまりしたお店なのでメニュー数は少数精鋭。その代わり頻繁に日替わりメニューを変えたり、グランドメニューを入れ替えたりと、飽きさせない努力はしっかりしている。今回も新メニューが随分登場してたけれども、どれもひと手間かかった 「さすがはジョニー」 と言いたくなるような精鋭揃いだった。

味の方も世界各国を渡り歩いてきただけあって日本人の好きな味というのを熟知しており、この店では滅多に 「ん?」 とクビをひねる事にはならない。(過去にラムチョップに付いて来たミントソースが個人的にダメだったくらい)

それとこの店はカウンターだけのキッチンスタイルなんだけど、厨房を眺めているとジョニーの手際の良さに惚れ惚れする。実力あるシェフってのはこういう動きをする生き物なんだなと見とれちゃう。

ひとつ難点を挙げるなら、板橋にしては価格が少し高めな事なんだけれども、それを差し引いても満足度は凄く高い。1品1,000円するってだけで全否定しちゃうような、板橋名物のコスト厨には向かないが、嫌なら行かなきゃいいだけなので切り捨て。(文句言いたい気持ちはわからんでもないが、原価や家賃以外にシェフの腕にも金を払うという概念を持とうぜ>>板橋区民)

という訳で、100点満点で95点。もしこの店とビストロクレール が無くなったら、大山界隈の洋食好きな人間は路頭に迷って凍え死ぬと思われる。それくらい大事なお店。



■ディスティニィ(パスタ&イタリアン)
住所:東京都板橋区大山東町28-2
TEL:03‐3964-3158
営業時間:17時~23時(LO22時で客入りによってその場で終了の可能性アリ)
定休日:日祝
席数:10席くらい
アクセス:遊座大山商店街の山手通り側に大きなローソンがある。その目の前に細い路地があるので、怖がらずにそこに突入。少し進むと右手に3軒ほど飲食店があり、その一番奥の店。



-----過去ログ-----



予想以上に読者の反響が大きい板橋グルメマップ。
引越しも落ち着いてきたので、久々にお店紹介してみよふ。

今回ご紹介いたしますのは、板橋は大山にある『ディスティニー』というパスタ&イタリアンのお店。

ちなみに店主はジョニーさんというガーナの人。
日本で銀座をはじめとするラ・ボエム各店 のコックを務め、晴れて独立したそうだ。



ドイツビール
そんなジョニー氏の趣味なのか、イタリアンという割にはドイツビールにこだわっていたりする。注文が入るごとに、わざわざジョニー氏が厨房から出てきて注いでくれるという『店にとって激しく効率の悪い』サービスつき。(ジョニー氏いわく、ビールを注ぐには技術がいるから、お客さんには任せられないんだそうだ)




でもってビールと言えばソーセージ盛り合わせ(1,500円)。メニュー表だけ見ると値段が高そうに感じるが、写真を見て分かるとおり、ジャーマンポテトとバカみたいにデカイソーセージ3本付きなら高くはない。ていうかこれを1人で食べたら他が食えない。

ちなみに内訳は、羊の腸を使った正統派ソーセージ(左),フランクフルト(中),ホワイトソーセージ(右),ほくほくジャーマンポテトとなっております。(他も美味いがホワイトがズバ抜けて美味い)




このシーザーサラダはかなりオススメ。アンチョビで塩味を出しているので、必要以上の塩辛さは感じない(ショッパイのが嫌ならアンチョビを避けて食べると吉)。盛りも多いしチーズ一杯だしクルトンは大きい割りに軽くてサクサクだし酒が進むしああもうどうしよう。




日替わり前菜の真鯛の昆布絞めカルパッチョ。まず鯛がプリプリで美味い。そして酒に漬け込んだ昆布のコリコリとした食感が程よいアクセントに。なんつうかお酒おかわりちょーだい。




こっからはディスティニーご自慢のパスタ紹介。まずは定番のカルボナーラ。余計な調味料や具材を一切使わないシンプルな一品。ぱっと見た感じでは厚切りベーコンとクリームしか使ってないのに、味に深みとコクがあってそのクセあっさりしててあら不思議。恐らく塩や胡椒の使い方が上手なんだろうなあ…。

ていうかですね、オレ様は巷のパスタ屋によくある、妙にゴテゴテしててやたらと味がくどくて食べ辛いカルボナーラが大嫌いなんですよ。その点、このカルボナーラは食べ易くて好みにピッタリ。クリーミーさとあっさり感を兼ね備えていて、なおかつ風味豊かで塩気もベストという絶妙なバランスに萌え。すげえなジョニー!




こちらも定番のボンゴレ・ビアンコ。アサリのダシにバターとガーリックと白ワインの香りが加わってもうなんて言うか美味しい。ボキャブラリーのない頭の弱い子みたいだけどとにかく美味しいの。アサリもたっぷり入ってるし、火の通し方も丁度いいしああもう酒もってこい!!




で、ジョニー氏が「新しいメニューで、ペスカトーレ(魚介)のビアンコ(白)作ってみたんだけどどう?」と勧めてくるので頼んでみたら大当たり。普通、ペスカトーレというとロッソ(赤・トマト味)が定番だと思うんだが、ビアンコ(白ワインベース)もうめえ…。有頭海老から強烈なダシが出てて、ホタテだのアサリだのイカだのの味も溶け込んでてなんだこりゃ。なんかお酒と一緒に何度でも食べたい味だなあ…。ちなみにパスタはリングイネなんだが、それがまたアルデンテってヤツですよ!なんか横文字ばかりで自分でも何を喋ってるのか分からんぞ!




そんでもって個人的に一番好きなのがこのボロネーゼ。大人のミートソースって感じですごくお上品なお味。丁寧にローストしたタマネギと椎茸が絶妙な風味をかもし出しており、トマト感はそれほど強くない。が、その分コショウとひき肉の風味が強く出ている。好き好きかもしれないけど、個人的にはミートソースじゃなくてあえてボロネーゼを頼んでいるんだからコッチの方がいい。




で、ランチタイムに来ると日替わりの数種類のパスタか自家製ハンバーグに、上記のサラダとスープが付く。850円というお値打ち価格もさることながら、盛りの多さに大満足。ちなみにこの日は手作りパンプキンスープが出てきた。かぼちゃを丁寧に裏ごしして作った、まさに【かぼちゃ100%】な逸品である。




で、ある日とない日があるんだが、夜に来ると日替わりデザートも。この日は手作りパンナコッタのキウイソースがけだった。柔らかすぎずぷりっぷりで、キウイソースの酸味も丁度いい。濃い目のコーヒーなんかと一緒に食べたいなあ。

■総評
大山には美味くてコストパフォーマンスの高いパスタ屋があまりなかったんだが、このディスティニィが出来てからはもう何の文句も無くなった。夜はちょっと割高になる可能性があるんだが、ランチセット850円というのがとにかくお得。と言っても、夜も盛りが多いから酒を飲んでも1人4,000円程度なんだが。点数を付けるなら【昼=95点 夜=85点】てとこか。


■ディスティニィ(パスタ&イタリアン)
住所:東京都板橋区大山東町28-2
TEL:03‐3964-3158
営業時間:月~金曜日11:00~23:00 土曜日のみ17:00~23:00
※定休日は日祝
席数:10席くらい