あったか~い冬が過ぎ、何か物足りなさを感じながら早い春を迎えようとしています。


 いつもなら、陽あたりのいい雪どけの早い畦で見つけた、小さなふきのとうをお味噌汁に刻みいれ、その香りに春の訪れを実感するのですが、今年はもう天ぷらにして春一番の味をたくさんいただきました。


 例年なら、真冬日の続く大寒の頃の寒さの中での寒もち作りですが、今年はもちろん真冬日(最高気温が0℃以上にならない日)は1日もないまま、富山では“とぼもち”と言われる、大きなかまぼこ状に成型したお餅を厚さ、約5ミリに薄く切り、1枚ずつ紐で編み、干して作る保存食である寒もち(かきもち)を作りました。

きれいに編まれ、暖簾のように吊るされた乾燥部屋ではお餅に搗き込まれている富山の白えびや四万十川の青のりの香りが充満し、その他、黒ゴマ、黒豆、昆布の寒もちが干し上がりつつあります。



寒もち


 昨年は編み方もわからず、見様見まねで編み吊るしてみたものの、干し上がっていくにつれ縮まる寒もちの為に、緩んだヒモからはずれ落ち、割れてしまい散々でしたので、今年は大先輩から”技”をご伝授いただきました。
お陰で一枚の落下もなく、干し上がりを見極める時期なのですが、又又大先輩のお母さんに登場していただく事にしましようか。

 その後は、小袋詰めし商品となった“百姓寒もち”を求めて下さる方に、割れないようにお届けする方法ですね。
試行錯誤はまだまだ続きます。新しい商品が出来上がるまでの、あーだ こーだ と言っている時間、なかなか楽しいものです。
農閑期だけの「百姓もち」を搗き終える頃までに、商品化できればと思っています。

 あまり春になったという実感のないまま、3月1日からいよいよお米の種籾の準備に入ります。
まずは選別です。よーく育っている籾をふるいで(選別機)選びます。
次にお湯(60℃)に5分間つけることで、病気の菌を殺菌し、水につけておくことでゆっくり水を吸い、芽を出す準備をします。



種籾の浸水


このまま春が早く来る様なら田植えも早く始まりそうです。
 

 毎年、今年こそは・・・と自分たちがお米を実らせてくれる稲にできることを考えめぐらせる百姓たちです。
太陽や風、雨が味方してくれることを願って、今年もお米の種をまきます。


みうらよしこ