昨日まで停滞していた
鉛色の雲が
見渡す限り
私の視界からすっかり
消え去ってしまった様です
遠く高い 眩い水色の空から
容赦無く
熱い光が
フィルターを通さずに
大地へと降り注ぎます
首筋から吹き出す汗が
Tシャツの襟元を
じわじわと 濡らしていきます
此ぞ 夏旅ですね!
さあ!
旅の2日目 始まりますよ
繰り返しますが…
此れは 夏の旅の話なのですよ!
あっ お店の方
暖房の温度ちょっぴり 上げてください〜
(10月中旬 某喫茶店にて 執筆中)
月見坂と呼ばれる
中尊寺への
長く続く 緩やかな坂道
道の両側には 杉並木が連なり
樹齢300年を超える
天に突き抜ける老木は
汗を滲ませて辿り着く旅人に
山道に木陰を作り
陽射しから
優しく守ってくれているのです
汗を軽く拭い
高く視線を移すと
風に楚々と揺れる樹々の葉の間
垣間見る 普遍的な夏の青い空
次に鳴く 蝉の声を待つ刹那
一瞬 何もかもが止まったかの様な
静寂さが 包みます
松尾芭蕉も
見上げだであろう 此の夏の空…
旅に出る
悠久の時に彷徨う…
そんな 喜びが
心身に満ちて来た所で
古に続く参道へ
また一歩
歩を進めて行くのです
そして…
時を遡り
内面には
感性を刺激する様々な想いに満ちて来るのです
その 溢れる 言葉を凝縮しましてと…
うーん
ムムム!
……
整いました‼︎
早速 一句産まれましたよ♪
腰を落ち着けて
堂々とパクっておりますが
私の背中に…
何やら
激しく冷たい視線を感じるのですけど…
(その棒で 頭叩かないでくださいね)
うーん
流石師匠ですね!
参りましたです!
私如き感性に乏しい者にでも
此の地に立ってこそ
感じる物 想う事
その12文字に
照らし合わせてみると
長い時間を飛び越えて
師匠の想いに少し
繋がった様な気がします
辺りは 緑眩い夏草が生い茂るだけ
遥か昔の
栄華の名残は消え失せ
義経の最期も見届けたであろう此の地は
高台に吹く頬を撫でる涼風にも
何処 栄華の儚さを感じます
そして 全てが朽ち果てた
無情の此の地の果てに
現れた 眩いばかりの金色堂…
心を激しく突き上げて来る
切なさの向こうの光
静謐の中の輝きに
私 何か救われた様な気がしました。
平泉で 遥か昔に想いを馳せた私ですが
今宵の宿は
何処かの駅前
安全安心安定の
ビジネスホテルでは
何となく 味気ないですよね!
心は遥か昔に行っちゃってますから。
と言う訳で
向かいましたよ
現代から過去へと
新幹線とバスを乗り継いで…
秋田 乳頭温泉 鶴の湯
冬が近づくと
旅行雑誌の秘湯温泉特集の表紙に
必ずと言って良いほど
登場して
本の売り上げに
貢献している有名な温泉ですね!
私 三度目の鶴の湯温泉ですが
雪の無い 緑の季節の訪問は
初めてとなります
白い世界に隠れていた
鶴の湯は
山を覆う緑を
虫の声を伴いながら
風が揺らして居りました
今回から
自撮り棒 持参して居ります!
一人旅の自撮り写真ですが
旅の間
表情をどうして良いかわかりませんでした…。
取り敢えず うっすら笑っておきましたが…。
今回のお部屋は三号館
所謂 湯治棟と呼ばれる
六畳一間のお部屋になります
思いっきり力を入れれば
ひょっとすると
開けられそうな鍵付きのお部屋です
壁が恰も無いかの様に
廊下を歩く音と 話し声が良く 聞こえて来ます
鶴の湯はテレビなんて有りませんから
畳の部屋に テーブルに座布団
お部屋の中は
いたってシンプルですね
18歳で初めて上京
共同トイレの
高円寺のアパートで
届かぬ引越し荷物を待つ気持ちを
ちょっぴり 思い出してしまいました…。
……
……
と言うか
此が良いんですけどね!
此処は 携帯も繋がらない
正に 現代から隔離された山の中
過度なサービス 快適な施設なんて物は
山の向こう側に有れば良いんですから
そして
夜になって 灯が抑えられて来ると
ジワジワと湧いて来ますよ
鶴の湯での
何も無い事の意味が
遥か昔より
常に湧き続ける温泉
大地の恵は
次々と浴槽に流れ込み
浴槽から溢れ出したお湯は
躊躇うことなく排出されて行くのです
その素晴らしい温泉の一番湯が
風情ある自然の中で
只々 24時間いつでも
堪能出来るのです
もう 何にも縛られる事は有りません
背負っているもの 全部下ろして
心も体も裸になって
色々な物 身体から流しちゃいましょうよ
そう!
何も無いんですから
思いっきり 温泉三昧といきましょうよ!
此が 鶴の湯の醍醐味なのですから‼︎
そして
旅は次回に続くのです。
……
……
おいおい!
食事シーンはどうした!
男の入浴の話で
今回は終わりか!
などと
お叱りの声を沢山頂きそうで
少々 心配して居ります(ブログ責任者)