ゆるやかな丘陵地に広がる豊かな自然、浦幌ウォーク1 | 神社仏閣旅歩き そして時には食べ歩き

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還暦を過ぎて体にトラブルが出始めて、ランニングを楽しめなくなりました。近ごろはウォーキングに軸足を移して道内の神社仏閣を巡り、御朱印を拝受したり霊場巡礼を楽しんでいます。いつかは四国八十八ヶ所巡礼や熊野詣をすることが夢です。by おがまん@小笠原章仁

(1)青春18きっぷの旅(往路)

 今年からいつでもウォークに初登場となった浦幌ウォーク。昨年までならなかなか参加できなかったと思いますが、今年3月のダイヤ改正で青春18きっぷを使って参加することが可能になりました。そこでこの夏の青春18きっぷ旅のメインとして考えていたのですが、天候等の関係もありなかなか実行できませんでした。

 8月17日は私の夏季休暇の最終日です。週間予報を見ても天気は良さそうであり、この日こそ決行しようと思っていました。

 ところが前日に、北海道全域を大雨が襲います。前週の12日にも決行を予定していましたが、このときは11日夜から12日未明にかけて大雨が予想されるとして、前日の時点で午前中の列車の一部が運休すると発表されました。乗る予定だった列車がその中に含まれており、実行不可能となってしまいました。その悪夢が再び蘇ります。

 16日の午前中の時点でJRの運行状況を確認すると、浦幌行きに係わる線区としては、根室本線の新得~釧路間が16時まで運休となっています。これならば雨さえ上がれば明日は大丈夫そうです。そう思っていたのですが……。

 携帯アドレスに道路交通情報が入ります。それによると、10時30分から国道38号狩勝峠が通行止めになるということです。根室本線の東鹿越駅から新得駅までは、2016年8月の台風被害により不通となっており、代行バスが走っています。その代行バスは国道38号を走ります。ということで、この代行バスを含む富良野~新得間の終日運休が発表されました。

 さらに午後になると、富良野線の美瑛~富良野間も運休となりました(こちらは2時間くらいで運転再開が発表されました)。これで一時的に美瑛~浦幌間はすべて運休となりました。

 一時は浦幌行きを諦めて、別の方面に向かうことも考えました。ところが夜になると、富良野線に続き根室本線も運転を再開し、国道38号の通行止めも解除されました。17日の運転予定も平常運行となっています。こうなると、浦幌に行けそうということになりました。浦幌に向かう準備をして、床に就きました。

 翌朝、目覚まし時計で起きると、まずJR北海道のホームページを見ました。富良野線も根室本線も平常運行となっています。これで九分九厘決行です。急いで支度をし、家庭菜園で今日の分の収穫をして(大雨によるトマトの裂果に泣きました)、前日の残りのきゅうりチャンプルーで朝食を済ませます。そして美瑛駅に向かいました。

 美瑛駅を6時23分に出発する富良野行は、すでに入線していました。旭川から3両編成(多分、現在の富良野線で3両編成で走っているのはこれだけです)でやってきますが、富良野まで行くのは先頭の1両だけです。後ろ2両は回送車で、美瑛駅で切り離されたあと6時55分発旭川行となります。美瑛駅の1番ホームでは、ちょうど切り離しの作業を終えたところでした。



 美瑛駅の営業時間は6時30分です。ですからこの時間の改札はフリーパスです。でも駅員さんはホームで切り離し作業を見守っていますので、いつもはここでお願いをして青春18きっぷに検印をもらってしまいます。しかし今回は検印をもらわず、富良野まで向かうことにしました。富良野まで行って運行状況を確認してから最終決定をしようと思ったのです。もしも富良野に到着した時点でなにか問題がありそうなら、そのまま定期券で帰ってくることができます。でも青春18きっぷを使用開始してしまえば、もう取り消すことはできませんから。

 行動制限が解除されたおかげで観光客が戻ってきてるのでしょうか、いつもより乗客は多く感じます。それでも空席はありますので、座って富良野を目指しました。富良野駅の手前では富良野川に架かる橋梁を通過するのですが、前日の雨の影響でかなり増水して濁流が流れていました。

 7時08分の到着予定が2分ほど遅れましたが、富良野駅で下車すると、まず改札口を目指します。駅のアナウンスで、根室本線は上下線とも平常運行と伝えています。この時点で決行が決定しました。

 改札口で検印をもらい、根室本線のホームに向かいます。こちらに帰ってきてからは青春18きっぷには美瑛駅の検印しか押されたことはありませんでしたが、初めて富良野駅の検印を押してもらいました。

 やがて滝川から来た7時17分発東鹿越行普通列車が到着します。これに乗り込み、東鹿越駅を目指します。



 ときおり車窓から空知川が見えますが、こちらもかなり増水して濁流がすごい勢いで流れています。雨がやんでくれて本当に助かりました。

 金山を過ぎるとトンネルがあり、トンネルを抜けると金山ダムにせき止められた金山湖が見えてきます。しかしこちらもやはり濁った水が貯まっていました。



 8時01分に終点の東鹿越駅に到着し、ここからは新得行の代行バスに乗り換えます。



 8時06分に出発したバスはゆっくりと狩勝峠を越えて、新得駅に向かいます。新得が近づくと佐幌川が見え隠れしますが、富良野川や空知川よりも激しく流れていました。2016年8月の大雨の時は新得駅周辺の鉄道にもかなりの被害が出ているだけに、そこまでの雨とならなくて本当に良かったです。まもなくバスは新得駅に到着しました。定刻は9時14分ですが、数分早く到着しました。



 新得からは9時25分発帯広行普通列車に乗り換えます。3月までは根室本線の普通列車はすべてキハ40でしたが、ダイヤ改正後はすべて新型車両であるH100に置き換えられました。おかげで普通列車のスピードアップが図られて、今回のように浦幌まで行ってウォーキングをすることが可能となりました。改正後の新ダイヤでは、4時間27分の滞在が可能となっています。



 定刻の10時20分に帯広駅に到着し、ここからは10時26分発釧路行普通列車に乗り換えます。



 帯広駅を出ると間もなく、札内川に架かる橋梁を渡ります。札内川の高水敷は、帯広に住んでいた頃によく走ったコースですが、そこまでしっかりと水がついた跡が残っています。しかも未だ低水敷はほぼ満水状態です。このような状況でもJRが平常運行していることに感謝です。

 帯広を出てからおよそ1時間。11時20分に目的地である浦幌に到着し、私は浦幌駅のホームに降りました。浦幌駅のホームには、明治期に客車用のランプや危険物が保管されていた通称「油庫」、「ランプ小屋」と呼ばれた倉庫が残っています。以前、JR北海道の「鉄道探偵」で問題とされたことがあり、浦幌に行ったらぜひ見ようと思っていました。ようやく念願がかないました。