(1)奇跡の追加当選
第1回大会に出場することが大好きな私。昨年2月に開催された第1回熊本城マラソンも、参加を検討した大会のひとつでした。
同時に検討していたのが、一昨年の11月に開催された第1回神戸マラソンでした。神戸と熊本城の間隔は約3ヶ月。この短い間に道外遠征を2本というのは私の経済状況では不可能です。どちらかひとつに絞る必要がありました。先にエントリーが行われた神戸マラソンは抽選大会で、昨年の熊本城マラソンは先着順の大会でした。ですから、神戸の抽選に落ちたときは熊本城の参加を検討しようと思っていました。
結局、神戸マラソンの抽選には見事に当選しました。そのため熊本城マラソンのエントリーは断念しました。第1回の時に参加できなかっただけに、熊本城マラソンとは今後も縁がないだろう。このときはそう思っていました。
ところが昨年の夏、奥さんと話していたら、「久留米の友だちのところに行きたいなぁ」という話題になりました。久留米といえば、熊本から遠くありません。このとき私の頭の中に悪知恵が浮かびました。
「一緒に熊本城マラソンに行って、マラソンを走っているときは久留米に遊びに行けばいいんじゃないの?」
簡単にうんとは言いませんでしたが、却下もされませんでした。よし!ここがチャンス!とばかりに、話を一気に進めました。第2回大会から抽選制となった熊本城マラソンにも締め切り2日前にエントリーをしてしまいます。そして結果発表を待ちました。
フルマラソンの定員は9,000人です。これに対してエントリー数は16,037人(速報値)でした。抽選倍率は2倍を切りました。ある程度の未入金者を想定して当選者は多めにするでしょうから、この倍率を見ただけで当選したような気分になっていました。
ところが、9月25日に届いた抽選結果は、まさかの落選!私はしばらく頭の中が真っ白になってしまいました。代替レースにエントリーしようと思いましたが奥さんの許可がおりず、今シーズンの道外遠征は半ば諦めていました。
当初は追加抽選は行わないとされていたこの大会ですが、未入金者が想定よりも多くて、フルマラソンは300人ほど定員を下回ったようです。そのため追加抽選を実施すると発表されました。しかし当選者が10,000名だったと仮定すると落選者は6,000名あまりいます。そこに300名の追加当選・・・こちらも未入金を考慮して400名を当選としたとしても15倍という東京マラソンを超える倍率になります。とても当選するとは思えません。追加抽選の実施日すら忘れていました。
10月22日、そんな私の元に当選通知メールが届きます。想定外の出来事に、嬉しさよりも戸惑ってあたふたしてしまいました。
先に手配しておいた宿は、もしも追加抽選が行われたときのためにと思ってキャンセルをせずにおきました。これが功を奏します。
次に航空券です。今回はマイルの特典航空券を使う予定です。奥さんも同行しますので「おともでマイル」を使いますと、通常は1往復で15,000マイルが必要なところ10,000マイルとなり、同行者は往復25,000円で利用できます。つまり2人で新千歳~福岡間を往復して25,000円。LCC並みの価格です。
ただ、先行予約のある先得やスーパー先得と違い、特典航空券は利用の2ヶ月前でなければ予約できません。この特典航空券を押さえることができなければ、今回の遠征は困難になります。エントリーの関門を奇跡的にくぐり抜けた私ですが、次には航空券の関門が控えていました。遠征するためには、スタートする前にさまざまな関門があります。でもこの第2関門も無事にクリアできました。
これで大丈夫!・・・かというと、そうではありません。最後の最後にやっかいな関門が控えています。それは天候です。2月というと、北海道の天候が最も荒れる時期です。飛行機の欠航も多くなります。それどころか、場合によっては留萌から新千歳空港に行くルートが断たれてしまうことだってあります。すこしでもその危険性を回避するために、出発直前になってから札幌に前泊することにしました。
ここまで手を打ってダメだったら諦めもつきます。2月14日の仕事を終えた後、私はすぐに帰宅して着替えを済ませるとすぐに、奥さんとともにバス停に行きました。予定通り、札幌行きの高速るもい号が到着します。いよいよ3泊4日熊本遠征(前泊分を入れると4泊5日です)のスタートです。(つづく)
(2)桂花本店とキャサリンズバーへ