3.食べ放題の罠
会場内で開宴を待ちます。私たちが陣取ったのは、ステージ前のテーブルです。ステージが見やすいようにとの奥さんの希望ですが、同じテーブルの半分を占めているのはどう見ても参加者とは思えない背広姿の方々・・・どう見ても来賓です。案の定、苫小牧市長やら安平町長やらでして、その後からは橋本聖子さんもやってきました。
やがて宴が始まります。ノーザンファームの吉田社長の挨拶がありましたが、なんでもここでマラソンをやろうという話が出たのは昨年の11月だったとか。それから全力疾走でここまでこぎ着けたそうです。昨年の9月から動き出して、半年後には今年の開催を断念したとかちHAPPYマラソンのペースが中山大障害だとすれば、こちらはまるでアイビスサマーダッシュのような勢いです。
今年はいろいろと手探りのところもあるようで、今年の大会をプレ大会として、来年からはさらによい大会にし、ゆくゆくは北海道を代表する大会にしたいというようなお話がありました。
続いて大会長でもあり、地元安平町出身の橋本聖子さんの挨拶です。橋本さんの実家は、あのマルゼンスキーで有名なマルゼン橋本牧場ですからね。
その橋本聖子さんの乾杯の音頭で宴は始まりました。
中央のテーブルに料理があり、それをめいめいが取ってくるという、サロマの前夜祭と同じ形の立食パーティーです。でもサロマと違うところは、こちらの参加者はみな行儀がよく、争奪戦にはなりませんでした。サロマとは違って、料理がふんだんに用意されているということもあったのかもしれません。私たちも落ち着いて料理を取ってきました。
やがて、各テーブルにも料理が配られます。どれもこれも十分な量があり、また味も美味しかったです。
ノンアルコールビール、ウーロン茶、ジュースといったソフトドリンクは飲み放題になっています。が、アルコールはカウンターでの有料販売でした。これだけの料理が会費1,500円ですから、アルコールは別料金というのは当然でしょうね。でもせっかく車を置いてきての参加です。アルコールを飲まないわけにいきません。ビールを飲もうと財布を出したら、中に入っているのは千円札が2枚・・・。昼食とソフトクリーム代を払ったため、財布の中は寂しいことになっていました。懐が寂しかったおかげでビールを1杯だけで我慢したことは、本番のレースのことを考えたら幸運だったのかもしれません。
全般的に、料理は肉類が多かったようにも思えます。マラソンの前夜祭らしからぬ料理とも言えますが、私はハーフマラソンくらいのレースでは特にカーボローディングを意識していませんので、何も気にせずに食事を楽しみました。
もちろん、ご飯もあります。おにぎりもありました。そのおにぎりに中には、こんな特大のおにぎりもあります。
これは新千歳空港の佐藤水産のジャンボおにぎりだと思います。普通サイズのおにぎりが入っているケースには佐藤水産の名前が入っていましたから。茶碗2杯分くらいのご飯を使っているというこのおにぎり。私は思わず手を伸ばしていました。
中身は鮭といくらのミックスでした。これ、とても美味しかったのですが・・・失敗でした。おにぎりだけでおなか一杯になってしまって、ほかの料理に手を伸ばせなくなってしまいました。
またこの前夜祭では、猫ひろしさんと中島コーチによるトークショーも行われました。
内容は猫さんというより、中島コーチによるランニングクリニック的なお話でしたが、厳しいトレーニングをしてまでタイムを伸ばしたいという願望がない私にはどうもピンとこない話が多く、ほとんど食べる方に専念していました。
今日は知っているランナーが誰もいないと寂しい思いをしていたのですが、チームR&Tのハンサム姐さんが声をかけてくれて助かりました。日頃から、「どこの大会に行っても必ず知っているランナーと会う」と奥さんに豪語していただけに、誰からも声をかけられないのはとてもつらい状況だったのです。
そのうち、あちこちのテーブルでスイーツを見かけるようになります。ジャンボおにぎりでおなか一杯になっても、スイーツは別腹です。でもさすがに食べ過ぎかな・・・どうしようかな・・・と迷っていたら、奥さんがしっかりとスイーツを持ってきました。大喜びで食べたことは言うまでもありません。
最後にキャロットクラブ提供の一口馬主権をかけたじゃんけん大会が行われました。この種のじゃんけん大会で1回戦を勝ち上がった記憶もほとんどない私。ところがこのときに限って1回戦を勝ち上がり、急に期待が大きくなります。でも、2回戦はあっさり敗退しました。いいんです。幸運は神戸マラソンの抽選まで残しておくのですから。
じゃんけん大会の終了とともに、前夜祭の2時間が終わりました。気がつくとおなかは超満腹。そりゃあそうです。あれだけ食べたのですから。
来たとき同様にシャトルバスで新千歳空港に行き、それからJRで千歳駅に戻りました。そしてホテルの部屋に戻ったのですが、おなかがきつくてたまりません。すっかり食べ放題の罠にかかってしまいました。ちょっと寝苦しさを感じながらも、いつのまにか眠りについていました。(つづく)