浮気ごころが芽生えるとき | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

浮気ごころが芽生えるとき

やなぎあこ

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        木曜日は「もっとラブラブに」。
        服部希美やなぎあこ
        山内惠子三枝みきが交代でお届けします!

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カウンセリングサービスやなぎあこです。
各地で桜が咲いていますね。私の住んでいる前橋ではちょうど今が見頃です。
春爛漫、いい季節です。



うら若き20代だったころ、当時の彼に浮気されてしまったことがあります。
浮気相手は私達の共通の友人だったのですが、彼がしょっちゅうその人の相談
に乗っているのをみて、なんとなく不安に感じて、彼に様子を伺いました。
「○○さんとは(浮気なんて)ありえないよ」とはっきりした答えが返ってき
たので、すっかり安心していましたが……結果的に彼はその人のもとへ行き、
恋はあえなく終わったのです。

しかし不安に感じ始めた時期は、確証はないものの「○○さんとはありえない」
のは、まだ偽りのないところだったようにも思うのです。
そもそも彼女の相談は付き合っている彼のことだったのですが、彼同士が学生
時代からの友人でしたので、当人を昔から知っている彼は、相談相手としては
まあ適役だったわけです。

当時の私は依存心がとても強い上に、不安になりやすく、劣等感も強く、彼の
優しい言葉や励ましも、まったく受け取れない状態でした。しかし彼の返答を
聞いてなぜかすっかり安心した私は、相変わらず彼の気持ちを受け取らずに、
どっぷりと甘え、彼の愛情にあぐらをかいていたのです。

今思えばなんですが、なんとなく、このあたりから彼の「浮気ごころ」が芽生
えたのではないかと思っています。

男性は、基本的に大好きな人の役に立ちたい、与えたい生き物です。

すぐ不安になって彼の愛を確かめるようなことをしたり、彼が可愛いと言って
くれても、自分の好きではないところばかり見て、むすっとしたりを繰り返し
ました。もちろん、可愛く甘えるなんてこともできません。不機嫌になって、
察してもらおうとする、女性がやりがちな常套手段を取っていました。

また、安心しているからこそではあるものの、なんだか、いつも疲れていて、
ドライブの車中ではずっと眠ってしまったり、体調が悪かったりで機嫌が悪い
ことが多く、結果的に(僕ではこの人をあまり幸せにはできないな)と、思わ
せやすい行動を取っていました。

一方で、相談を持ち掛けていた彼女は、私が見ても可愛いと思える人でしたし
彼自身も(あなたは役に立たない)と、無意識的なメッセージを伝えている私
より、相談という形でも、役に立っている彼女のほうが、自尊心が損なわれず
に済んだと思うのです。

本当は、彼は私から、頼りになる、とか、いつもありがとう、とか、助けてく
れて嬉しいなどという言葉を聞きたかったのです。

だって、一番大切な人から聞けたらとても幸せですよね。

大切な人から欲しいものが得られないのは、苦しいものです。
自分自身の存在について、揺らぎを感じるをことだってよくあります。
ですから、他からでもいいからもらいたいと感じるのは、ある意味自然なこと
なんですよね。

私の想いを得られなかったので、彼に「浮気ごころ」が芽生えたのでしょう。
振り返って考えてみると、なんとも物悲しいですが。

彼の「浮気ごころ」は、いつの間にか本気になり、私と別れた後ふたりは結婚
したと、風のうわさに聞きました。
私にとっても、大好きな人でしたので、とても手痛い経験でしたが、そうでも
しなければ、自分を変える必要のあることに私は気づけなかったのでしょう。

しかし当時どころかしばらく気づけず、ずっと後でカウンセリングを受け始めて
ようやく気づいたくらい、愛されにくい態度を取っていたことに、自覚があり
ませんでした。

そう、自覚がなかったのです、悲しいことに。

だから、彼が浮気をするなんて、思いもしなかったのです。
「○○さんとは、ありえない」と聞いただけに、まじめで浮気なんてしそうに
ない人でしたから、余計にショックでした。

カウンセリングでは、浮気のご相談をたくさんいただきます。
浮気常習の場合、されるほうは「やっぱりね」という、言ってみれば納得感が
あるので、ショックの度合いはやや低いのですが、「思ってもみなかった」、
「まさか夫が(妻が)」、という青天のへきれきとして経験される方は、とて
も強いショックを受けられます。

でも、私の経験を通じて申し上げると、まさかあの人に、という大切な相手に
裏切られるときは、自分が自覚なく、大切な相手を傷つけていることもとても
多いのです。きっと、私が自分の痛みや傷ばかりを見ていて、彼の想いを全く
受け取らなかったことに彼はとても傷ついていたのでしょうね。

当時、自分の悩みで手一杯でした。自分に価値があるなんてひとつも思えなか
ったので、当然と言えば当然ですが、毎日劣等感や痛み、傷だけを眺めて暮ら
しているようなものでした。
でもそれは「ナルシスト」の語源になった、ギリシャ神話のナルキッソスが、
水面に映った自分に魅入って離れられなくなったのと、ある意味同じ状態だっ
たのです。
お恥ずかしながら。

自分しか見えていない状態は、目の前の人の想いに、気づけなくなってしまう
んですね。私が浮気をされてしまったのは、魅力がなかったからでも、太って
いたからでも、可愛くなかったからでもありません。

自分の劣等感や痛みや、傷にしか関心がなく、彼のことを全く見ていなかった
からです。

一方通行の想いは、とてもつらいですもの。

20年経ちましたが、彼の浮気を経験できてよかったと思っています。
相手の想いを受け取らず、寂しがらせているときに、すっとよそ見をしたくな
るような、心の隙間ができるのだと、手痛い経験を通して学ぶことができたか
らです。




次週は山内惠子カウンセラーの登場です。
お楽しみに!



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