散りばめられた「ホスピタリティ」のかっこよさ | 恋と仕事の心理学@カウンセリングサービス

散りばめられた「ホスピタリティ」のかっこよさ




今日もありがとうございますコスモス五十嵐かおるです。

金曜日のテーマは
宝石赤恋と仕事のライフプロデュース宝石ブルー

下村 ひろみ カウンセラー と、大塚 亘 カウンセラー  と隔週でお届けしています。

     クローバー        クローバー        クローバー

最近ではすっかり定着した「ホスピタリティ」という言葉。
とくに飲食店などで注目されていますが、もともと使われていた「サービス」の語源は
ラテン語のServus(奴隷)です。
一方で「ホスピタリティ」の語源は、ラテン語のHospics(客人等の保護)。
これだけでも、行動動機が全く違うことがよくわかりますよね。


まだそんな言葉すら知らなかった学生の頃。
ある人から聞いた話が私にとって初めて「ホスピタリティ」を意識する
きっかけとなりました。
今日はその出来事についてお話させていただきたいと思います。
よろしければおつきあいくださいね。


     コーヒー       きらきら!!       コーヒー


学生の頃、田舎のレトロ感溢れるカフェでバイトをしていました。
雰囲気もメニューも、カフェというより喫茶店と言ったほうが
しっくりくるかもしれません。

お客さんはまばらで、私の仕事といえば、掃除とマスターの思い出話を聞くこと。
反抗期真っ盛りで父親とはほとんど話さなかった私にとって、
マスターだけが、これから出ていく「社会」を教えてくれる唯一の大人の人でした。


珈琲の香りと、ブラインド模様に切り取られた店内に差し込む西日。
カウンター越しの丸いサイフォンと、マスターの分厚い眼鏡にも反射する。
そろそろ店内が黄金色に染まり始める時間。。。

それまでの半生に光を向けるように、アルコールランプの火を灯し、
コポコポと沸き立つサイフォンを思い出を見るように愛おしそうに眺める。
それを合図にマスターのお話がゆっくりと始まるのでした。


その中で20年近く経ったでも
鮮明に覚えている話の中のひとつです。


   コーヒー       きらきら!!       コーヒー


僕がまだ東京でウェイターの見習いをやっていた頃の話だ。
なかなか高級なお店でね、その日はオーナーの友達が
彼女を連れてディナーにやってきたんだよ。

2人とも年齢は僕より少し上くらいだけど品があって、いかにも都会的。
いいお店に行き慣れている感じだった。
男性のほうは何度か来てくれたことがあって、
僕のことを可愛いがってくれていてね。

その日は何かの記念日だったらしく、スーツ姿もまたかっこよかった。
いつもと違う見慣れない雰囲気の彼に萎縮して、田舎者の僕は
サービスすることすら少し緊張してしまったくらいだったな。

慣れた感じで料理とワインを注文して、
そのテーブルでは2人仲良く会話も弾んでいた。


前菜、スープ、サラダ、パン…
メインを運んだところで、女性が少しだけ怪訝な表情をした。
すぐにそれに気づいた男性は、彼女のお皿と自分のお皿をサッと交換して
何かを紙ナプキンで包んだようだった。


一瞬嫌な予感がしたのだけど、2人はそのまま何もなかったかのように
食事の続きを楽しんでいたから、僕もほっと胸をなでおろして
サービスを続けていた。

デザートも終わり、終始笑顔の2人はとても満足して席を立ってくれた…
ように見えていた。
お会計が済んで、彼女が席を外した時に彼がそっと僕に近づいてきたんだ


手の中にあったのは、さっきの紙ナプキン。
僕にだけに見えるようにそっと開くと、そこには明らかに
人の髪の毛とわかるものが入っていた。

それを見て僕は青くなった。
一流のフレンチコースに髪の毛・・・
あるまじきことに、こっぴどく叱られると覚悟した。


予想に反して彼は、周りのお客様に聞こえないように小声
「これ、他のお客様に出したらマズイだろう。気をつけろよ。」
怒るでもなく、たしなめるようにそれだけ言って
戻ってきた彼女とともにお店を後にした。


いや~、僕はとても感動したんだ。
たったこれだけの出来事で、なんでそんなに印象的かって思うだろう?


ふつう、料理に髪の毛が入っていたらレストランとしては大変なミスだ。
もちろん料理は早急に作り直してお出ししなくてはならないし、
中には「代金は出さない」と言ったり、
お店じゅうに聞こえるように怒鳴なり散らす人だっている。
女性と一緒だったりしたら「大事なデートをどうしてくれるんだ」と言って
わざと店員を怒って見せたりする人もね。
それがかっこいいと思ってやる人もいるかもしれない。
見つけた女性だって「汚ない」と言って不機嫌になることも珍しくない。
なんと言っても、そのことが原因で素敵なディナーの時間が台無しだ。


それをね、2人とも見事なほどスマートにかわしてくれたんだよ。
女性の怪訝な表情一つで彼はお皿の異変に気づいたし、
彼のフォローに女性は瞬時に静かに従って
何もなかったかのように会話に戻った。
「私のお皿に髪の毛が入っていたのに、あなたは何も言わないの?」
そう言ってブチ切れることもできたはずだ。
でも彼女は彼のやり方に従った。
彼のやり方や考え方を、十分に信頼していたんだろうね。

そこまでなら、マナーをわきまえたカップルならできることなのかもしれない。
でも彼はそのあとまでかっこよかった。


彼女がいない間に僕にそっと告げてくれただろう。
レストランとして、やってはいけないミスだ。
他のお客様に同じことがあれば、お店の信頼を損ねかねない。
だから彼はそのことにも気遣って、もう2度と起こらないよう僕にそっと教えてくれた。


このことを彼の友人であるオーナーに影で言うこともできるんだよ。
「スタッフのサービスがなっていない」ってね。
後からわかったことだけれど、彼はオーナーには何も告げていなかったんだ。

僕は厨房のスタッフに報告してみんなで反省をし、オーナーにもお詫びをした。
オーナーは僕たちに注意はしたけれど、そんなに強くは怒らなかった。

「アイツはああいう奴だからな。
覚えておけよ、いい男っていうのは騒いで力を見せつける奴じゃないんだ。
周りにわからないくらい、さりげなく気を使えたら本物だよ。」


ほんの短い時間に、さりげなく当たり前に。
彼は多くの人への気遣いと思いやりがつまった行動をこなしていた。


さすがに、あそこまでは俺はムリだなぁとは思ったけれど、
僕は今でもあの彼の姿が忘れられない。
かっこよかったなぁ。


   コーヒー       きらきら!!       コーヒー


懐かしそうにサイフォンを見つめ
年季の入った木べらで湧き上がってきたコーヒーを柔らかくかき混ぜるマスター。

本物の気遣いと珈琲の美味しさを教えてもらえた、少しだけ背伸びした時間。


恋も仕事も、ここまで出来るようになったら大人なんだなと思っていましたが
年齢だけが大人になったいま、彼らのかっこよさを
あらためて感じる今日この頃なのです。
上手にできなくても、それに気づける心は持っていたいと思いますきらきら


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたにとって見えない優しさが感じられる週末になりますようにラブラブ


☆宮古島生活をしていた写真をたくさん載せているブログです☆
 最近は「引き寄せ」ネタで盛り上がってます。
虹 http://blog.livedoor.jp/cs_kaorul_mahal/


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8/29(金)は大塚亘カウンセラー

9/5(金)は下村 ひろみカウンセラー

9/12(金)は五十嵐 が担当します。

どうぞお楽しみに☆


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