気仙沼のカキ養殖家の人の話を聞いて驚いた。
千年に一度といわれる震災の後、10年は死の海だと覚悟した漁師たち。
ところが、3ヶ月後に調査にやって来た大学の先生からこう言われたのだそう。
「プランクトンが震災前の何倍にも増えている」と。
諦めていたカキの養殖では、栄養をたっぷり吸って、これまでの何倍もの速さで育っているんだそう。
海は死んだどころか、逆に大きく掻き回されたことで新陳代謝が起きて、新しく生まれ変わったんだね。
ふと、私が中学生くらいの頃の父との会話を思い出しました。
父の転勤のために2年毎に引っ越しを繰り返していたわが家。
新しいところに赴任した父親が、仕事に慣れずに大変だと話ている時、思わず質問しました。
「なぜ転勤させるの?わざわざ不慣れな人にさせるのは非効率じゃないか?」と。
しかも、わが家が引っ越すだけでも結構な費用がかかっているのに、全国でものすごい人数の人が動いていて、そんなに費用をかける必要があるのか、ものすごく疑問でした。
父の答えはこう。
「人は慣れると、なぁなぁになるもんなんだ。癒着も起こるし、常に新しい風を入れないと組織が腐るんだよ」と。
その時はイマイチ理解できなかったけど、今はよくわかります。
だとすると、戦後70年のニッポンも、もうそろそろ腐り始めてんじゃないの??
何もかもが新しかった高度成長期が小学生、アホみたいに浮かれたバブル期が青年期、失われた20年と、酸いも甘いも経験を積んだ壮年期も過ぎて、だんだんヨボヨボになってる気がする。
若いころ経験した失敗の度に規制を作り、常識を作り、何でも知ってるつもりで変えようとしない老害。
千年に一度の震災で生まれ変わった東北の海みたいに、世の中も生まれ変わりたいものです。
澱みきった海の水をかき回してほしい!?
とは言うものの、そこはかとなく何かがヒタヒタと近づいてきているような気もしています。
「今一度日本をせんたくいたし申候」 by坂本龍馬
明治維新のようなことが起きるとしたら、ぜひその時代をこの目で見てみたいな♪