哀愁漂う後ろ姿w
見返り美人なんて言葉もありますが、人だろうが猫だろうが、背中越しに振り返る仕草はなんで目に心地いいんでしょうね。
ウチの猫は3ヶ月に1度くらいの頻度で具合が悪くなります。
具体的には排泄が滞る。腎臓に石ができるせいなのか、生理による体調変化なのか、原因はよくわかりません。バランス機能に障害があり立つことができないという体ゆえの宿病なのかもしれません。
トイレがしづらくなって、しかも、するときには痛みがあるらしく、4~6日は常に苦痛のうめき声をもらしています。ピーク時にはエサも水も口にできず。もちろん触れられません。
その鳴き声は、役立たずの飼い主なんとかせえやと訴えているように聞こえるし、事実そう言っているのでしょう。具合が悪いことをわかっていながら何もしてくれない同居人にイラつかない、という方が感情として不自然。
まったくもって無力極まりない飼い主です。なんとかしてあげたいのに何にもできず、ただボーッと見てるだけ。
毎回自力で回復しますが、疲労も甚だしいし、悪いモノが蓄積していくようなことだってあるかもしれない。心配ではあります。
しかし、ウチの猫は、そんな不自由で理不尽な状況でも、一秒も、一瞬たりとも生きることをあきらめたりしないのです。
苦痛をちゃぶ台返しでリセットしようとは思いもしないのです。
動物の本能というものは前向きであることがデフォルトなのです。
ウチの猫が特殊でエライとかいう話ではありません。
命を燃焼して人生に真正面から向き合うということは、たいていの者ができるはずの当たり前のことだという話です。
そらして逃げることなんてできないのです。してもしょうがないのです。
猫が振り返ってニャーと鳴きます。
回復後のそれはいつも、お前もちゃんとせえよという叱咤の声に聞こえて、飼い主は思わず居住まいを正してしまうのです。