ドッグアロマ:犬の健康寿命を延ばすために、飼い主さんができること
こんにちは、Office Guriの諸橋直子です。
さて、昨日のメールで
「犬のアロマセラピーに興味のある方はクリックで意思表示をしてください。
クリック数が一定数に達するようであれば、アロマセラピーに関する情報をお届けしようと思います」
と呼びかけをしました。
すると、結構な勢いでメルマガ配信直後からがしがしクリックされる方が続出で皆さん、やっぱり犬のアロマセラピーには興味があるんだな、というのを実感しました。
なので、今日から犬のためのアロマセラピーについて書いていきますね。
私が犬のためのアロマセラピーを始めたのは、かれこれ12年前にさかのぼります。
我が家の初めてのラブラドール「ぐり」との別れの朝がとうとうやってきたところから話を始めようと思います。
現在、我が家で暮らす13歳の黒ラブ:ぐりですが、最初から我が家の犬だったわけではありません。
実は私はぐりと一度別れを経験しています。
理由は、ぐりはもともと盲導犬候補の子犬として、北海道盲導犬協会から預かっていた犬だったからです。
この、子犬を預かり1年間育てるボランティアを 『パピーウォーカー』と言います。
そして、生後50日でやってきた子犬を 愛情をたっぷり注いで、1年後に訓練のため盲導犬協会に返します。
北海道の場合、基本的に盲導犬になった場合、当時はその詳しい居所や消息は教えてもらえ無いのがルールでした。
また、訓練に妨げにならないよう、面会も禁止されていました(現在はどうなっているかわかりません)。
協会によっては(日本全国にいろいろな盲導犬協会があり、それぞれ 独自の規定を設けています)途中で面会もできるようなのですが、当時、北海道の場合、試験に落ちて帰ってくるか、盲導犬を12歳で引退して 戻ってくる以外、2度と育てた犬には逢えません。
ですから、来るな来るなと思っていた別れの朝がとうとうやって来てしまった…というところから、話を始めたいと思います。
朝から、家族全員が表立っては明るくふるまっているのですが、間違いなく、全員が心の中はどんよりしていました。
盲導犬になるかもしれない犬を育てて送り出すのです。
社会のためには意義があり、良いことなのです。
ただそれは、理性の方の理屈であって、気持ちの方はそれについていけませんでした。
確かに世の中にためには、盲導犬が増える(かもしれない)のは役立つこと。
でも、1年間大切に育てた宝物のようなかわいい愛犬を手放すのは、はっきり言ってつらいことです。
朝を迎えてどんどん時間は過ぎていきます。
あっという間に、協会へ行く時間になりました。
ぐりを手放す時は今生の別れだと思って手放しました。
逢うとしても、もし盲導犬になったら…10年後です。10年経ったら…もう犬の老年期です。
だから、協会に犬を返した後、 車の中でわあわあ泣きました。
そして、手放したと同時に様々なことを後悔しました。
本当はあれもしてあげたかった、これもしてあげたかった。いろいろなことをもっと一緒に楽しみたかった…。
現実問題として、 ものすごく頑張っても20歳まで生きる犬はそんなに多くありません。
さらに、犬が健康で一緒に楽しく過ごせる時間となると、本当に限られています。
そうした中で、せっかく一緒に過ごせる、貴重な子犬時代の1年間だったのに、当時会社員だった私は仕事で夜中まで残業して、犬と遊ぶ時間もあまりなくて、世話はもっぱら犬大好き!の父がやっていました。
そのことをものすごく後悔したのです。
何であの時間の貴重さに、当時気付かなかったのか…。
ぐりを返した後は、ぐりのおもちゃなどが リビングに転がっているだけで、泣けました。
はじめて買ってあげたら大喜びでかじって遊び、 ぼろぼろにしたロープのおもちゃなども捨てられませんでした。
よだれでべとべとなのに、貴重な宝物のようにオモチャのカゴに入れたまま大事に取っておきました。
車にもよく乗せていたので、車のあちこちに黒い毛が残っていました。
掃除をしなくては…と思うのですが、できませんでした。
「ぐりを乗せると毛だらけになるね!」
と笑って掃除ができたのは、次にまたぐりを乗せたら、また車を毛だらけにできるからです。
しかし、もう毛だらけにしてくれるぐりがいません。
掃除したら、毛なくなっちゃうな…と思うと、 どうしても掃除機をかける気にもなれず、私はぐりがいなくなった後も、ばかみたいですが、ずーっと毛だらけのままの車に乗っていました。
最後に、盲導犬協会に返したぐりは、笑顔でした。
仲間や兄弟姉妹犬と遊べる盲導犬協会が、ぐりは大好きでしたから 訓練士さんにぐりを引き渡し、犬舎へ連れていかれる時もすたすた嬉しそうに歩いていきました。
一度もこっち、振り返らなかったなあ。
あの姿が、元気でぐりを見られる最後になるのかな。
これが別れの日の出来事です。
その後も、相変わらず、ぐりのことばかり考えながら、毎日を過ごしていました。
今さら取り戻せないものについて、えんえんと後悔し、完全にペットロスの状態になってもんもんと過ごしていました。
振り返ってみて、あの暗く辛い時間に意味があるとしたら
「犬に対して、やれることを全力で、 すべてやりつくさないことの後悔はものすごい。さらに、その後悔が人間から奪うエネルギーの量が、輪をかけてものすごい」
ということを、身をもって学んだことにつきると思います。
そして…。
結局ぐりは、1ヶ月後に帰ってきました。
「盲導犬、向いてません」 と、試験に落ちて。
その時、あ、これはおまけの時間をもらえたな、と思ったのを よく覚えています。
後悔したことを、ぜ~んぶやり直すチャンスが来た!神様ありがとう!!!!!!!!!!
そして全力で、できることを全部しようと心に決めました。
そうでなくても、20年後くらいには 別れが来ることは明白なのだから、後悔のないように、 できることは何はさておき全部やろう。
そういうことを一気に短時間で考えた結果、私はそれまでやっていた全然向いていない仕事を、何ときっぱり辞めました。
今になって改めて思うのですが、こんな風に逢えない覚悟を一度した、という経験はとても大きかったと思います。
何故ならそれは、
「逢えないし、消息もほとんど知ることができない。撫でたり触ったりもできない」
という点では
「死」
による別れと同じだからです。
多くの方が、大切な愛犬を無くしてペットロスを経験されますが私はある意味、犬が生きている状態で、犬を亡くしたのに近い気持ちを味わった、というとても特殊な経験をしたと思っています。
おかげで人生の中で何が大事で、何が大事で無い、という優先順位がはっきりつけられました。
さほど好きでもない、残業ばかりで人生をすり減らす会社と仕事。
一度きっぱり捨ててしまおう。
何と言っても「失ったと思った犬」が、思いがけず戻ってきたのですから。
今度こそ後悔を残すまい! と私は心に決めました。折角やり直すチャンスがきたのですから。
一方で…。
1か月間協会で過ごしたぐりを迎えたとき、 私は少なからずショックを受けました。
何故なら…黒くてつやつやのかわいい犬だったぐりの毛が、ツヤを失いぱさぱさになっていたからです。
どうしたの…ぐりちゃん! と思って、さらによくよく観察すると、黒い毛には大きなフケがたくさん浮かんでいます。
そして、とどめをさすような、
「今日はお迎えだったので、昨日シャンプーしたんですよ♪」
という職員さんの言葉に、更に私はビックリしました。
…。
大粒の…皮剥けたんですかっていうくらいの、 大きなフケ出ているのですが…?( ;´Д`)
誤解のないように一言申し添えておきますが、決して協会での待遇が悪かったわけではありません。
盲導犬協会では、犬を愛情を持って大切に扱ってくれます。
ただ…。 以前のぐりがそうだったように、一家に一匹の大切な子!として、撫でまわすように可愛がってもらうわけにはいきません。
一人っ子で家族の注目と愛情を独り占めしていたぐりが、集団生活に入り、色々と環境が変わることで変化についていくのが大変なことも、あったのだろうなあ…と思うと、何だかじんと来ました。
そして、ぱさぱさで、フケだらけのぐりでしたが 家族に再会すると、しっぽを振って笑顔で走ってきました。
そのぐりを車に乗せて家に帰り 家に着いて中に入ると、さっそくリビングのカーペットの上でごろりと横になりはじめました。
緊張が解け、わがもの顔でくつろぎ始めたその顔は、やっぱりうちのぐりでした。
ぱさぱさだろうが、ツヤがなかろうが、ぐりはぐりです。
大切な、かわいい、我が家の大事な黒ラブです。
そして思ったことは
「この犬を何とか元気で、天寿を全うさせたい」
「できるだけ病気にならないよう、家庭で出来る病気予防や健康に良いことは何でもやろう」
でした。
しかしながら…。
そこからが私の長い道のりの始まりでもありました。
何せ今から12年前のことです。
「犬の健康管理」
と言っても当時は、分厚い外国の獣医師が書いた難解な食事マニュアルの翻訳本とか、
(犬には七面鳥を食べさせるのだ!的な。うちの近所では残念ながら、七面鳥は売っていません)
アメリカなどで犬のマッサージなどを学んだ人が書いた薄いマッサージマニュアルなど
本当に犬の健康を
「家庭で守る」
ための情報やスキルは少なかったのです。
それでも、細々とそのような情報をクモの糸のように辿って、愛玩動物飼養管理士の資格講座に出てみたり、犬関連の講座や勉強会を必死で探してはできるだけ参加しました。
ただ残念なことに、そのような勉強会は主に東京で行われており、北海道札幌市在住の私は、参加したければ飛行機代と宿泊費を負担して東京まで出向く必要がありました。
犬と一緒に過ごすために、諸橋、仕事辞めたってよ、状態だった私は、貯金を切り崩しての生活でしたので
「これは面白そう!」
と思っても、そうほいほいと何度も東京へはいけません。
また、犬の健康関連の講座自体も少なく、最短で半年後開催…など、スケジュールもなかなか思い通りにならず悔しい思いもたくさんしました。
その中で出会ったのが、犬のホリスティックケアの通信教育です。
通信教育であれば、自分が勉強したい時にスタートできるし、わざわざ東京まで行かなくても済む!!!!
早速その講座へ申し込みをし、教材が届くのをわくわくしながら待ちました。
その通信講座では、今の私の仕事の根幹となる
●手作り食
●アロマセラピー
●マッサージ
すべてを含む内容でしたが、特に最初に興味を惹かれたのが
「アロマセラピー」
でした。
というのは、私自身、手作り石鹸を当時趣味で作っていてその香りづけにアロマオイルを使用していたからです。
「そうか、アロマは犬にもいいのか!」
これは思いがけないサプライズでした。
当時、手作り食に関してはまだ模索中でしたし、栄養学などの知識もまだありませんでした。
なので、既に自分でも実践しているアロマセラピーであれば、なじみがあるし、すぐに犬にもやってあげられる!
「できるだけ病気にならないよう、家庭で出来る病気予防や健康に良いことは何でもやろう」
そう決意した私は、とにかくまずひとつ、私が家庭で、ぐりのためにしてあげられることを手に入れたのが、本当に嬉しかったのです。
結局その後、アロマセラピーは私の仕事の一部になりました。
犬のストレスケアやスキンケア、特別な要望に応えるためのブレンド(呼吸器のケアなど)など。
アロマセラピーの助けを必要としている飼い主さんと愛犬のためのアロマ製品販売や、講座の開講。
私の仕事の中で、アロマセラピーの占める範囲は大きいです。
ぐりも大きな病気もせず、今年13歳を迎えます。
誰だって病気は嫌なものです。
元気で暮らしたいです。
病気の原因は複雑ですし、現代の医学でも100%すべての病を克服できていないことは周知の事実です。
でも、だからと言って運を天に任せて、病気にならないようひたすら祈る…というのは、私の場合、性格的に合いません。
それよりも、自分が出来ることは何か?を考え、情報を集め、出来ることは全部やりたいです。
犬の健康も同じです。
病気になったら獣医さんにお任せで、治療方法の選択も薬の種類も、自分は素人だから分からない、で済ませたくありません。
病気になったらなったで、ちゃんと病気について勉強して、治療方針なども獣医さんと対等な立場で相談し自分も治療に参加したいです。
それ以前に
「病気にならないためには?」
「病気の兆候が出たときにできる、悪化させないための対策は?」
を考えて、実践したいです。
この考えを一言で表すと
「人事を尽くして天命を待つ」
が、ぴったりです。
全力で努力したら、後は静かに天命に任せるという意味で、事の成否は人知を越えたところにあるのだから、どんな結果になろうとも悔いはないということわざです。
病気は怖い。
大切な犬が病気になるのは嫌だ。
だから、健康を守るためにできることは、とりあえず全部やろう。
残念ながら現時点で、ヒトの力では100%病に打ち勝つことはまだできていない。
それでも全力で努力だけはしよう。その上で、起きてきた結果は受け入れよう。
(実際にそうなったら受け入れられるかどうかはまた別の話だと思いますが、少なくとも、後悔の量は減らせると信じています)
私が犬の健康を「家庭でも守る努力」をするのは、犬にずっと元気でいてほしいというのも、もちろんありますが
「もし病気になった際、あの時こうしていれば…という後悔をできるだけなくしたい」
という思いが強いからです。
「愛犬にはずっと長く、元気でいてほしい」
「そのために、飼い主としてできることは全部してあげたい」
そうした飼い主さんの「犬のためにやってあげたい事」を形にしたい。
その一つの方法として「犬のためのアロマセラピーケア」についてこれからメルマガで配信していこうと思う次第です。
必要を感じる方はぜひ、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。
本日は以上です。
Office Guri
諸橋直子
(終)
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