「ホーンズ 容疑者と告白の角」(2013) 66点
劇場公開当時、ダニエル・ラドクリフの角姿が結構サマになっているのと、その角を見た者は真実を告白してしまうという設定に惹かれた。
その時の感想は…面白かったけど、なにやら宗教的な含みが多く、いろいろ考えあぐねるうちに書くのが億劫になってしまっていた。
レンタル開始されDVDを見直した今もほぼ同じ気持ちww
(宗教的無知故に)いろいろ腑に落ちないトコロも多々あるが…(ラストとかなww)それでも頑張ってやっつけたいと思う
幼い頃からの恋人メリンが殺され、その容疑者としてスキャンダルの的となるイグ。
そんなイグの頭に、ある日突然、角が生え出す。
イグ曰く「自分の中に悪魔を見た。それは外見にも現れた。」
その角を見た人々はみな本音を語り、欲望をむき出しにする。
誰もが自分に向かってだけ真実を語るなんて状況、絶対にイヤだ。それこそ地獄だ。
ワタシはモーフィアスにカプセルを渡されても、絶対に青い方(仮想現実に戻る方)選ぶタイプσ(・∀・)ww
[モーフィアスのカプセル:参考画像]
そもそも、なぜイグの頭にいきなり角が現れたのか。
真犯人が分からぬまま自分が容疑をかけられ、真実を知りたいと心から願ったが故に、自分でも知らぬ間に悪魔と取引してしまったのだろうか。
それともメリンの純真さを愛し、その強い愛ゆえにダークサイドに落ちたのか。
どちらにせよ、最初は本人も訳が分からず戸惑い、困惑する。
そのワリに周囲は角には何の興味も示さず、自分の欲望にばかり走る。
外見は明らかにイグが異常で、周囲はノーマル(に見える)。
その実、周囲の言動は異常なほどエスカレートし、逆にイグはどんどん冷静になっていく。
自分の角の威力に気付き、角を受け入れて初めて、イグは自分の欲望(真実を探り、真犯人を突き止めること)を叶えようと動き出す…。
その角を見た人たちのほとんどが、何の疑いも無く初見で受け入れるが、イグの兄とメリンの父親、そして幼馴染みのリーだけが違う反応をする。
兄の反応は、角が生えて来たときのイグと同じく、戸惑い、信じられない様子。
メリンの父は、角が生える前と何も変わらない態度。
幼馴染みで親友のリーも、全く態度を変えず、角の存在さえ見えないようだ。この理由も追々明かされていく。
リーはメリンの十字架を首にかけていたため、その白魔術(としておこう)により角の魔力が効かなかったのだ。
メリンの父の明確な種明かしは無いが、多分メリンと同じく純真さによるものではなかろうか。
そして兄のテリーは、他の人々のように簡単に角を受け入れないのは何故か。
父の跡を継ぎミュージシャンになり、幼い頃から長男として両親の期待に応えようと努力した。
自由奔放な弟を羨み、その恋人を愛してしまっても、弟を裏切るようなことは決して出来ないモラリスト。
そのストレスと自己嫌悪からくる表裏のギャップを薬物により埋めていた。
それは角を見る以前の実生活から自分を偽り、自らの欲望を堅い殻の内にきつく閉じ込めていたからではないか。
途中、いろいろと下心見え隠れしたりするけれど、うん、お兄ちゃん嫌いじゃない。結構イイヤツだと思うww