「コーヒーをめぐる冒険」(2012) 63点
古き良きヌーベルバーグの香りを漂わせながら
イマドキの若者事情を追った内容。
何より、無駄を排した白黒の画面に映る
ベルリンの街並が美しい。
初期のジム・ジャームッシュ作品と比較されることが多いようだけど、
確かにね、特に何も起こらないww
ほんのりと主張はあれども押し付けがましくない。
それでいて、スーっと沁み込んでくる透明感。
大学を中退して、親のスネを齧りながらプラプラしてるニコ。
最近しっくり来ていない彼女の家を出てから
なかなかコーヒーにありつけない。
途中、自動車免許が失効になったり
俳優の友達と映画の撮影所に遊びに行ったり
昔いじめた同級生とバッタリ逢ったり
バーで残党に絡まれたり…
幼かった自分の過去、
それより遥か昔の自国の過去、
現在、自分が置かれている状況……
特に大事件は起こらないながらも、
自分の将来を考える岐路になる1日。
主人公=ニコを演じるトム・シリングが
チビながらしょうゆ顔の二枚目で。
原題は「OH BOY」
珍しく、邦題のほぅがステキね。
コーヒー飲んでホッとする瞬間のような…
じっくり、ゆっくり流れる、贅沢な時間でした