第13回目の講義では、テキスト;「使える!経済学の考え方~みんなを より幸せにするための論理」の第二章「公平をどう考えるか~ハルサーニ の定理」についての考察を受講した。主要な論点を列記しよう。 |
・人が完全に公平であるのはいつの時点か |
ピグーの定理;社会の最大多数の最大幸福は、完全に平等な分配。 |
「人が生まれた瞬間」或いは「人が生まれてくる前」で嗜好や個性の同一 化をある程度是認 |
「人の嗜好の完全な同一性」=「完全な無個性化」がどんなときに受入れ られるのか |
・ハルサーニの公平無私な理想的観察者定理 |
「生まれる前の人間」という超越的な視点にたつ観察者;「生まれた後に、 誰になるのかわからない」という不確実性下で意思決定する仮想的主体。 |
「公平性の実現」に確率を利用;乱数化して公平を実現 (コイン投げ、サイコロ投げ) |
「二つの乱数化」~ ①生まれた後に人生に生じる様々な確率的出来事 ②人類の中の誰に生まれてくるかという確率的な出来事 |
・賭けについての数学者の基準 |
・賭けについて、経済学者が導入した期待効用基準 |
・期待効用はアンケートでわかる |
・期待効用基準を生み出す規則とは?~ |
特定の個人の内面にある選好がある「規則」に従っているなら、その人は 期待効用を計算して行動を選択していることと同じである。 |
規則①;選好についての推移律、 規則②;連続性の規則、 規則③;独立性の規則 |
・ハルサーニの公平無私な理想的観察者定理 |
・期待効用基準:クジの期待効用=賞金の効用×確率の合計 |
選好についての推移律:A>B B>Cのとき、A>C。 |
連続性の規則:「Aのクジ」と「Bのクジ」の間となる好ましさのクジを、必ず 生成出来る。 |
独立性の規則:AとBで賞金の効用のみが異なる場合、賞金の高いクジの 方が効用が大きい。 |
以上の規則を満たす人は、その人固有の効用関数を基準として意思決定 していると仮定出来る。 |
公平無私な理想的観察者:どの人に生まれるか分からない。社会のクジを 定義する。 |
公平無私な理想的観察者が自分の効用関数を最大化するには、社会全体 の期待効用の和を最大化しなければならない。 |
自由意志の行使の問題。 |
・ハルサーニの発想 |
・ベンサム&ピグーの定理が再現される |
・人間の幸せについての幾何学 |
・ダイアモンドの強烈な批判 |
・自由意志の行使の問題 |