先日の26日に大田区から特区民泊に関する規則とガイドラインが公表されました。

国家戦略特別区域での外国人滞在施設経営事業についてのはじめての許可審査基準なのでかなり注目されました。

大田区では説明会も開催されたようですが、100名予定のところへ200名程の参加があったようです。

私自身は説明会には参加していないのですが、ある程度の情報も入ってきていますので、それらをもとに大田区での特区民泊許可の審査基準のポイントをまとめてみたいと思います。

【滞在日数】
☑ 7日以上(6泊7日)であること。

【居室】
☑ 一居室の床面積は、壁芯で25平方メートル以上であること。
☑ 適当な換気、採光、証明、防湿、排水、暖房及び冷房の設備を有すること
☑ 寝具、テーブル、椅子、収納家具、調理のために必要な器具又は設備及び清掃のために必要な器具を有すること
☑ 清潔な居室を提供すること

【ゴミ】
☑ 居室の廃棄物の排出は、事業者(委託者)が行う。
→家庭用ゴミではなく事業系ゴミとして処理しなければなりません。処理業者へ委託しなければなりません。

【消防】
☑ 消防法令で義務付けられている設備等が設置されていること。

【賃貸借契約】
☑ 賃貸借契約及びこれに付随する約款に、7日以内の解約できない旨の条項
→外国語表記とその日本語訳

【滞在者名簿】
☑滞在者名簿を備え、3年以上保存すること。
☑対面(
テレビ電話等の映像)による本人確認

【近隣住民への周知】
☑ マンションの他の住民への周知
☑ 半径10メートル以内の施設の使用者への周知
→書面による周知が必要。

上記以外にも、職員による立入権や変更の届出などについても記載されいています。

ほんとうにざっくりとしたまとめですが、役所側も詳細は実際の申請手続きをこなしていく過程で煮詰めていくのではないか?という印象です。役所側も手探りで進めているような感じです。

私が一番気になったのは「近隣住民への周知」「対面による本人確認」です。

近隣住民への周知は、施設がマンションの場合、他の住民全員に周知しなければなりません。住民の同意までは必要ないようですが、どのようにして周知したかの報告書類を提出しなければなりませんし、その周知内容には苦情の窓口も記載する必要があります。

小規模なマンションであればたいしたことないでしょうけど、大規模なマンションで民泊を行う場合は大変な作業になるでしょうし、そもそも現実問題として民泊を許すようなマンション管理規約は少ないのではないでしょうか?

対面による本人確認は、インターネット民泊仲介サービスである airbnb との絡みで気になりました。airbnbは、空家を気軽に貸せてお金を稼げるという部分にも魅力があります。つまり、ホストはゲストと一度も会うこともなく民泊を運営できてしまっていたのです。

テレビ電話等での映像による本人確認も可能なようですが、個人の大家さんであればやはり対面によることになるでしょう。とすれば、サラリーマンやOLが自分の空家を民泊として運営したいと考えた場合、代行業者などに本人確認を依頼しなければならなくなり、コスト面でかなり負担になるように思います。

法人が大規模に民泊を運営するなら問題ないと思うのですが、個人のサラリーマン大家さんが個人で運営するのはかなりハードルの高いものとなっているように思います。

いずれにせよ、大田区の特区民泊は1月29日から走り出します。大阪府も大田区に続く予定ですが、大田区での事例がモデルケースとなり、それをもとに政府や地方での民泊議論も固まっていくのではないかと思います。

現状は課題も多い民泊ですが、適切に運用していただいて大家さん(ホスト)も利用者さん(ゲスト)も、そしてその周辺の住民の方や地方の人を幸せにするような民泊制度になってほしいと思います。

向井総合法務事務所では国家戦略特区における民泊許可(外国人滞在施設経営事業における許可)の申請を受け付けております。ご質問、ご相談はお気軽にご連絡くださいませ。

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