脳トレについて、一時期ほど騒がれなくなったように感じます。

まぁ、根強い人気はもちろんあるのですが、薄々気が付いてきている人もいらっしゃるのかな~とも感じます。

いわゆる脳トレの主目的は「病理性の低い一般的な老化現象による前頭葉の機能低下防止」という事になります。


よく歳をとると「丸くなる」方と「自分勝手になる」方の両極端な変化が言われますが、病理性がないのであれば何のことはない、前頭葉の機能を鍛え上げた人とそうでなかった人との差でしかないでしょう。

もちろん、計算ドリルやパズルなどが「全く効果がない」訳ではありません。負荷がかかっているうちは意味があります。

が、習慣的になっているのなら、それはあまり意味を成しません。


よほど恒常的に前頭葉に負荷をかけ続けたい(つまり、脳トレしたい)ならば、感情の抑制や自己行動の制御がよほど効果的です。それが出来ないようなら、僕がここでどうこう言っている訳ではなくて、脳科学の世界では一般的には「前頭葉の機能低下」が起こっていると言う事です。


ご高齢の方が、衝動的に社会的倫理やモラルから外れた言動をされる場合、周囲が批判や批難重ねたり、立腹しても問題は解決しないでしょう。モラルや倫理の問題ではなくて、「前頭葉の機能低下」です(笑)。場合によっちゃ、脳の検査をした方がまだマシでしょう。



高齢化社会もいよいよ4人に1人が65歳以上という大台にのりました。このことは、社会全体の倫理性の低下やモラルの低下と全く無縁ではない事を意味していると考えています。

前例に則った行動パターンが定着している方々が多いのですからなおの事(笑)。いつも通り、普段通り、変わろうともしない常態化は、脳の柔軟性の視点からは致命的と言わざるを得ないでしょう。否定しても脳科学的には無駄です。

また、「近頃の若いもんは」と言いながら、その言動に軽々に立腹しているようなら、問題があるのはどっちかな、的な話になります。当然、キレやすい若者は前頭葉の機能低下以前に「未発達」と言う事になりますが(笑)。


いずれにせよ、昨日も触れましたが、脳はかなりの蓋然性を持って再びそのように言動をとります。時間的環境的に「全く同一条件」が揃わないだけであって、ほぼ同じ条件が揃えば、ほぼ同じ言動をとることは容易に予測できるのです。脳は極めてルーティンでありワンパターンです。

意思の力でどうのこうのできるのは、そのルーティン化・ワンパターン化しがちな経路を多彩に形作る事に尽きます。常に新しく若干厳しめの課題やストレスをかけ続け、かつ、それを達成していく以上に効果の高いことはなく、それが本当の意味での脳トレ、と言う事になります。


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