フィンランド製のモニタースピーカーGENELEC6010A を自宅で体験しました。
縄文弥生のぼよよん日記
オタリテック株式会社 が販売している製品です。
学生時代から尺八を吹いているオットに、その実力をテストしてもらいました。
以下、
オットのリポートです。

「黒柳徹子が広告やってる薬か? 確かに血圧が気になるトシになったが、
医者にも相談せず勝手にモニタリングしたら駄目だろ」
「GENELECのモニターをやってみないか」
と妻に言われた時の私の返事は、実に間抜けなものだった。
音楽への興味はある方だと思っていたが、
不覚ながらGENELEC(以下ジェネレックと表記)の名前は知らなかった。とはいえ、ノキアやスントなど優秀な精密機械で知られるフィンランドの音響メーカーの商品だから期待は大きい。

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モニタースピーカーとしてはコンパクトな筐体(
カタログ値高さ195×幅121×奥行き114mm)だが、ずしりと重い(同1.4kg)。
パワーアンプや保護回路が内蔵されているせいだろう。それらを作動させるために、左右それぞれのスピーカーのプラグをコンセント電源に接続する必要がある。

ZOOMのハンディレコーダー「Q3HD」につないでみる。
録音機能を充実させながら、HD形式の動画もレコーディングできる。私は普段、出音(録音)と運指のチェック(録画)に利用している。
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接続自体は簡単。
スピーカー側のピンジャックをヘッドホン端子に挿すだけだ。録音と同時にジェネレック側から音が鳴るように、Q3HDをセッティングする。

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レコーダーとスピーカーから70センチ程度の距離で演奏した。
オーソドックスな一尺八寸管と、
より高音になる一尺六寸管の2本を使用した。正面から自分の音を聴きながら尺八を吹くのは初体験だったけれど、これは凄い。私が吹いた音が、まったく遅れることなく耳に届く。これがパワーアンプの恩恵か。
尺八には手穴が5つしかない。
ピアノやギターのような完全楽器ではない。全12音階を出すには、時に手穴を半分塞いだり、あごを引いて息を入れる角度を変えたりしなければならない。塞ぎ方がいい加減、あごの引きが中途半端だと、途端に音程が狂う。唇を締める筋肉が緩めばだらしない音色しか出ないし、腹式呼吸をさぼればロングトーンが切れぎれで晩秋の鈴虫の断末魔よろしい弱々しさ。
ジェネレックが即座に、
これら私の弱点を示してくれるので修正が容易だ。練習が格段に効果的となる。
最低限の録音環境にもかかわらず、
尺八の音がひずまずに素直に出力された点は特記しておきたい。一尺六寸管による高音の鳴りは生演奏に近く、楽器の特徴が素直に再現されていた。何度聴きなおしても、音質にうんざりさせられることはなかった。
ピンジャック接続で、
この再生能力とレスポンスの速さには驚いた。パソコンを使ったデスクトップミュージック愛好者だけでなく、アコースティック楽器のプレイヤーにもお薦めしたい。
録音後の再生に関しては、
正直もう少し音量があってもいいと感じたが、別売のサブウーハーを組んだ場合はパワーアップするようだ。
オタリテックのウェブサイトには、「
ラバー素材で本体の下側に取り付けられているアイソレーターがあり、(中略)さまざまな不要振動を遮断する機能もあります。これは音質の余計な色付けを排除する上でも重要な機能です」との記述があった。
自然なトーンを再生するために、
さまざまな技術が投入されているらしい。

なかなか手を出しにくい価格の商品だが、
その分のパフォーマンスは持ち合わせている。
これからはテレビで黒柳徹子を見ると、
薬じゃなくてモニタースピーカーを連想するようになるかもしれないな。

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