娘が突然
『アンパンマン』
に目覚めた。
ツイッターで
そう書いたところ
「おちさんのところも
ついに来ましたか」的な感じな
RTがたくさん寄せられた。
そうなんだ。
『アンパンマン』は
どこの家にもある日やってくるのだ。
まー
ある日から
娘は暇さえあれば
ハッキリと
「アンパンマン!アンパンマン!」
とどんな言葉よりも
最も明確に「アンパンマン!」と
発するようになった。
アンパンマン恐るべし。
実は
僕はアンパンマンを
ちゃんと一回も観た事がない。
頭を食べさせるんでしょ?とか
バイキンマンって敵がいるんでしょ?とか
ジャムおじさんに直してもらうんでしょ?とか
かなり
ステレオタイプなアンパンマンしか
知らないのだ。
そこで
今回初めて
娘が観ているアンパンマンを
一緒に観ることとなった。
折角観るなら
『アンパンマン』エピソード1
「アンパンマン誕生」の巻から
観るしかない。
まずは
オープニングタイトルから
始まった。
「愛と勇気だけが友達さ」
この主人公
かなり切羽詰っている。笑
愛と勇気だけ
この「だけ」が
かなり重い。
愛と勇気だけが友達さなんて
とてつもない勢いである。
人間
そんな愛と勇気だけでは
生きてられない。
僕なんか
妥協とか怠惰とか傲慢とか
そういうだらしない言葉を
引き連れて日々生きている。
それが
潔く愛と勇気だけと
言い切れるアンパンマン。
そのアンは食べてみたい。
だらしなさでいっぱいの
僕の頭とアンは食べるのは
どんなにお腹を空かしていても
いやだろうなぁ。笑
早速
エピソード1が始まる。
そこは
アンパンマンなのに
アンパンマンがいない
貴重な世界。
空撮から始まる
その世界は
かなり山の中に隔離された
ある一軒家。
そこには
これから生まれるであろう
主人公アンパンマンとそっくりな顔の
ジャムおじさんなる人物と
横にはバタコと呼ばれる女性のみ。
その関係性も何もかも
何の説明もない。笑
ジャムおじさんの
アンパン作りへの執念は
数秒間で語られ
かなり深夜まで
その関係性が不可解な
バタコなる人物も
付き合っていることで
今回のアンパン作りへの
相当な情念を感じさせる。
そこに
唐突に大量な流れ星。
流れ星というより
形はメルヘン的な☆型だが
簡単に言えば
隕石
である。笑
大量な隕石が
この人里離れた
山奥の家の煙突を直撃する。
そこで
ジャムおじさんが言う言葉は
「大変だ!わしのアンパンが!」
いやいやいや。
それよりも
大量な隕石が
何もない山の中の
たった一軒の家の
しかも煙突を直撃している方が
かなり問題だと思うが
それ以上に
「アンパン」に意識を向かせることで
本当に今日のアンパンの重要性を
語っている。
すると
その窯が光り
中から
赤ちゃんのアンパンマンが
ゆっくりと空中を浮遊して
飛んで出て来る。
そして
飛んで出て来た赤ちゃんは
ジャムおじさんの腕の中で
「ぼく、アンパンマンでちゅ。」
自己紹介だ。
もうこれから始まろうという
壮大な大河ドラマの
ネーミングが決まっている。
そして
ジャムおじさんは
「夢か!」
と言うが
ここでポイントなのは
バタコさんである。
バタコは即座に言う。
「夢じゃないわ。生まれたのよ!」
全てを把握している。
何の説明がないにも拘らず
バタコさんは全てをわかっている。
これが
アンパンマン誕生エピソード1である。
ここまでに要した時間
オープニングタイトル含め
5分。
凄い。
あらゆる余計なシーンを
最初から編集し
よりシンプルに
結局アンパンマン出て来るんだから
とっとと出そうよ
というユーザー目線に立ち
勢いのままに登場させている。
そこで
ここまで
5分だけ観ただけだが
異彩を放っているキャラクターがいる。
バタコさんだ。
バタコさんは
一体何者なのか。
ここまで
一切何の説明もない。
ヒントは
ヒント1)ジャムおじさんと働いている。
ヒント2)「ジャムおじさんと呼んでいるので
ジャムおじさんとは家族ではなさそうだ。
ヒント3)アンパンマン的なキャラではなく
人間の空気感をかなり醸し出している。
ヒント4)勝手ながら女性であると推測される
ヴィジュアルである。
ヒント5)深夜までパンつくりに付き合う姿を観るに
ジャムおじさんへの忠誠は固い。
ただ
そんな中
バタコさんは
上でも書いたように
「夢じゃないわ。生まれたのよ!」
とかなり
決定稿で話すタイプである。笑
どう考えても夢だろ
という状況の中
「夢じゃないわ。生まれたのよ!」
と
夢じゃないわ!
とジャムおじさんを窘め
さらに
「生まれたのよ!」
というこの何の説明もない
アンパンマン誕生の現実を
たったこの0.1秒で
把握し咀嚼し反芻し
ジャムおじさんに
かなりの決定稿として
伝えている。
あれだけ
ガヤ芸人クラスの
ワンフレーズでの説得力を持った
言葉はジャムおじさんを腹落ちさせ
洗脳いや違う
納得させる力がある。
その後
そのバタコさんの性格を
象徴するシーンがすぐ現れる。
それは
犬のチーズが家にやって来るシーンだ。
オープニングタイトルでも
特に描かれ
証明しているように
結局
アンパンマンは
アンパンマン
ジャムおじさん
バタコさん
そして愛犬チーズ
の四人が
中心人物である。
やはり
その4ショットの中でも
バタコさんは
かなりの異彩を放っている。
なぜなら
アンパンマンに
ジャムおじさんに
犬の中に
女性
しかも
今のところ謎の女性
である。笑
そんな
犬のチーズが
家に初めてやって来るシーンだ。
犬が家に入って来るのは
みんながわかっている。
ただ名前もない
拾ってきた
かわいい犬だ。
すると
ある瞬間
いきなりバタコさんが言う。
「ね、チーズ!」
えーーーーー
決まってるの!
相談なし?
普通マンガだって
「ねえ、このワンちゃん
“チーズ”って名前にしたいんだけど
どうかな!」
というシーンがあるはずだ。
しかし
バタコさんは
「ね、チーズ」
とこれまた
決定稿で話している。
さらにその後
「決めたの」
と言っている。
決めたんだ。
ここも
無駄なシーン排除により
逆に言えば
バタコさんは
ネーミング好きにして
さらに決定稿で語るタイプ
ということが
ここでハッキリとキャラ付されている。
しかし
チーズは
自分のバタコ
バターからの
唯一の仲間を見つけた的な
発想からなのだろうか。
少々
バタコさん
KYな空気感ありか。
いやいや僕は
まだ1000話以上ある
作品のエピソード1しか
観ていないのだ。
これから
噂では聞いている
ありとあらゆるキャラ祭りが
始まるらしい。
ということは
これぐらい
決定稿で語るぐらいキャラが強くなくては
太刀打ちできない生活が待っているのだろう。
これから始まる
壮大な大河ドラマの
たかだかスタートを観て
それにしても
バタコさんという
異彩を放つキャラに
注目してしまい
「ついバタコさんに注目。
バタコさんとは一体誰なのか。
バタコさんとジャムおじさんの関係は。」
ということをツイッターに書いたら
すかさずたくさんの方から
「バタコさんは妖精ですよ!」
と教えていただいた。
妖精!?
あのバタコが?
もはや
バタコ呼ばわりである。
妖精なんだ。
みんな
アンパンマンキャラ図鑑に
載ってますよ
と教えてくれたのだが
あのバタコが
妖精だったとわかる
エピソード0がこれから
待ってるのだとしたら
そんな図鑑など見てはならぬ。
そのバタコが妖精とわかる巻を
ちゃんと観たい。
もしかしたら
「私妖精じゃないですかぁ」
みたいな一言でここも
一瞬で語られていくのだろうか。
バタコ
決定稿で語るキャラだからなぁ。
しかも
少々
教えたがり的な空気感あるし。
たとえ
一瞬であろうとも
図鑑で「へぇ」と知るよりは
動画コンテンツで知りたい。
しかも偶然知りたいなぁ。
気を抜いて観てる瞬間に
「私、妖精だから」
的な台詞を聞いて
まてまてまてー!
と巻き戻しして
確認したい。
そう考えると
アンパンマン本人は
かなりノーマル。
頭を食べさせるぐらい
スルーできる世界観。
それよりも
バタコだよなぁ。
おちばたこ
ある日
娘がもっとしゃべるようになったら
どの瞬間に
「アンパンマン来たー!」って
思ってハマったのかを知りたい。
動画コンテンツ
グッズ
歌
入り口は
ディズニーと同じだけありそうだ。
まさかのバタコきっかけ。笑
バタコさん妖精だとしても
ジャムおじさん宅の居候なのかな。
アンパンマン誕生前夜までと
アンパンマンとチーズとの生活で
かなりリズムが変わっただろうなぁ。
その辺も
対応できちゃうのが
バタコなんだけどね。
知らないけど。笑
バタコさん
ツイッターやらないのかな。
ガガが今日で2000万人フォロアー
らしいけど
バタコツイート見たい。
「ジャムおじさんいびきなう。」
だけど
バタコさんは
ネーミング力と
それを決定稿で喋れる強引さがあるから
広告の仕事に向いてるね。
クライアントに
「じゃあこうしましょう」的な
推すところ推す力がある。
『バタコ力』
ダイヤモンド社から出します。笑
嘘です。
娘とアンパンマンの折り紙で遊ぶ
写真
を妻がたまたま今アップしていました。
こちらもどうそ!