子犬のしつけ、「トイレのしつけ」「甘噛みのしつけ」「イタズラの防止」、この三つのまとめ記事です。
これまでのシリーズ記事は↓のリンクから。
まだお読みになっていない方は、ご一読ください。
甘噛みのしつけ 1
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3
トイレのしつけ 1
2
3
4
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イタズラの防止 1
2
3
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この三つの子犬のしつけは、共通するお約束があります。
そして、その「お約束」にも、共通する考え方があります。
その共通する考え方というのは、「失敗をさせない」「悪いことをさせない」です。
多くの方が、「トイレを失敗してしまう」とか、「靴下とかを噛んでしまう(悪いことばかりをする)」といったことをおっしゃいます。
場合によっては、「だからうちの子は覚えが悪い」といったことまで言ってしまうこともあるようです。
でも、「トイレを失敗」「イタズラをする」といった行動を子犬がしてしまうのか?を、一度よく考えてみてください。
その原因は、はっきりしています。
それは、「失敗や、悪いことができる環境」です。
トイレの失敗の原因を、「子犬がトイレを覚えない」と考えるのではなく、「トイレを失敗する環境に問題がある」と考えてみてください。
イタズラの原因も、「イタズラがダメいうことを、子犬が覚えない」と考えるのではなく、「イタズラをしてしまう環境に問題がある」と考えてみてください。
どちらも、「失敗してしまう環境」「悪いことをする環境」がなければ、しっかりと予防できますよね。
まずは、この「予防」が大切なんです。
トイレを覚えていないことを問題にするのではなく、「トイレを失敗させている環境」を、問題にします。
イタズラをすることを問題にするのではなく、「イタズラをさせている環境」を、問題にします。
そうすれば、具体的に何をすればいいか?を、簡単に思いつくことができます。
予防ができれば、問題は起こらないわけですから、子犬を叱ったりする必要がなくなります。
誰だって、できれば叱りたくないと思います。
叱らずに済むのなら、その方が楽ですし、楽しいです。
それが、「予防」なんですね。
そして、失敗や悪いことを予防することができれば、あとは「賢い行動を褒める」だけで、しつけが前に進みます。
というよりも、「褒める」ということ抜きに、しつけは前に進みません。
失敗や悪いことができないような環境を整えて、子犬をたくさん褒めて、そして楽しくしつけをしていきましょう。
以上を前提に、「トイレのしつけ」「甘噛みの抑制」「イタズラの防止」について、まとめていきます。
お約束1 最初はサークル、ケージなどに入れておく
これは、「トイレのしつけ」「甘噛みの抑制」「イタズラの防止」の全てに関わってくるお約束です。
子犬がトイレをしっかりと覚えるまでは、サークルやケージ内にトイレシーツを敷いておき、そこに子犬を入れておく形になります。
もし、サークルやケージの中にトイレを設置できるスペースが無い場合は、トイレを囲う工夫をして、その中に入れておくようにします。
トイレのしつけでも書きましたが、「トイレを失敗してしまう環境」にいるうちは、なかなかトイレのしつけは前に進みません。
その失敗を、出来る限り防ぐために必要な対策です。
イタズラも、サークルなどの中にいるわけですから、起こりようがありません。
甘噛みも、わざわざサークルの中に手を入れなければ、噛まれることもありません。
全て、予防できますね。
ただし、「子犬をずっと閉じ込めておく」という話ではありません。
当然、サークルから出してあげることもあります。
その時にも、お約束があります。
お約束2 サークルなどから出す時は、リード着用
サークルなどから出す際は、必ずリードをつけて、誰かが持っておきます。
これは、「トイレのしつけ」「甘噛みの抑制」「イタズラの防止」全てに共通する手順です。
リードをつけて、誰かが見守るようにしておけば、「トイレの失敗」と「イタズラ」は、かなりの確率で防げます。
ここでもまた、「失敗をさせない」「悪いことをさせない」というお約束が登場します。
甘噛みについても、同様です。
お約束3 賢い行動&大人しい行動を褒める
サークルから出した際に、注意することがあります。
それは、「賢いとき」「大人しいとき」以外は、声をかけたり撫でたりしないというものです。
どんな方でもそうなんですが、「子犬が飛びついたり、何か悪いことをしているとき」に、声をかけてしまいがちです。
でも、そんなことばかりしていると「飛びついたり、悪いことをするとかまってもらえるぞ」ということを子犬が覚えてしまうので、イタズラや、飛びつきが増えてしまいます。
気がついたら、いつの間にか「すごくやんちゃな子犬」の完成です。
そこで、「賢いとき」「大人しいとき」のみ、子犬を構ってあげるわけです。
具体的には「足元でオスワリしている」「足元でフセをしている」というときだけ、構ってあげてください。
それを続けていけば、「オスワリのトレーニング」とか、「フセ、マテのトレーニング」などをしなくても、自然と「足元で、大人しくできる子」に育っていきます。
つまり、しつけには「訓練」とか、「トレーニング」はほぼ必要ないんですね。
「子犬が大人しいときだけ構う」
これが、大切です。
「大人しいときだけ構う」ことを続けていけば、当然「大人しくしている時間」が増えていきます。
つまり、「甘噛み」や「イタズラ」をしている時間が、減っていきます。
一切叱ることなく、ただ褒めるだけで、「甘噛み」も「イタズラ」も、きちんとしつけることができるんですね。
お約束4 自由にするのは、大人しくなってから
お約束3を十分に行ってから、いよいよ自由にしてあげます。
また、「トイレを覚えたかどうか?」も、自由にするタイミングを考える際に重要です。
トイレを覚えていないのに自由にしてしまうと、また「トイレの失敗」が増えてしまいます。
この見極めは、慎重に行ってください。
他にも細かいところで注意すべき点や、各ご家庭での飼い方などで、アレンジが必要なこともあると思います。
しかし、どんなアレンジも、基本にすることは「褒めるだけでしつけをしようと思ったら、どんな工夫が必要か?を、しっかりと考える」ということです。
「褒めるだけでしつけをする」というのは、「正しい学習だけが起こるような環境を整える」ということ。
そしてそれは、「失敗をさせない」、「予防する」ということ。
この予防の観点からしつけを行えば、まず失敗することはありません。
是非一度、「正しい学習だけが起こるような環境」を、考えてみてください。
「やっているつもりなのに、うまくいかない」という場合は、何か他の原因が考えられますので、迷わず専門家に相談してください。
専門家に相談する際は、必ずお家に来てもらって、環境をちゃんと見てもらうようにしてください。
その方が確実です。
子犬は毎日、新しいことを覚えていきます。
スピードが大切ですから、子犬が余計なことを覚える前に、しっかりと対策してみてくださいね。