わんこも、そして飼い主さんも

わんこも、そして飼い主さんも

ocean style オフィシャルブログ

「問題解決の一歩先」
「もう一歩楽しく、もう一歩幸せに」


ocean styleのブログへようこそお越しくださいました。

ocean styleは、「問題解決の一歩先」をテーマに、兵庫県、大阪府、京都府で、「わんこと、飼い主さんの楽しい暮らしのサポート」をしています。

トイレのしつけ」「無駄吠え」「噛む、唸る」といった、犬のしつけや、犬の問題行動の改善はもちろん、「愛犬とのコミュニケーション」「ドッグカフェに行きたい」など、飼い主さんの「やりたいこと」のお手伝いも。

このブログでは、ocean styleの新着情報や、しつけ相談レッスンの情報、しつけのヒントになるようなコラムをアップしています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。


  「わんこも、そして飼い主さんも」 
             by ocean style


セミナーも、大阪、東京等で定期開催しています。
詳しくはDLC-PRO さんまで。
 
Amebaでブログを始めよう!

トレーニングモード(または訓練モード)」っていう言葉、聞いたことはありますか?
大体「トレーニングモードに入ると、ちゃんと言うこと聞いてくれんるですけど」みたいな感じで使われます。
似たようなものに「訓練のスイッチが入れば、ちゃんとやってくれる」みたいなものもありますか。

要は「いつも言うこと聞いてくれるわけじゃないんだけど、そのモードに入りさえすればなんとかなる」って意味で、これまた大抵の場合「そのモードに入ってくれなくて困る」とか「ほんとは、そういう風に区別せずに動いて欲しいんですけど」みたいな、隠れた要望があったりします。

あ、飼い主さんの要望ね。

前回のエントリで「散歩のトレーニングじゃなくて、散歩をアレンジする」てなことを書きました。

これは、こういうイヌが「区別しちゃう」のを、予防するというのも目的のひとつです。

ではまずは、なんでこういう「区別」が起きちゃうのか?って話を。

こう、いわゆる「トレーニング」ってやつをですね、「場所」を決めてやるとちょっとうまくいかなかったりするんですね。
公園だったり、ちょっとした広場だったり、河川敷だったり?
そういう風に「トレーニングする場所」みたいなのを決めて、そこだけでやっちゃう。
で、それをやると「イヌが区別しちゃう」なんてことが起こるんですね。

専門的には「弁別学習」とかって言うんですけれども。

じゃあ、「何と何を区別してるのか?」というと、「トレーニングの場所」と「そうじゃない場所」を区別します。
なんでそんな「区別が起こるのか?」というと、「トレーニングの場所だけで、トレーニングしてるから」なんです。

人によっては「そんなことありません。散歩中、常にトレーニングをしています」という人もいらっしゃるかもしれません。

でも、結構な割合で「トレーニングする場所」と、「そうじゃない場所」とで、「飼い主さんの動き」が違うことは本当に多いと思うんですね。
その「飼い主さんの動き」っていうのは、具体的にいうと「褒める」です。
「また褒めるの話かよ」と思うかもしれませんが、また褒めるの話です。
それぐらい大事なことなんですよ。

「褒める」もうちょっといえば「褒める頻度」「褒め率」です。

トレーニングの場所や場面では、飼い主さんも集中してたりしますから、「褒め率」は結構高めです。
なんなら、「褒め率:.825(8割2分5厘と読みましょう)」なんて高打率を叩き出す人もいるかもしれません。
イチローも真っ青ですね。
でも、たとえば公園を一歩出て、さああとは帰るだけだとなったら、途端に「褒め率」がガクンと落ちたりします。
それこそ「褒め率:.052」みたいな低打率。
ピッチャーか?っていうぐらいの打率です。

で、こういう「褒め率の違い」があると、イヌは「飼い主さんの褒めがあるときー」と、「飼い主さんの褒めがないときー」とで、きっちり区別します
551の蓬莱のCM並に区別します(関西ローカルですみません)。
なんならそれ以上に区別します。

緊張感がどうとか、飼い主さんの気合いがどうとか、「絶対に言うことを聞かせるんだという気迫のもと、出したコマンド」とかよりも、単に「褒めてる率の違い」が、行動にものすごく影響を与えます
というか、「弁別学習(こういう区別をする学習)」っていうのは、「行動の後にある、いわゆる報酬の違い」によって、どんどん進んでいくんですね。

「行動の前にあるきっかけの部分」-コマンドの出し方とか、手の位置とか、イヌの目を見るとか-を気にされる方は多いんですけど、大事なのは「行動の後にある結果の部分」なんです。

繰り返し何度も「イヌのコントロールが上手な人は、褒めるのが上手」と書いているのは、ここも根拠のひとつになってます。

「強化なくして弁別なし」ですから。

でも、前回のエントリに書いた「わんこのおべんと持って、ちょっとそこまで」なら、結構防げるんじゃないかなー?と思うんです。

続きます

前回のエントリの中に、こんなことを書きました。

また、この子達はアイコンタクトばっちりですが、前回のエントリにもちらりと書いたように「アイコンタクトのトレーニング」みたいなことは、一切やっていません。
そんなことをしなくても、これぐらいのアイコンタクトは自然にできるようになります。


じゃあ、実際には何をやったのか?というと、それも前回のエントリに書いたこれです。

 ・自分のそばにいる(歩いている)ときに褒める
 ・自分を見たら(気にしたら)褒める

この2つをやっただけ。

「褒める」というのは、ものすごくシンプルに、食べ物を与えています。
このブログで「褒める」と書いているときは、大体「食べ物を与えている」と考えていただいて結構です。
こういうことを書くと「食べ物で釣ってる」とか、「食べ物がないとできない」とか、そういうことを思われるかもしれません。
その辺については、以前のエントリで山ほど書きました。

とりあえずかいつまんで結論だけを書きますと…

「褒める」ことの本質は、あくまでも「相手が喜ぶものを渡すこと」であって、こちらが一方的に「これで喜べ」と決めるものではありません。
「食べ物なしでもきちんと言うことを聞く」ってのは、「給料なしでもきちんと働く」ってのと同じです。
「褒める=相手が喜ぶプレゼントを贈る」これが鉄則です。
また「食べ物がないとできない」のではなく、「食べ物があればできる」なんです。
これは「メガネがあれば見える」「車椅子があれば外出できる」「車や電車があれば遠出できる」という、ある種の物理的な援助設定です。
あくまでも「できるための一工夫」と考えていただければなと思います。


とまあ、ちょっと小難しいことを書きましたけれども、お散歩の話でいいますと「わんこのお弁当を持って散歩に行く」ってことです。

「褒める」についてもうちょっと詳しくお知りになりたい方は、以前のエントリを色々と読んでいただければいいかなぁと。

で、そういうちょっとした「できるための一工夫」の結果の一例が、前回のエントリに出てきた写真の子達なわけです。
やってることは「散歩にドライフードを持っていく」「適切なタイミングでフードをあげながら散歩する」この2つ。

「ツケ」とか「ヒール」とか、「スワレ」とか「マテ」とかいうコマンドを教えるわけではなく、ただただ普段の散歩」に、「フードあげながら褒める」というのを、ひとつ足してるわけですね。

もちろん、わんちゃんの状態というか、お悩みや困りごとのレベルによって、やるべきことっていうのは増えたりします。
でも、基本は「褒めながら散歩する」っていう工夫なわけです。
だから最近は、「散歩のトレーニング」とかいわずに、「散歩をアレンジする」なんて言ってます。

あまり肩肘張らずに、とりあえず「わんこのおべんと持って、ちょっとそこまで」ぐらいの気持ちで、お散歩に出てみてはいかがでしょう?

場合によっては、世界が変わりますよ?
いやこれ、決して大げさな話ではなくね。

続きます

ときどきね、クライアントさんからこんなことを言われるんですよ。

 「近所の人とかに、どんなレッスンやってるの?って聞かれても、すごく答えづらい。
  だって、『いま褒めて』って言われたときに褒めてたら、変わっていったんやもん。
  普通は、オスワリとか、フセとか、マテとかやるでしょう?
  そういうのがないですもんね」

これ、言葉を変えて結構な割合で言われます。
僕がコマンドとかよりも、「褒めるタイミング」にものすごくこだわっているからだと思います。

あ、さて。
前回のエントリでは「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お外編」というものをお伝えしました。

じゃあ、どうなるの?と。
「賢くなるってどうなるの?」と。
言葉で説明するより、とりあえず見ていただいた方がわかりやすいかと思います。

まずはこちら。


わんこも、そして飼い主さんも



とてもきれいに横について歩いてくれていますね。
アイコンタクトもばっちりです。

この子は多少「拾い食い」の傾向があったので、ここまでを目指しました。
「ちょっと引っ張り癖がある」程度だったら、ここまでを目指す必要はないと思います。
リードが緩んでる状態で、のんびり歩ける」ぐらいでいいかなと。

ただ、「拾い食い」「他犬などに吠える」という悩みがある場合は、これぐらいまでできるようになれば、かなり予防できます。
「拾い食いをしたときにどう対処するか?」とか、「吠えたときにどう対処するか?」ということは、置いておきます
そんなことよりも「イヌが自分から飼い主を気にしながら歩く、飼い主を見ながら歩く」ということを、とにかくどんどん褒めていく
それが一番大事。

時々、このブログに「叱り方」というキーワードでやってこられる方がいらっしゃいますが、叱り方を調べる前に「どう褒めるか?」を考えて欲しいなと思います。

イヌの行動のコントロールが上手な人は、「叱り方がうまい」のではありません。
褒めるのがうまい」んです。

続いてはこちら。


わんこも、そして飼い主さんも



以前にも載せたことのある写真ですね。

この子は、元々「他犬を見るとものすごく興奮して吠えまくる」という悩みがありました。
一度吠え出すと、しばらく止まりません。
でも、ドッグランの横でゆっくり座ってるなんてことも、できるようになっています。

完全に吠えなくなったわけではありませんが、吠えたとしても「ワン!」ぐらいで、すぐに黙ります。
以前は「ギャンギャンギャンギャン!(数分間吠え続ける)」だったことを考えたら、ものすごい進歩です。

「叱り方」なんか、知らなくていいんですよね。
どちらのわんこも、基本は前回のエントリで書いたことを丁寧に続けた結果です。

 ・自分のそばにいる(歩いている)ときに褒める
 ・自分を見たら(気にしたら)褒める

この2つを日々の散歩で続けていたら、ここまでいきました。
早い子だったら、1週間とかそこらで明確に変化が出ます。

また、この子達はアイコンタクトばっちりですが、前回のエントリにもちらりと書いたように「アイコンタクトのトレーニング」みたいなことは、一切やっていません
そんなことをしなくても、これぐらいのアイコンタクトは自然にできるようになります。

 ・自分のそばにいる(歩いている)ときに褒める
 ・自分を見たら(気にしたら)褒める

このタイミングで褒めることを、忘れないでいただきたいなぁと思います。

で、冒頭の言葉ですよ。

 「近所の人とかに、どんなレッスンやってるの?って聞かれても、すごく答えづらい。
  だって、『いま褒めて』って言われたときに褒めてたら、変わっていったんやもん。
  普通は、オスワリとか、フセとか、マテとかやるでしょう?
  そういうのがないですもんね」

大切なのは「褒めるタイミング」と「褒める中身」なんですよね。

「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お家の中編」というエントリを書きました。
そうなると、次は「お外編」ですね。
ということで、「こんなときに褒めたら賢くなりますよ お外編」です。

お外に関するご相談で多いのは、大体以下の3つです。

 引っ張り癖
 拾い食い
 他犬等に吠える


で、こういうご相談に割とオールマイティーに対応できるようなものがあります。
結論から書いちゃいましょう。

 ・自分のそばに来る(そばにいる)
 ・自分を見る(気にする)


この2つをイヌがしたら、必ず褒めるようにしてみてください。
結構散歩が楽になるはずです。

特に、引っ張り癖と拾い食いにはかなり効果があると思います。
もうちょっと詳しく説明しますね。

 「引っ張り癖」
 「拾い食い」
 「他犬等への吠え」

いずれの問題も、「イヌが飼い主をまったく気にしていない」ことが、要因の一つです。
引っ張り癖のあるイヌは、まず飼い主さんを気にしていません。
ほぼ間違いなく「自分の行きたいところ」目掛けて、猪突猛進です。
そして、「拾い食い」「他犬等への吠え」という問題と、この「引っ張り癖」は大体ワンセットです。
バリューセットのように、ついてきます。

 飼い主を引っ張りながら、自分の行きたい場所へ猪突猛進!
 そしたらそこに、食べ物があった!
 食べたらうまかった!

はい、これで「拾い食い」の学習が成立です。
下手すると一発で覚えちゃいます。

また違う場面では…

 飼い主を引っ張りながら、自分の行きたい場所へ猪突猛進!
 そしたらそこで、イヌと出くわした!
 吠えたらどっか行った!

はい、これで「他犬への吠え」の学習が成立です。
こちらは、一発で覚えちゃうかどうかは微妙ですが、繰り返し経験するうちに、どんどん「他犬-吠える-他犬どっか行く」という学習が定着していきます。
通行人や、バイク、自転車も同様です。

「拾い食い」も「他犬等への吠え」も、大体イヌの方が先にターゲットを見つけます
飼い主さんが気づくのは、大体イヌがアクションを起こした後

 「なんかくちゃくちゃやってる?」と思ったら、何か食べてた。
 イヌが急に吠え出したと思ったら、イヌがいた。

大体こんな感じです。
だから、「事後の対応」がほとんどになります。

拾い食いなら「オヤツと交換」とか。
吠えなら、叱るとかコマンド出すとか。

「オヤツと交換」とか「叱る」とかで対処できている人は、できているわけですから、それほど悩むこともないかもしれません。
でも、それではうまくいっていないという方には是非、冒頭で挙げた「自分のそばに来る(そばにいる)」「自分を見る(気にする)」というタイミングで、必ずイヌを褒めるということを、やっていただければと思います。

そうするとどうなるか?

 ・基本的に飼い主のそばにいる
 ・基本的に飼い主を気にしながら歩く


こういうイヌになります。
アイコンタクトの練習とかは要りません
よくね「自分の目線とイヌの目線の間に食べ物を持ってきて、『ルック』と言いながら、アイコンタクトの練習をしましょう」というトレーニングが紹介されてますけれど、別にそんなことしなくても目は合うようになります。

まあ、アイコンタクトとか書きましたけれども、別に「アイコンタクト」を目指す必要もありません。
要は「イヌが、飼い主を気にしながら歩く」というのが大事

すると、引っ張り癖がまず解消されます。
そして、拾い食いも「飼い主を気にしながら歩く」わけですから、地面に落ちている物に気を取られずに歩いてくれるようになります。
吠えについても同様で、基本的には「イヌは見た方向に吠える」と思ってもらって構いません。
音や気配に反応して吠える場合は別ですが、はっきりと「吠える対象」がある場合、そちらの方向を「見て」吠えます。
てことは、「飼い主さんの方向を見ている」場合、かなりの割合で「吠え」を予防できます
そうすると、「落ちている物」「吠える対象」を「スルーできる」ことになるわけで、さらに「褒めるポイント」が増えます。
ますます問題が解消に近づいていきます。

とにかく大事なのは「正解を教えること」です。
間違いを指摘することではありません。

 「拾い食いをしたらダメ」
 「吠えたらダメ」

こうではないんです。

 「あたしのことだけ考えて!」

これを、イヌに伝えていくわけですね。

もちろん、これだけでは対処できないこともあります。
それは、今までにどのような学習をどれだけの期間積んできたか?
今お住まいになられている地域の環境がどんなものか?(散歩中に他犬に会う回数とか)によって、変わってきます。

あなたのわんこがどうなのか?は、やってみないことにはわかりません。
また、あなた自身がどうなのか?も、これまたやってみないことにはわかりません(褒めるタイミングとかそういう部分ですね)。

だからまずは、とにもかくにも、一度でもいいからやってみてください。
何か変わるかもしれません。

もしもうまくいかなかったり、何も変わらなかったら、僕のところでもいいですし、お近くのプロでもいいですから、一度相談してみてください。
きっと、なんとかしてくれるはずです。