『ルドベルの両翼』が終了しました。

まだちっとも実感がなく、
もうあの役たちに会えないと言う現実や、
もうあの空間はないのだと言う現実を、
到底受け入れ切れていないわけなのだけれど。

本当に大切な物語になりました。

ご参加頂いた全てのあなたに、
気にかけてくださったすべてのあなたに、
心の底から感謝します。

この一年間、
おぼんろ本公演のために自分を捧げた。

昨年の『ゴベリンドン』は成功したけれど、
自分としてはクリエイティブな面で様々な部分で課題が残った。
以前よりももっと高い理想を具体的に抱けるようになったと言うのもある。

勉強してやる。
そう思った。

それから、もっともっと、
自分たちの存在を知ってもらいたい
そう思って、おぼんろの旗を振り回しながら、
いろいろなところに赴いた。

その過程で、

演劇家として様々な体験をして、
成長した部分もあれば、
傷ついた部分もあったし、
考え込んだ部分もあって、

また、ひととして、
この世界に生きる独りとして、
いろいろなことを知り、
考え、悩み、夢を見た。

その結果、書きたいと思ったのが、
この作品でした。

公演期間中、
「作風がいつもと違う!」と多くの人に言って頂いたのですが、
根底に流れるテーマはいつもと変わらないと自分では思っていて。

今回は、パワースポットのような、
力づくで誰しもを笑顔にできるような、
そういう物語りをしたかった。


「翼が欲しかった。どこにも行ってしまわぬように」


キャッチコピーに託した思いは、
どちらかと言えば現実世界の思いとも言えて。
この作品で、新たな翼を得たい、
僕はそう感じていたのだと思っています。

本当に多くの皆に助けられた公演でした。
半人前どころの騒ぎじゃない大いに至らぬ自分を
メンバーが、スタッフが、家族が、
そして参加者が救ってくれました。

乗り越えられるか?
と言うレベルまで追い込まれた時期もありましたが、
その過程含め、結果含め、
大きな財産となりました。

カーテンコールでもお伝えしましたが、
僕らはいま、
本当に物語で世界を変えるための手段を手に入れようと、
具体的に考えております。

とにかく、
何があろうとも、
あなたが幸せそうに笑っている世界であって欲しいのです。

僕らは必死で物語りを続けます。
どうか、その場に居合わせ続けていてください。
これからも、たくさん笑いたいと思うのです。

それが、世界を変えて行くということだから。

公演翌日。
一日おいて、僕は歳をとります。

30歳の間にやる、最後の物語りでした。

この物語りが、
あなたの
物語りであったことを願います。
そしてこれからも、そうあり続けることを、
ひたすらに祈るのです。

ただただ感謝のうちに。


本当にありがとうございました。