バンバン
ばきゅーん
バン


銃声が鳴り響いている



音のほうへと急ぐ。
暗闇に目をこらすと、
10人はゆうに越える数の少年たち


「少年兵ども、何をしてるんだ!空に向かって銃を撃つとは何事だ!お前たちには同朋の幸福のために人殺しをうまくやれるよう、幼いころから訓練をさせてきたじゃないか。一体どうしたというんだ!?」

バン!
ばきゅーん
バン バン バン!

ピタリ止まって。


「はっ。隊長!」


「説明しろ!」

「はい、つい先だってあの闘いが始まって以来、街が真っ暗であります。光が必要と思いました!」


再開
バン!バン!
ばきゅーん



「まてまてまてって!意味が、意味がわからない!それでなぜ空を撃つんだ?こんな満月の夜に」

「満月の夜だからであります!」

バン!バン!


「すとーーっぷ!説明しろ!」

「ですから、あんなに明るい満月です、見事、一発命中させることができれば、月は砕けて光輝く屑となり、街に降り注ぐと思うのです!」

「今夜を逃しますと、月はまた小さくなり始めてしまいます。一軒でも多くの家に月の欠片が行き渡るよう、今夜中に作戦を決行したいのです!」

「弾がもったいないとは思いもしましたが、いつも隊長がおっしゃっていることに従い、優勢順位をよく考えて行動しました!」

デブ、やせ、のっぽ、ちび、でっぱ、だみ声……


これまでの闘いも見事にやり遂げてきた、たくさんの少年兵たちの瞳に見つめられ、


隊長は溜め息をついた。