人は
「じゃあ、写真でも撮ろうか」
という局面になって、
レイアウトやコンセプトに悩むとき、

閲覧者を飽きさせないように、
自分たちがマンネリ化していると思われないように、
もっと言えば、自分たち自身でそう思ってしまわないように、

奇をてらってしまう。
 
てらわれた奇はそのまま大気に溶け込み、
星空を目指して昇って行く。

「どうして、このひとのほっぺたを、つねることになったのだっけ?」

誰もが曖昧な疑問符を浮かべたまま、
その答えはもう、

理不尽につねられた青年に巻き起こった一縷のヒリヒリとともに、

僕らの知らない星空の中で泳ぎ回っている。
  
愛しているものだけ食べて生きられたらどんなにかいいと思う。
絶望的な痛みを抱き続けながら。