-福山PA(9:52着)-
※この全駅間歩きは2015年に歩いたものです。
稲里集落を抜け、穂別ダムを越えたところからの続きです。
いよいよ峠越えの登り坂が始まりました。
体力温存のため日陰を選んで歩いていたのですが、
登るにつれて日陰が無くなってしまい、汗が出始めました。
遠くから人工的な音が聞こえたと思ったら、
おそらく旧道沿いで工事が行われていた模様…。
何のための工事かは分かりませんが、
人の手が加わった音を聞くだけでも、安心するものです。
少し疲れてきたところで稲里トンネルが見えてきました。
ここが峠の頂上です。
稲里ダムから130メートルほど登りました。
稲里トンネルの長さは1,441メートル。
坑口から出口は見えず、歩行者スペースは広くありません。
トンネルの中は車の音が轟音のように響き渡っていました。
入るのをためらいそうになりましたが、
ここを通過しないことには目的地へは行けないので、
意を決して入りました。
脇目も振らず歩くこと15分強。
ようやくトンネルを抜けました。
トンネル抜けたら、下り坂が始まりました。
日陰はほとんどありませんでしたが、下り坂なら気になりません。
途中、道路工事に出くわしましたが、
係員付き添いで、工事現場の中を通過しました。
こういう形でも、人とのふれあいがあるとほっとします。
右手に沢が見えてきたということは、
だいぶん下ってきたということでしょうか。
坂を下りきったところで、福山集落に入りました。
これが…集落??
道の両側についている歩道は
ここに集落があったことを物語っています。
昔の写真を見ると右手側にガソリンスタンドがあるのですが、
今はそれもなくなり、ほぼ無人の集落となってしまったようです。
国土交通省国土地理院HP内「地図・空中写真閲覧サービス」より CHO7747-C7-20(1975年撮影)を一部加工
1975年当時の福山集落です。
小学校のほか、少なくとも十数軒の民家が見られ、
まとまった集落だったことが分かります。
往時は木材搬出とクロム鉱で栄えたそうです。
1965年には大字全体で300人以上いた人口も、
2015年現在は1世帯2人とのこと。
ほぼ無人の集落となってしまいました。
この集落内を道道610号が交差しています。
道道610号はむかわ町富内から福山集落を経て、
今日のゴール・占冠村のニニウを結んでいます。
ところが、福山集落から北の区間は
長らく通行止めが続いています。
もう復旧させるつもりは無いのか、
入口の案内関係はカバーが被せられ、
2枚上の写真にある青看からも道が消されてしまっています。
この道が通行できれば、あと10kmほどで今日のゴールに着けたのですが、
通行できないゆえに倍以上の距離、しかももう一つ峠越えまでする羽目になりました。
行く前から通行止めを知ってたから良かったものの、
ここに来てこれ知ったら、ショックでっかいですよ。
集落の建物は取り壊され、あまり残っていません。
この建物は民家の跡…いや、工事関係者の詰所のようにも見える。
この先には第二の峠越えが待っています。
少し早めでしたが、集落内の駐車場で昼食休憩をとりました。
体力全快で次の峠越えに挑みたいと思います。
(その13へ続く)
福山集落周辺のGPSログ(1/60,000)です。
国道と道道(黄道)が交差する場所に福山集落があります。
道道は福山集落以北が通行止めです。