根室本線全駅間歩き4(釧路-落石) 最終回・旅の終わりの青い海 | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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その12からの続き

 

-別当賀(10:12着・10:35発)-落石(13:12着)

 

 

森林地帯を抜けると、右手に牧草地が広がりました。

 

 

 

砂利道の先には太平洋も見えました。

最果て感漂う景色です。

 

 

 

ここでいったん踏切を渡りました。

 

 

 

別当賀の集落が見えてきました。

こちらも駅前にぽつぽつと民家が建つ程度の小集落です。

地区全体の人口は50人あまりと、初田牛よりは多いという程度です。

 

でも、駅前に公園があるだけ、

こっちの方がまだ駅前らしいといえるのかも。

 

 

 

別当賀駅に着きました。

尾幌駅以来の車掌車改造駅舎です。

 

駅名は「べっとが」と読みますが、

集落名は「べっとうが」と読むそうです。

 

 

 

ホームは1面1線の片ホームです。

 

駅の利用者数は1日2人ほど。

周囲がこんな感じでは仕方がありませんが、

帰りに乗った列車では地元の人の乗降を見かけました。

 

 

休憩中に駅ノートを読んでいると、

去年白馬で会った「3万キロ歩いた人」の書き込みを見つけました。

1ヶ月前に落石から厚床まで歩いていたようですが、

それだけ歩いていて「休足日」なんていうんだから次元が違う…。

しかも、ノートの記載を見る限り、真夜中に歩いているんだからなんともはや。

 

 

次の駅はいよいよ最終目的地の落石駅。

泣いても笑っても最後の駅間です。

 

 

 

いよいよ最後の駅間が始まりました。

 

まずは駅前の道を東へ進みました。

かつてはこの通りにも何軒か民家が建っていたようですが、今ではこの有様。

今も残る歩道がかつての賑わいを伝えてくれているようでした。

 

 

 

まもなく別当賀夢原館が見えてきました。

これは別当賀小学校の廃校舎を活用してできた多目的活動施設です。

3人以上のグループなら、宿泊もできるそうで。

 

別当賀小学校は1906年に開校しました。

その後100年近く地域を見守り続けましたが、

1998年に厚床小学校と統合される形で閉校しました。

 

92年間で送り出した卒業生は564人とのこと。

平たく並べると、毎年平均6人。

 

 

 

集落を抜け、国道へ向かう道との分岐点にさしかかりました。

 

落石方面はこの先を右へ進みます。

このあたりから再び森林地帯が始まります。

先へ進めば進むほど熊さんとの遭遇危険度が高くなる最終日…。

 

 

 

森林地帯に入りました。

心なしか、先ほどよりも森らしさが増しているような気がしました。

 

こんな昼間に歩いても熊が気になるのに、

例の方は真夜中にこの道を歩いたんですよ!

こんな道、夜は怖くて歩けませんよ!!

 

 

 

落石まであと5km。

今回の全駅間歩きも大詰めです。

 

根室市街も手が届きそうな距離なのが、

かえって悔しい…。

 

 

 

森林地帯はなおも続きました。

ザックを背負う肩がちょっと痛くなってきたなぁ…。

 

 

 

森林地帯がいったん途切れると、オンネベツ川を渡りました。

 

 

 

恐ろしいまでに蛇行している様子、分かりますか?

ちなみにオンネベツ川はすぐそばの太平洋ではなく、根室湾に注いでいます。

 

 

 

川を渡りきると再び森林地帯に戻りました。

 

しばらく進んだところで、犬を散歩させている地元の方に会いました。

どうやら人里が近づいてきたようです。

 

 

 

踏切を渡れば森林地帯は終了です。

 

 

 

突き当たりを左に曲がれば落石駅はすぐそこですが、

帰りの列車まではまだ時間があります。

 

駅へ行く前に、駅とは反対方向の落石市街地を見ておきたいと思います。

実は寄り道するために、早め早めに歩いてきたんですよ。

 

 

 

落石市街地は、

落石駅から南へ向かって細長く続いています。

 

 

 

そして、目の前に落石湾が現れました。

青く澄んだ海と最果て感漂う台地がゴールを祝福してくれているようでした。

 

 

 

同じ場所から南東方向を撮ってみました。

落石という地名はアイヌ語「オ(山の鞍部)」からきているだけあって、

集落の中心は2つの台地に挟まれた鞍部(写真中央奥)にあります。

ちなみに、この「鞍部」の成り立ちは霧多布同様、陸繋島であると言われています。

 

江戸時代は番屋が設けられた程度だったようですが、

明治に入ると漁業の街として急速に発達し、1965年には約1,400人が暮らしていたそうです。

その後人口は減少に転じたものの、現在も450人ほどが暮らしているそうです。

 

 

 

さらに南へ進んで、落石大橋を渡りました。

 

 

 

橋から眺めた落石漁港も素敵でした。

 

 

 

橋を渡ると、商店もちらほら見かけるようになりました。

 

 

 

さらに先へ進みたかったのですが、

列車の時間もあるため、ここで引き返すことにしました。

 

 

 

先ほど右に曲がったT字路を左方向に進むと、

まもなく駅へ向かう角が見えてきました。

 

 

 

…そして、

 

 

 

最終目的地・落石駅に到着しました。

6日かけて到着した駅は、小さな無人駅でした。

 

それなりに大きな集落を抱える駅なので、

1日あたりの利用者は14人ほどいるそうですが。

 

 

 

ホームは2面2線の相対式です。

終着駅・根室も含めて最後の交換可能駅です。

現在、この駅で行き違いが行われる定期列車はありませんが、

ダイヤが乱れた時や臨時列車などに対応するべく交換設備が残されているようです。

 

 

 

6日間かけて、

ここまで歩いてきました。

 

根室まではあと20kmほど。

近いうちに、必ず踏破したいと思います。

 

 

 

整理体操やら片付けやらをしていると、

あっという間に帰りの列車の時間になりました。

 

満員だったら嫌だなと思いましたが、

進行方向とは逆向きながらも窓側の席を確保できました。

 

 

そこから先は思い出に浸りながら、2時間ほどの列車旅。

16時前に終点の釧路駅に到着しました。

 

 

 

 

 

釧路では、

飛行機に乗せられない荷物をドラネコ便で送り返そうと思ったのですが、

そこでもひとつトラブルが。

 

事前にドラネコ便のホームページを見たところ、

駅前の和商市場の中に営業所があることが分かったのですが、

どこ探しても見当たらなかったのです。

 

やむなく近くの店の人に話を聞くと、

最近、釧路川河口近くに移転してしまったとのこと。

その事実を知ったのは、空港行きのバスが出る30分ほど前のこと。

防水スプレーはともかく、1万円する熊撃退スプレーはみすみす手放せませんでした。

 

 

「ちゃんとHP更新しろや、猫ぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 

と心の中で叫びながら、

送り返し用の荷物を抱え、少し軽くなったザックを背負って、

夕暮れ迫る釧路の街を疾走したのでした。

 

 

 

なんとか荷物を新営業所に送り届け、

MOOバスターミナルから空港行きのバスに乗り込みました。

 

 

 

そしてそのまま東京行きの飛行機に乗りました。

今回もあっという間の6日間でした。

 

 

また冬にお邪魔しますね。

 

 

最後までご覧いただき、

本当にありがとうございました。

 

 

(おわり)

根室本線全駅間歩き5(落石-根室)へ

 

 

10月4日(木)  歩行区間:厚床-落石  天気:晴れ  日出時刻/5:18 日没時刻/16:57

鉄道距離:25.9km  歩行距離:30.2km  総歩数:43,157歩  所要時間:6時間37分

根室(5:31発)=5624D=厚床(6:20着・6:35発)-7.6km-初田牛(8:01着・8:30発)-9.0km-

-別当賀(10:12着・10:35発)-13.6km-落石(13:12着・13:54発)=5630D=釧路(15:51着)

MOO前(17:00発)=連絡バス=釧路空港(17:40頃着・18:45発)=ADO074便=羽田空港(20:25着)

 

総歩行区間:釧路-落石  総鉄道距離:116.4km  総歩行距離:157.2km

総歩数:228,800歩    総所要時間:36時間03分

 

 

別当賀駅手前から落石駅までのGPSログ(1/120,000)です。

別当賀から落石へは林道を経由する方法もありますが、

単独行の場合は今回の道道を歩く方が無難です。

 

落石駅は落石市街の北端にあります。

落石岬まで歩くとかなり時間がかかるかと思いますが、

時間があれば市街地あたりまでは寄り道してみたいところです。

 

 

 

全行程のGPSログ(1/1,400,000)です。

 

今回は釧路から東へ進み、根室半島の付け根に到達しました。

根室まで届かなかったのが悔やまれるところですが、近いうちに踏破したいと思います。