飯田線全駅間歩き2(中部天竜-天竜峡) その2・渡らずの橋、水窪 | 駅から駅まで・旅のあしあと

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鉄道路線全ての駅間を歩く全駅間歩きを10年以上続けています。
今は東海~北海道エリアを歩いていますが、目指すは全国全路線全区間踏破!
そんな壮大な目標、たぶん一生レベルでかかるので、長い目で見守っていただけるとうれしいです。
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その1からの続き

-相月(14:20発)-城西(14:59着・15:15発)-向市場(16:02着・16:20発)-水窪(16:43着)



相月駅に着きました。
誰もいない待合室で昼食タイムです。
待合室の中はちょっと蒸し暑かったのですが、窓を開けると良い風が入ってきました。


待合室でのんびりくつろいでいると、突然
「今度の豊橋行きは、伊那小沢駅を4分遅れて発車しております」
という放送が流れてきました。

一斉放送だよね、これ?
見られているわけじゃないよね??


別に悪いことしてるわけじゃないのに、周囲をきょろきょろ。




次の駅までは旧道経由で歩いてみたいと思います。
国道を通る車のほとんどは新道のトンネルを抜けるため、旧道の行き来はほとんどありません。
旧道沿いに小集落が張り付いているので、路線バスはこっちを走るようですが。




眼下に新道が見えました。
新道の道幅は、今歩いている旧道の1.5倍くらいありそうです。

廃屋となった(?)民家の屋根から、藤が綺麗な花を咲かせていました。
飯田線の電車で話した方も「自生している藤の方が好きだ」って話していたっけ。




新道に合流して道幅が広くなると期待したんですが、
旧道につられたのか、かえって狭くなってしまいました。
一応これでも国道ですよ。ちゃんと車が走れるだけ立派でしょ。

民家が少し増えてくると、右手に城西駅が見えてきました。




城西駅に着きました。
ここでは木造駅舎が健在でした。

 

 

 

かつては行き違い可能でしたが、現在は1面1線の単式ホームです。
風通しの良いホームの待合室で一休みしました。




城西駅から5分ほど歩いて、向皆外(むかがいと)橋に着きました。
ここから上流側を眺めると、飯田線の第6水窪川橋梁が見えます。

この橋がよく知られている理由、ご存じですか?
そう、この橋は対岸へ渡らずに途中で戻ってしまうのです。
そのため、この橋は通称「渡らずの橋」とも呼ばれています。

当初、ここに橋を架ける予定はなく、左岸側(写真右側)にトンネルを通す計画だったそうです。
ところが、トンネルを通したことで山が動き始めてしまい、トンネルを放棄せざるを得なくなったそうです。
さらに山が動いてしまうと大変ということで山を迂回するように線路を引いた結果、
こんな珍しい鉄橋ができたそうです。


…電車が走ってくるとこ撮れれば良かったんだけどねぇ。



 
渡らずの橋から少し進んで、城西の集落に入りました。
特急は止まりませんが、生活に必要な施設が一通りそろっていました。




地質の問題で経路が変更されたのは「渡らずの橋」だけではありません。
「渡らずの橋」の先にあるトンネルでも変動が起きてしまい、トンネルの坑口が変更されました。
左写真の奥に掛かっている橋は、坑口が変更されたために放棄された線路跡です。

飯田線の線路は水窪川の左岸を進みますが、
こちらは右岸に沿って水窪の市街地を目指します。




ゴトン、ゴトンという音が聞こえてきました。
対岸に目をやると、電車がやって来ました。




水窪の市街地に入りました。
まずは水窪川を渡って、向市場駅に向かいたいと思います。




向市場駅に着きました。
待合室には、まぶしい西日が差し込んでいました。
思わず日陰を探してしまいました。
 



今度は水窪の中心市街を通って、水窪駅を目指します。
街の中心部から高台に向かう道は「塩の道」として整備され、
古い木造家屋が建ち並んでいました。




水窪の市街地はまとまっていて、
朝歩いた佐久間の市街地よりも栄えているような気がしました。

駅は水窪川の対岸なので、歩行者専用の吊り橋で対岸へ渡ります。




階段を昇って、高台にある駅へ向かいます。
駅前広場からは、水窪の中心市街が一望できました。

明日は、市街地の背後にそびえるあの山へアタックします。
そう考えると、今からちょっと気が重たくなります。




今日のゴール駅・水窪駅に着きました。
朝の立ちっぱが響いたのか、歩行距離の割には疲れました。

 

 


ホームは1面2線ですが、東側に側線が敷かれています。

夜間滞泊用の留置線…でしょうか。

 


これから電車で宿泊地の平岡まで移動します。
本音を言えば、全駅間歩きの最中に電車移動はしたくないのですが、
水窪にある数少ない宿は3ヶ月前に電話したにもかかわらず、すでに満室でした。
ここで駅寝するわけにもいかないので、妥協したいと思います。


今日の宿は平岡駅直結の「ふれあいステーション龍泉閣」です。
部屋は駅ホームに面していて、平岡駅を発着する電車を眺めることができました。
…ベランダがちょっと(どころじゃなく)邪魔だったけど。

部屋に荷物を置いたら風呂場に直行、ついでに夕食です。
歩いた後の温泉とビールはほんと最高です。


22時前に平岡止まりの電車が到着し、
入れ替え作業が終わったところで寝ることにしました。

今日は峠をひとつ越えたとはいえ、まだまだ足慣らし。
明日からはいよいよ本格的な峠越えが始まります。

その3へ続く


1日目・5月2日(土)  歩行区間:中部天竜-水窪  天気:晴れ 日出/4:56 日没/18:36
鉄道キロ:11.9km  歩行キロ:20.4km  総歩数:32,052歩  所要時間:6時間13分

東京(6:27発)=<ひかり501号>=豊橋(7:58着・8:10発)=511M=中部天竜(10:18着・10:30発)-
-1.3km-佐久間(10:50着・11:00発)-10.3km-相月(13:25着・14:20発)-3.3km-
-城西(14:59着・15:15発)-3.8km-向市場(16:02着・16:20発)-1.7km-
-水窪(16:43着・17:05発)=531M=平岡(17:32着)・泊



 
相月駅から水窪駅までのGPSログ(1/54,000)です。
城西駅までは旧道を歩いてみましたが、向市場駅までは基本的に一本道です。