土曜日・日曜日とグルメ父さん馬に付き添い一喜一憂しましたが何の改善も無く…。

 

後ろ髪引かれながらの帰京の朝です。

 

駅前もすっかり濃霧に包まれています。

 

お山の牧場もすっぽりと真っ白なベールに包まれている事でしょう。

 

昨日は夜まで数人の獣医さんに連絡をしまくりました。

 

しかし、今は学会シーズンで研修会やらセミナーやらが目白押しらしく、

 

緊急で動ける方が見つかりませんでした。

 

ガックリと肩を落としかけた時、何時も頼りにしている獣医さんからメールが入り「火曜日以降ならば」と。

 

暗闇に一筋の灯を見た思いでした。

 

但しそれまでの数日間、グルメ父さん馬の馬体が保つかどうか‥。

 

既に今日で食べられなくなってから7日目、往診までもしかしたら10日経過するかもしれない‥。

 

何とか倒れず心折れずに頑張ってくれ‥と祈りつつ、無理を承知のメールを牧場へ送りました。

 

「火曜日以降の往診が決まりました。何とかそれまで馬体を保たせて欲しい」と。

 

夜遅くに珍しく知り合いの養老馬牧場のオーナーから「何となく声が聞きたくて…」との電話が。

 

窮状や心労が痛い程判るだけに、どんな想いで電話してきたのだろうかと…

 

心は切なく声は明るくあれこれと話しながら時間も過ぎていきました。

 

宝くじでも当たらない限り、私には自分の馬達を放り出して

 

他の不幸な馬達を救う事などこれ以上できない‥し。

 

馬バカは馬と共に倒れるまで頑張るしか無いねぇ~とお互いに乾いた声での別れ。

 

涙なんて出やしない。

 

それは、3.11で人間に打ち捨てられた動物達の阿鼻叫喚の修羅場を見続けてから私が失った物。