大家さんに不利な税制③
税理士×大家です。
大家さんに不利な税制まだあります
所得税と法人税共通のなんですが、
減価償却のお話です
【建物の減価償却方法】
減価償却の方法として主に定額法と定率法があります
定額法とは、毎年一定額の減価償却費を計上する方法です。
例えば、2,000万円の木造建物(耐用年数22年、2011年期首に取得)の場合
2,000万円×0.046=92万円
が1年あたりの減価償却費になります
定率法とは、当初大きく減価させ年々逓減していく減価償却費を計上する方法です。
未償却残高に償却率をかけて計算していきます
例えば、2,000万円の木造建物(耐用年数22年、2011年期首に取得)の場合
2,000万円×0.114=228万年(1年目)
(2,000万円-228万円)×0.114=202万円(2年目)
(2,000万円-228万円-202万円)×0.114=178万円(3年目)
1年目を比較すると、定額法と定率法では、136万円もの経費の差になります
定額法も定率法も最終的に経費になる合計額はかわらないのですが、
定率法の方が当初に支払う税金が少なくなる分、多くの資金が貯められることになります
通常、この定額法と定率法は選択できます
(所得税の場合は定率法を選択する場合には届出が必要、
法人税の場合は定額法を選択する場合には届出が必要)
ここからが本題
平成10年度税制改正により、
平成10年4月1日以後に取得する建物については、定額法しか取れません
それ以前は選択できました
(同時に建物の耐用年数も短くなったのですが)
改正の理由は
「建物については、一般的に長期安定的に使用される資産であること、その使用形態は生産性や収益性に大きく左右されない」ということみたいです
この建物の減価償却方法が定額法に限られたことと、
前回書いた土地取得のための借入金利子の損益通算の制限(http://ameblo.jp/o83nokai/entry-10997025751.html
)により
サラリーマンが節税目的で不動産投資をすることが原則できなくなりました
(いまだに節税になりますというセールストークをしているところもあるみたいですが・・・)
ちなみに、平成10年4月1日以後に取得した建物についての
「取得」には相続などで取得した場合も含まれます
親から定率法を適用していた物件を相続したからといって、定率法はつかえなく、
定額法しか適用できなくなりますので、ご注意ください

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