大家さんに不利な税金②
税理士×大家です。
大家さんに不利な税金いってみよ~
まずは、所得税から。
主に不動産投資家さんに関係するかと思います
【損益通算の制限】
不動産所得の計算上、赤字になった場合(実際の赤字という意味ではありません)
通常、赤字については、他の所得(例えば給与所得)と相殺することができます
これを損益通算と言います。
ちなみに損益通算は、白色申告者でも青色申告者でも共通です
例えば、不動産所得が△100万円、給与所得が500万円の場合、
損益通算により所得が400万円になります。
すると、毎月の給料で天引きされる源泉所得税は500万円を前提に金額を算定しているため、400万円になると源泉所得税が取られ過ぎの状態になります。
そこで、確定申告をすることにより取られ過ぎた源泉税が戻ってきます(還付)
バブルの時代には、この方法で節税するために投資用マンションが売れたみたいです
平成4年の税制改正により、制限がかかりました
不動産所得の赤字金額のうち、
土地を取得するための借入金の利息部分は損益通算することができません
例えば、不動産所得が△100万円(そのうち土地購入の借入金利子が30万円)の場合
損益通算の対象は、100万円-30万円=【70万円】となります。
つまり、赤字になった場合には、土地購入の借入金利子分は切り捨てになります
(不動産所得の計算では経費として引けます。損益通算ができないだけです。)
借入金が建物だけの場合には、制限ありません
(節税するには購入する段階で、売買金額のうち建物の割合
を多くしておくことがポイントです)
確定申告の仕事をしていると、たまにこのようなケースに出会います
(この場合は、知恵をしぼって、何とか赤字にならないようにしますが・・・)
ここからが、本題です
なぜこのような改正になったのかというと、
損益通算を無制限に認めると、借入をして土地を取得する人が増えてしまい、土地の高騰を防ぐ、つまりバブルにならないように抑制しようというものです
でも、今は土地の価値がバブル前の状態にまで下がっているので、急激な土地の高騰はないでしょうし、
何より法人税では、この制限はありません(平成10年の税制改正で廃止。法人化のメリットの一つと言えますね
)。
税理士会でもこの規定の廃止を訴えてます。
みなさんはどう思われますか(無茶ブリ?)