大神サウンド | 大神Blog

大神サウンド

11月からクリスマスソングを解禁して、仕事中はヘッドホンでクリスマス気分に
浸りながらシナリオ執筆に勤しんでいる神谷です。
…ちなみに「ベンチャーズのクリスマス・パーティ」というアルバムが僕のお気に入り。
トラディショナルなクリスマスソングが、ベンチャーズサウンドで再現されていて、
中々面白いのでオススメです!

…というワケで、今回は音楽の事をちょっとお話しましょう。
アンケートや周りの反応を見ると、「大神」の音楽がかなり好評なようで、
うれしい限りです。
音楽を担当しているのは、メインのウエダ君と、入社二年目のヒロシの二人。
まず最初に「大神」の音楽の方向性を作ってくれたのは、ウエダ君です。
ウエダ君は「バイオ2」「デビル」でもメインコンポーザーを務めたベテランで、
「ジョー」の時にも、スケジュール的に厳しくなった分を、ヘルプで何曲か
作ってくれたりしました。シナリオや企画書をボーンと渡しておくだけで、
必要な曲をリストアップして、その上スケジュールも組んでくれるので、
非常に助かります(迷惑かけまくってるのは分かってます…スンマセン)。

一番最初に「大神」用の曲を作ったのは、社内検討用のプロモーションビデオを
作った頃…だったように記憶しているのですが、とにかく大昔の事なので、
良く覚えていません。
今ちょっとウエダ君にも聞いてみたのですが、本人も良く分からないようです(笑)。

…ともかく、大神の世界観が、無垢のままの大自然から、昔話風の和風世界へと
変わったのと同時に、音楽の方向性も固まりました。
神話をモチーフにした物語にしたかったので、音楽も和風で、神秘的で、和やかな…
雅楽のような感じの物を、とリクエスト。
僕には音楽の専門的な知識はないので、自分の知ってる言葉を駆使して、
一生懸命説明するしかないんですが、ウエダ君も既にしっかりとしたビジョンを持って
いたので、お互いのイメージを合わせる事は、それほど難航しませんでした
(…僕の記憶では)。

一年前に入社したヒロシも、様々な研修を経て、今では「大神」サウンドの方向性を
しっかり掴み、場面場面に合った曲を次々と作ってくれています。
…ただヒロシは泣き系の曲が得意なようで、シリアスな場面のイベント曲などは
活き活きと作ってくれるのですが、たまーに全然関係ない場面にも泣きメロを
持ってきたりするので、ボツったりします。…
そのボツ曲は、別のイベントやステージなどで、ありがたく再利用するのですが(笑)。
ちなみに、「大神」サイトにあるプロモーションビデオの、1~3番目までがウエダ君、
4番目がヒロシの曲です。今「春待ちの樹」のところで流れている曲はウエダ君です。
小判取りの曲もウエダ君だったりします。

そう言えば…
技術的な話になりますが、音楽の面で工夫している点が、もう一つありました。…
それは、時間の経過と共に、曲のパートが増減して、様々な表情を見せるという事です。
これは実際に聞いてもらわなければ分からないかも知れません(実際に聞いても
気付かないくらい自然な変化ですが)。…
元々これは、ゲームの企画がまだ古かった頃、プレーヤーが自然を回復させて景色が
綺麗になっていったら、それに伴って曲もゴージャスになる!
…というのを表現しようとしたものの名残りです。シミュレーションゲームのような
ゲーム性を実験していた当時と異なり、現在では一本筋の通ったシナリオのある
ゲームスタイルになって、絵の変化と同時に曲を変えるという事が、それほどゲームに
おいて効果的ではなくなったので、それならその工夫を、移り変わる時間に
対応させてはどうか、となったのです。
これは、体験版の神木村で聴く事が出来るので、是非注意して聴いてみて下さい。
朝から昼へ時間が進むと曲も活気付き、世界の息遣いが感じられるようで、
大神世界の臨場感を膨らませるのに一役かっています。

一つの曲で、二通りの聞かせ方をしなければならないので、曲作りにも倍以上の
苦労があると思いますが、その辺の詳しい話は、サントラ(…がもし発売されたら)の
ライナーノーツで、ウエダ君やヒロシが詳しく語ってくれるのではないでしょうか?
イベントシーンにも心を震わせる名曲が目白押しなので、是非楽しみにしていて下さい!

pic31
写真:数々の大神サウンドが生まれるウエダ君の席。
    誰かの席と違ってキレイに片付いています…