そしてきみの鳥はうたえる | AFTER THE GOLD RUSH

AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――

AFTER THE GOLD RUSH-ジョリィ・マダム 思い切り遅ればせながら、ツイッターを始めることにした。始めてみて分かったのだが、すでにツイッターからフェイスブックに軸足を移している諸先輩方も多く、情報ツールの変化の速さに今さらながら驚いているところである。

 

同時に、即時的に書かれた文章の無防備さに戸惑ってもいる。140文字という記事の短さゆえに、ツイッターはブログとは比較にならない瞬発力を持ち、その反射的ともいえるリアルタイム感が大きな魅力であるのだが、一方で、勢いに任せて書き殴った文章は、時に人間性や思想性を残酷なほど露わにしてしまう。これは怖ろしい。ぼくは、決して理性的ではなく、多分に感情的で粗雑な人間であることを自覚しているので、十分に気をつけなければいけない。

 

個人的にウケたことがある。それは、ぼくのツイートをsubterraneanさんがリツイートし、それがさらに引用リツイートされた時のこと。以下が元のツイート。
「ブリジット・セント・ジョンの昨年末の来日公演のライブ盤。聴いていると、言葉にできない複雑な思いが沸き上がってくる。半年前、ぼくは、セシウムという化学物質も、ベクレルという単位も知らなかった。子供は砂場で遊ぶもので、霧雨は濡れて歩くものだった。」
「今、都内の砂場から子供は消え、わずかな霧雨でも人は傘をさすようになった。セシウム、ベクレル、ミリシーベルト、これらの言葉を知らない日本人はもういない。ブリジットは歌う。『私の心に開いた穴 どう治療し始めればいいの?』(The Hole in Your Heart)」
これを、小林雅明さんが次のように改作してリツイートしてくれた。
「もはや、ブリジットすらうらやましい!『圧力容器にあいた穴、格納容器にも空いた穴、どう対処し始めればいいの?』」
これには参った。「The Hole in Your Heart」が、思いがけず風刺の利いた替え歌になってしまった。

 

しかし、こういう体験は稀だ。ビギナーズ・ラックのようなものかもしれない。今のところ、ぼくの呟きは、脈絡の無い無意味な独り言ばかりで、自己満足以外の何物でもない。無駄に汚しているようで、フォローしてくださった皆さんには申し訳なく思う。今後は、貴重なコミュニケートの手段として、徐々に使いこなせるようにしていきたい。


【追記】
ツイッターは、10月21日をもって退会しました。フォローしてくださった皆さん、本当にありがとう。現代のアゴラのようで、とても楽しかった。