「戦争」と同じく恐ろしいシナリオ | 日本のお姉さん

「戦争」と同じく恐ろしいシナリオ

「戦争」と同じく恐ろしいシナリオ
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成28年(2016)8月7日(日曜日)
通算第4983号

尖閣、南シナ海で起こりうる「戦争」と同じく恐ろしいシナリオ
中国原発、事故隠し、深刻な技術者不足が次の大事故を予想させる
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現在、中国の原発は18基が稼働しているとされる。2020年代央には35基体 制になつと中国は豪語している。

香港から西へ200キロ。楊江に建設された原発は5基。最近、事故隠し が問題となった。


2015年3月、ポンプ故障による事故が起きていたのは、この楊江原子炉で ある。現場で4人のエンジニアが相互の連携が出来ず、事故を起こしたが 報告を怠った。ところが事故隠しがばれたのは1 年後である。

後日、主任は左遷され、残り3人は訓戒処分を受けた。

厳格な内部規定があれば、この報告遅れは絶対に起こりえないと専門家は 言う。安全基準が曖昧で、管理システムに問題が多きことは前から指摘さ れてきた。

どうやら主因はエンジニアとオペレーター不足らしい。


「次の10年間に(増設される原子炉の数を勘案して)3万人から4万人の エンジニアとオペレーターが必要だ」と清華大学の原子物理学専門家は指 摘している(サウスチャイナモーニングポスト、 2016年8月6日)。

中国は、2030年に100基の原発をつくると放言しているが、この目標達成 には別途に5万から8万人のエンジニアとオペレーターが必要であると計 測されている。

現場からはエンジニアが不足だというのに、次々と職場を去る現象が起き ている。

理由は賃金が安く、応用の利くIT産業からのスカウトで、さっさと高級 な職場へ移動するためである。原発オペレータの平均月給は12万円から 15万(IT産業へ行けば20万円が最低ライン)。

問題は近未来に予想される事故である。

管理体制の不備、エンジニア不足、そしてお粗末きわまりない技術だか ら、事故は必ず起きると考えられる。

チェルノブイリ原発事故はウクライナで起きたが風向きのため、最悪の被 害を蒙ったのは北隣のベラルーシだった。ベラルーシの医療体制見学のた め、福島県関係者が頻繁に訪れたという話を先 週、ミンスクで聞いてきた ばかりだ。

同様に事故が起きたときに強い偏西風が吹いていれば、被害は中国沿岸部 より、日本である。

だからこそ、尖閣戦争勃発や南シナ海戦争と同様に、この中国の原発事故 (あまりにお粗末な技術ゆえに、懸念は深まるばかりであり、英国が中国 からのオファーを再審査すると言い出した背景も これである)への対応が 喫緊にもとめられている。


書評 しょひょう
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人はここまで残虐になれるのか。いやシナ人だけがそうなのか
凄惨な日本人虐殺事件に目撃者の証言がでてきた


藤岡信勝編『通州事件 目撃者の証言』(自由社)
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通州事件はいまさら説明するまでもない。シナ人の日本人虐殺事件であ る。舞台は北京郊外の通州でおきた。いま地下鉄がつながり通州は北京市に編入されている。

評者(宮崎)は過去に2回、この現場を克明に歩いたことがある。地図を 写真をつけて拙著にも収録した。

当時の地図と睨めっこしながら、通州鉄道駅、南門、保安隊本部など、十数年前にはじめて行ったときはまだかなり、判別がついた。旅館跡はホテ ルとなっていた。

公園になった事件現場のひとつは薄気味わるかった。

5、6年前に高山正之氏らと一緒に行ったときは鉄道駅と南門跡くらいし かわからず、日本人居住区跡はイスラム貧困町、表通りにはおおきなスー パーがはいり、旅館のあとのホテルもなくなって いた。

なにもかも消滅しかけていたが、最近行った人の話に寄れば、再開発がすすみ、痕跡は完全に消えつつあるという報告である。

風化した。いや中国側から見れば、通州事件はなかったことになっており 替わりに彼らのでっちあげた南京大虐殺、731部隊なるものの記念館が ある。ハルビン駅舎内には、安重根記念館もで きた。

中国人の残虐性は、多くの人が指摘したからここでは繰り返さない。それも想像を絶する残虐さ、凄惨な現場。身の毛もよだつ略奪のあと。血の海。

このたび藤岡氏の編集された、この冊子は、新しい目撃者の証言である。 その復刻である。

事件を目撃した女性がいたのだ。しかし半世紀、彼女は沈黙した。秘密にしてきた地獄絵を記録に残そうと思い立ったのは或る住職との出会いだっ た。貴重な目撃談が、資料としてこのたび自由 社ブックレットシリーズに 加わった。

これは英語よりも、先に中国語にも翻訳し、誰もがアクセスできるネット に公開すると効果的だろうと思った。


(読者の声1)「 広島原爆記念日」に対するアジア自由民主連帯協議会 声明文です。

(引用)
「1945年8月6日、広島に、そして続く9日長崎の2回にわたって、アメリ カが行った原子爆弾を用いた人類初の核攻撃は、無辜の民間人に対する無 差別殺戮、かつ、最新の化学兵器の人体実験としか
みなしようがないもの でした。

この犯罪が「人道に反する罪」として裁かれる瞬間が全くなかったという ただ一点においても、連合軍による東京裁判は不公正なものであり、勝者 が一方的な正義感で敗者を裁いた、国際法の原則 を踏みにじるものです。

私たちは今日、犠牲者の方々に深い哀悼の意を示すとともに、いかなる国 であれこのような犯罪を繰り返すことがあってはならないという誓いを深 く胸に刻むものであります。今年のオバマ大統領 の広島訪問が、原爆を投 下したアメリカがその歴史に対し向き合う勇気ある一歩となることを祈念 致します。

広島・長崎の悲劇は、その後さまざまな平和運動の原点ともなりました。 科学の進歩は平和的利用という原則を決して踏み外すべきではないこと、 公正な国際秩序と国家犯罪の取り締まりのために は中立的な国際司法裁判 所の存在が不可欠であることは、今日普遍的な価値観として具現化しつつ あるところです。

しかし同時に、今や、世界の核保有国は、アメリカ、イギリス、フラン ス、ロシア、中国、インド、パキスタンに広がっているだけではなく、イ スラエルおよび北朝鮮も、事実上の核保有国に向 かっているという現実 も、私たちは直視しなければなりません。

特に隣国の、しかもわが同胞を含む多数の他国民を拉致し、国内では世襲 独裁体制による人権弾圧を続けている北朝鮮が核武装に向けて歩んでいる ことは、深刻な平和への危機となっています。

中国は自国の核実験を新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)にて、住民 の充分な退避なく、数十度にわたり強行したとされ、多くの被爆者を生み 出しました。しかし、それによる健康被害や環境 破壊の実情を、今もなお 公開せず、国際機関の調査も拒否し続けています。これはまさに、平和時 に、自国内のウイグル民族に対し行われた核攻撃といえるでしょう。

私たちは広島に原爆が投下されたこの8月6日、平和は単に国家間の力の均 等によるものではなく、各国が双方の主権、歴史観、民族自決権を互いに 尊重し、民主主義と法治の原則が確立されること によって、真の意味での 世界平和が実現されるのだという信念を、広島・長崎の犠牲を無駄にしな いためにも世界に訴え、かつ、そのような世界平和の実現のために努力し
ていくことを誓うものであります。
2016年8月6日
アジア自由民主連帯協議会 会長 ぺマ・ギャルポ」
(引用止め)
http://freeasia2011.org/japan/archives/4784


(読者の声2)BREXIT以後、世界は大荒れに荒れ、日本経済は先行 きの見通しがたたないほど暗いです。

アベノミクスは諸般に事情があるのだろうが、頓挫した。

そのうえ、南シナ海では中国軍の跳梁があり、尖閣諸島では、中国の軍事 的威嚇がいよいよ本格化。これじゃ戦争がはじまるんではないですかね。
国際情勢に詳しい先生、このあたりの新情勢を分析した報告なり、新著 あるいは講演会なりはありませんですか。(JI生、埼玉県)


(宮崎正弘のコメント)米国でトランプ熱狂が吹き荒れ、ちょっとアメリ カ情勢に気を取られていたのですが、ソ連、中国、EU、そしてアジア情 勢全般を含めて、国際経済がつぎにどうなるかも 予測する拙著新刊は月末 を予定しております。

仮題ですが、『連鎖崩壊する中国、米国激変、日本の決断―――EU分裂、 ユーロ瓦解、南シナ海戦雲……世界大動乱の行方』というような題名で8月 31日、徳間書店からを予定しております。

月遅れの盆休みを返上して最終のゲラ校正に追われております。具体的な 題名などが決まれば、小誌に告示しますので、ご期