頂門の一針ーアメリカと関連諸国の合作がなければ中国の強引な侵略を止めることはできない | 日本のお姉さん

頂門の一針ーアメリカと関連諸国の合作がなければ中国の強引な侵略を止めることはできない

アメリカの東南アジア政策とPASEA構想
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Andy Chang

アメリカと関連諸国の合作がなければ中国の強引な侵略を止めることは出来ず、領土問題を解決しなければ東南アジアの平和は得られない。

28日はアメリカの戦没将兵追悼記念日である。ワシントンを主体として全国各地で追悼記念集会が行われている。

第2次大戦以後、アメリカは朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク、アフガンといろいろな戦争を戦ってきた。特にベトナム戦争は勝利したとはいえない苦い経験を持ち、各地での集会でもベトナム戦争について言及するものが多い。

更に言えばアメリカはすでにイラクとアフガンより撤退する事になっているが、去年から東南アジアに多大な興味を持ち始めている。主眼は中国の覇権進出を抑えることにある。

アメリカは東南アジア諸国の主権、領土および地下資源の保護に主眼を置いている。アメリカの強引さに批判もあるが、アメリカと違って中国の覇権進出は領土、資源拡張、覇権思想の進出などで、これを抑えるにはアメリカ及び諸国の緊密な合作が必要である。

●朝鮮戦争、ベトナム戦争

アメリカが朝鮮戦争、ベトナム戦争を戦ってきたのは共産主義の世界諸地方での侵略を止めることだった。この二つの戦争はアメリカにも大きな損害を及ぼし、多くの戦没将兵を出したが、戦争が終結したと言っても勝利を収めたとは言いがたい。

朝鮮戦争は38度線の停戦協定で、今でも米軍が韓国に駐留し、北朝鮮とにらみ合いを続けている。

ベトナム戦争はジョンソン大統領時代にフランスが撤退したときに始まり、長い戦争のあとニクソンの講和と無様な撤退をしたが、最近数年のうちにベトナムと関係を修復し、さらにミャンマーとも関係を修復し始めた。主眼は東南ア諸国とアメリカが関係を修復して中国の進出を抑えることにある。

過去のように共産主義の侵略をとどめるのではなく、中国の領土侵略、経済や資源侵略を阻止するためである。

●中国4千年来の覇権思想

アメリカの覇権は諸国との関係において領土侵略ではなく、アメリカの影響力を強大なものにする事にある。これと違って中国の覇権侵略は領土や資源の侵略と、近隣諸国を属国化にある。

チベット、東トルキスタン、台湾などはその顕著な証拠だが、このほかにも尖閣諸島、南シナ海の南沙群島、西沙群島などにおける中国の軍事拡張が近隣諸国の緊張のもととなっている。

中国の覇権思想とは次の諸点に現れている:

1.領土拡張

2.民族主義を行使する諸民族の中国化

3. 共産思想または覇権思想の宣伝

4.中華思想と中央覇権制度による近隣諸国の属国化

5.世界的な資源確保と強奪、領土侵略

これら諸点は中国が共産主義国家となったあとでも、中国4千年来の帝国思想から少しも変っていない。

トウ小平が共産主義から巧妙に国家資本主義に変換したが、中央集権制度は古来中国の歴代王朝の専制と変らず、官僚の跋扈と腐敗汚職が顕著になっただけである。

●アメリカの東太平洋政策

中国とアメリカが国交回復をした78年、中国は台湾問題について三つのノー(2つの中国、中国と台湾、台湾の独立を許さない)と主張したが、アメリカは中国の主張を認めず、了解(Acknowledge)するに止めた。

しかし中国側はその後の行動においてアメリカが承認したような行動を取り、アメリカもこれに対し抗議や制止していない。尖閣問題にしてもトウ小平が問題を将来の解決に残すとしたあと、あたかも日本が領土か未解決であることを承認したように振舞っている。

しかもアメリカは中国の横暴を制止していない。南シナ海の領土問題はもともと存在しなかった領土問題である。中国が勝手な?歴史的証拠?を主張してヒラリーが何度も否定した経緯もある。

2010年になってオバマはようやく東南アジアの領土問題で中国の強引な進出を抑える動きに出た。TPP(Trans Asia Partnership)及びアメリカの東南アジア政策の発表などである。

●アメリカとPASEA

台湾及び南シナ海の諸群島の主権を保有していたのは日本だった。

サン・フランシスコ和平条約(SFPT)第2条において日本が主権放棄を宣言し
たのは、台湾澎湖のほかに、南シナ海の南沙、西沙群島も含まれている。
中国の歴史的証拠など全くのウソである。

私がこの一年あまり主張してきたPASEA(東南アジア平和連盟)とは、これらの未解決領土の諸問題を解決するには、SFPTの締結の歴史に基いて東南アジア諸国がアメリカと合作して未解決領土の和平的解決を推進することにある。

SFPTに照らして中国の主張は証拠がなく横暴なのは明らかで、これら領土問題の解決に中国が介入する余地は少しもない。

米国が主体となって東南ア諸国が領土問題の解決と台湾澎湖の主権を台湾人民に返還し、台湾国の独立建国を進めるべきである。

アメリカが単独で共産主義の進出を抑えた過去の戦争とは違い、今回の東南アジア問題の解決はアメリカと諸国の合作があれば間違いなく成功する。

中国の覇権進出を抑制しなければアジアの平和は得られない。

日本の尖閣諸島、北方領土、竹島などの問題も戦争終結の際に
アメリカの終戦処理がアイマイだったために起きたことである。

アメリカは日本、台湾、南シナ海諸群島の未解決領土を関連諸国と合作して解決すべき時がきたのである。

アメリカと関連諸国の合作がなければ中国の強引な侵略を止めることは出来ず、領土問題を解決しなければ東南アジアの平和は得られない。

                (在米台湾人 地球物理学者)