カビで肺炎や急性肝炎になる | 日本のお姉さん

カビで肺炎や急性肝炎になる

夏型過敏性肺炎とは、カビによる肺の病気
http://kobe-haricure.net/health/e50.htm

夏型過敏性肺炎とは、トリコスポロン・クタネウムという真菌(カビ)の胞子で咳などが起こる肺炎
 夏型過敏性肺炎と呼ばれるのは、日本では梅雨以後の高温多湿の季節に起こることが多いからです。
 夏型過敏性肺炎は、カビの胞子を何度も吸い込むことによって、胞子に対するアレルギー反応が起き、肺に炎症が生じる肺炎です。日本での過敏性肺炎の過半数を占めます。
 カビが、エアコンで繁殖していることも多いため、5月から10月の間だけ過敏性肺炎の症状が現れることも多いです。
 カビは、浴室と脱衣所の間、台所の流し台、窓付近の畳に多く、カーペットや寝具などでも繁殖します。特に、日当たりや風通しの良くない築20年以上の木造住宅の朽ちた木や畳などでも繁殖します。また、築7年以上の鉄筋コンクリート住宅の3階以下でも多く繁殖します。

カビの繁殖しやすい条件を作らないことが大切
 エアコン・加湿器・洗濯槽をまめに掃除する。浴室・台所などの水周りは特に掃除をまめに行なうこと。カビのはえやすい季節は要注意です。
 冷房を早めに終えて送風運転を2時間ぐらいすると、エアコンの中の湿度を70%未満に乾燥させることができます。70%未満でカビ本体の増殖は止まり寿命で死滅していきます。胞子は、しぶとく残っているので、油断すると、また増殖します。送風運転による乾燥を5日ぐらい続けると大幅に改善します。

カビの生育する条件
栄養:糖類を好む。糖類以外も分解吸収して栄養源に
温度:5~35℃の範囲で発育。最も増殖しやすい温度は20~30℃
湿度:湿度が60%を超えると発生しやすくなり、80%を超えるとあっという間に増殖。冷房活用時の室内のエアコンの中は湿度99%!
過敏性肺炎とは
過敏性肺炎:外因性アレルギー性肺胞炎、アレルギー性間質性肺炎、有機物の粉塵による塵肺症など
 過敏性肺炎とは、カビや細菌などを含んだ粉塵(黄砂など)や埃、化学物質(防虫剤など)を吸い込んでいるうちに、気管支の先の部分(肺胞や細気管支の内部および周辺)でアレルギー反応を起こして発病する、「びまん性肉芽腫性間質性肺炎」です。気管支ぜんそくと診断されることもあります。
 抗原となるカビを吸い込んでから4~6時間後に、咳や痰・発熱などの軽い風邪のような症状で始まる事が多いです。しかし、風邪だと思って放っておくと症状が重くなり、次第に息切れなどの呼吸困難を伴う過敏性肺炎の症状が現れるようになります。
 過敏性肺炎の症状が軽い場合は環境を改善するだけで十分です。発熱、咳などの症状があり、進行すると呼吸困難を伴うことがあります。
 過敏性肺炎の症状は8~12時間持続しますが、同じ環境だと過敏性肺炎の症状はそれ以降も続き、違う環境に移動すると、たいていの場合、数日から10日で治ります。

過敏性肺炎の咳の大半は、カビが原因
過敏性肺炎の原因となるアレルゲンの種類などによって名前がつけられています
空調肺:加湿器、エアコン内のカビ
化学工場労働者肺:ポリウレタンフォーム、鋳物、断熱材、合成ゴム、梱包材などの製造過程で使われる化学物質
過敏性肺炎の症状
過敏性肺炎では、悪寒、発熱、頭痛、全身倦怠感、体重減少、チアノーゼ、痰、胸痛、咳、呼吸困難などの症状
 過敏性肺炎は、30~50歳代の人に多くみられる傾向があります。
 夏型過敏性肺炎の進行例では、乾いた咳→息切れ→里帰りすると咳が止まる→自宅に戻ると咳が出る→毎年、夏になると咳が出る→激しい咳→高熱→マジックテープをはがすような呼吸音がする→息もできない程の激しい咳、という場合もあります。

夏型過敏性肺炎の実際例
夏型過敏性肺炎となるカビを吸い込んだ実例
 倉庫に長い間しまっておいた大量の提灯を祭りの準備作業で、掃除した時に大量にカビを吸い込み、咳と発熱に苦しんだ。
 カビくさく感じた古い宿に泊まったら、何人かが咳と発熱に苦しんだ。
 風通しが悪くカビの多い職場で、クーラーを使いだしたら、ほぼ全員が風邪のような症状で苦しんでいる。
 他にも、いろいろあります。

過敏性肺炎の診断
 白血球やCRPなどの血液検査数値。胸部レントゲンでは両肺に1~5mmの細かい粒状陰影。肺機能検査で拘束性障害の所見。

過敏性肺炎の治療
過敏性肺炎は原因となる対象から離れ、過労を避けることが一番の治療
 過敏性肺炎でも抗生剤の安易な服用、長期の服用は体を疲れさせるだけで逆効果の場合が多いです。ただし、症状の似ているマイコプラズマ肺炎の時には、マイコプラズマにも効く抗生剤を服用すれば1、2回の服用で効果を実感できるので過敏性肺炎との違いが分かります。基本的に抗生剤は、3日以内で細菌を大幅に減らす決着をつける薬剤で、通常の風邪の症状を起こすウイルスや耐性を持った菌には無効です。
 過敏性肺炎の急性期は特に過敏になっているため、寝る時にも立体マスクをして過敏性肺炎の症状を和らげ、過労を避けて免疫力を回復させると、早く治ります。
 過敏性肺炎の急性期は、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド剤)の吸引で炎症を抑えた方が咳の発作が和らぎ、楽になる場合も多いです。
 カビの繁殖しやすい条件を作らないことが大切です。原因となるカビを取り除くために、エアコン・加湿器・洗濯槽、浴室・台所など、まめに水周りの掃除を。空調機や加湿器の水も、まめに交換します。小鳥も飼わないようにするなど、環境を改善していきます。
 抗原がわかったら、環境をかえて抗原から離れることが大切です。場合によっては、職業を変える、あるいは住居の建て替えや、古い箇所の修復、転居等も考えるべきでしょう。また空調装置、加湿器、屋内外を徹底的に掃除してください。
 掃除の時に埃やカビを吸い込んでしまわないよう、マスク、プラスティック手袋などで防護してください。また、カビとり剤などで、カビをとろうとして、花粉症などのアレルギー体質になってしまった人もいますので、薬剤の使用は最小限に、換気・防護などに充分に注意して、掃除してください。掃除機は排気のきれいな掃除機を使ってください。
 アレルギー性なので、カビを除去しなければ病気は完治しません。家屋を改修したり、転居することをお勧めします。そのまま住み続けたり、改修が不十分だったりすると、肺の機能が損なわれて死亡することもあります。

過敏性肺炎の針治療
 たとえば、魚際というツボに針治療します。

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えっ!脳にも?体内で増殖するカビ
web R25 5月15日(火)7時15分配信
ヒトの脳に生えるカビを持っているかもしれない、と聞くとかわいさ激減のハト。触れたから必ずそのカビに感染するわけではないようですが「とにかく糞に触れる機会は減らしておくに越したことはありません」とは渡辺先生

人体で増殖するカビの存在として、皮膚など体の表面にとりつく水虫(白癬菌)がよく知られています。しかし驚いたことに、体の表面にとりつくだけにとどまらず、なんと体のなかに入り込んで悪さをするカビもいるようです。

「肺にカビが生える、という症例がけっこうあります。なかでも『アスペルギルス』という種類は、日本を含めて世界中で感染例が多いカビで、胞子が肺で成長・増殖すると発熱、せき、血痰などの症状が出ます。また、吸い込むだけでなく、このカビの仲間が作りだす毒『アフラトキシン』を食品から摂取するのも非常に危険なんですよ。毒性はフグ毒より強く、短期的には急性肝炎の原因に、長期的には肝臓ガンの原因になります。インドでは一度に肝炎で100人以上の死者を出したこともありますね。輸入ナッツ類から検出されることが多いので、検疫では非常に厳しいチェックを受けているようです」

そう教えてくれたのは、千葉大学真菌医学研究センターの渡辺哲博士。しかし、恐ろしいカビもいるもんですね。

「ほかにも『カンジダ』などが臓器に感染することが知られています。ただ、これら体内に巣くうカビはガンの化学療法を受けている人や白血病の人、つまり免疫力が非常に低い状態の人にしか感染しないんですよ」

健康体でいるうちは内臓がカビにやられるなんてことはないんですね。

「ただし、例外もありますよ。日本で健康な人も感染しうる唯一のカビに『クリプトコッカス・ネオフォルマンス』というものがいます。ハトの糞に存在することの多いカビで、まず胞子を吸い込んだ人の肺にとりつき肺炎を起こし、さらに3~5割の確率で脳に入り込み、マヒ、震え、痛みなど髄膜炎や脳炎の症状を起こす恐れもあります」

え、脳みそがカビに侵される…。カビもハトも怖すぎます!

「ただ、糞にこのカビの胞子が入っているのはわかっているものの、吸い込んだからといって、必ずしも感染、発症するわけではないんです。感染例もそれほど多いわけでもありませんし、ハトに接する機会が多いほど感染の危険が増すというデータもありません。例えばレース用などハトを飼育している方は全国にたくさんいますが、その人たちの感染率が特に高いわけでもない。実はこの例に限らず、カビによる感染症に関してはまだまだわからないことだらけなんですよ」

専門家の先生にわからないことだらけ、なんて聞くとまた怖さも倍増ですが、研究は鋭意進められている模様。ハトを目の敵にするようなマネは性急なのでしょうけれど、注意するに越したことはないようです。

(宇都宮 雅之)
(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120515-00000002-rnijugo-ent