メイル・マガジン「頂門の一針」 1053号 知名度の高い堺屋氏が、橋下氏の応援に回った。
□■■□ 燃える米国大統領選挙:平井修一□■■□
<ヒラリー氏が接戦制す 米大統領予備選、共和党はマケイン氏
【マンチェスター(米ニューハンプシャー州)=山本秀也】米次期大統
領選の候補指名を争うニューハンプシャー州予備選は8日、投票を終え
て即日開票され、民主党のクリントン上院議員(60)が、支持率を急伸
させるオバマ上院議員(46)との激しい接戦を制して初の勝利を手にし
た。
共和党では、マケイン上院議員(71)がロムニー前マサチューセッツ州
知事(60)を抑えて勝利した。
クリントン氏は、8日午後11時(日本時間9日午後1時)すぎ、マンチ
ェスター市内の選対集会に夫のクリントン前大統領をともなって登場。
「この国の政府を一握りのものから、人民の人民による人民のためのも
のとしよう」と、リンカーンの名言を引用して勝利宣言した。
今回の予備選は、3日のアイオワ州党員集会で1勝して波に乗るオバマ
氏に対し、民主党の「本命」とみられたクリントン氏がライバルの連勝
を阻止できるのかに最大の関心が集まった。
事前の世論調査では、「変革」を訴えるオバマ氏の支持率が約10ポイン
トの大差でクリントン氏を引き離し、クリントン氏の苦戦が予測されて
いた。
投票形式による初の予備選は、8日午後8時(同9日午前10時)の終了
から開票が進み、開票率60%を過ぎてもクリントン、オバマ両氏の得票
率が3ポイント差という異例の大接戦となった。
しかし、民主党で3位となったエドワーズ元上院議員(54)が敗北宣
言したのに続き、オバマ氏が支持者を前に「クリントン氏に祝意を表す
る」と敗北を認めた。同州予備選の結果、政権交代を狙う民主党では、
オバマ、クリントンの各氏が1勝ずつで並ぶ結果となった。
混戦の続く共和党では、アイオワ州で1勝のハッカビー前アーカンソー
州知事(52)が低迷するなか、ワイオミング州で1勝したロムニー氏
とマケイン氏が激しい争いを演じたが、ニューハンプシャー州で重点的
に選挙活動を進めたマケイン氏が事前の予想通り勝利した。
ニューハンプシャー州では、有権者登録で民主、共和いずれの党にも属
さない無党派層が4割を超えており、勝利の鍵は無党派層の支持獲得と
みられていた。同時に、投票率の低さで眠ってしまう票が多く、こうし
た無関心派の動員も勝敗の要因となっていた。>産経ニュース
2008.1.9 13:30
米国大統領選挙が熱い。民主党指名候補になるのはオバマかヒラリーか。
9日現在、一勝一敗のがっぷり四つだ。
ヒラリーの亭主のビル・クリントンは1993年から2001年まで大統領を務
めたが、スキャンダルにまみれていた。
ウィキなどによるとアーカンソー州知事時代に強姦疑惑があったが、92
年の大統領選出馬中にはクラブ歌手ジェニファー・フラワーズとの、さ
らに98年にはモニカ・ルインスキーとの不倫問題が発覚。下半身の節操
のなさはケネディ並だ。
金銭スキャンダルも相次いだ。アーカンソー州知事時代、長年の支援者
が経営する貯蓄貸付組合に便宜を図り、見返りに政治資金の応援を受け、
さらに大統領夫妻がこの支援者と共同経営した不動産開発会社「ホワイ
トウォーター」に、同組合から不正融資した疑いは氷山の一角である。
<日本にとって残念なことに、21世紀の初頭になっても、米民主党と中
国の権力者は癒着関係にある。この癒着関係は、クリントン政権時代に
暴露された民主党政治家の中国スパイ組織からの収賄事件で、その一部
が明るみに出た。
・・・1992~96年、クリントン夫妻・ゴア副大統領・民主党党本部・連
邦議会の民主党議員は、(アジアの)華僑、在米の中国政府エージェン
ト、そして北京の中国共産党と人民解放軍のスパイ機関から、繰り返し
賄賂(違法な政治資金)を受け取っていた。・・・
1997年にこの事実が明るみに出たとき、クリントン夫妻は「われわれは
金を受け取ったかもしれないが、何も覚えていない。誰が金を出したの
か、われわれは何も知らない」と言い張って、逃げてしまった>(伊藤
貫「中国の核が世界を制す」)
クリントン政権の司法省が捜査続行を主張した検察官を馘首にして捜査
を打ち切ったのだ。
ビルもヒラリーもメダルの裏と表であり、これまでもこれからも容共左
派である。ヒラリーが大統領になればビルと同様に中共に与し、日本や
台湾はひどい目に遭うだろう。
1996年春、台湾の選挙に干渉するため中共は台湾沖にミサイルをぶち込
んだ。クリントンは空母を出動させて中共を牽制したが、大統領選挙中
に下院多数派の共和党から「中共の台湾恫喝に屈した」とクリントン批
難決議が出されそうだったから空母出動になったそうだ。
「クリントン夫妻は、選挙に勝つためなら何でも言う、何でもやるタイ
プである。・・・人民解放軍が台湾沖にミサイルを撃ち込んだのが96年
春ではなくて97年の春であったら、クリントン夫妻は何もしなかったで
あろう」と伊藤貫氏は書いている。
米民主党である限り親中、嫌日、侮台がDNAなのかもしれないが、オ
バ マの外交姿勢はどうなのだろう。一方で共和党の候補者のそれも知り
たいものである。それにしても日本の政治は退屈だ。党首討論の最初の
テー マが年金である。官僚には優秀な人がいっぱいいるのだから、国家
百年の計を政治家に提案してほしいものだ。
━━━━━━━━━━━━
混迷の米大統領選挙と日本
━━━━━━━━━━━━
畠山 圭一
年末の12月20-26日、米国ワシントンDCに滞在した。純然たる資料収
集が目的だったが、大統領選挙についても少しばかり取材してみた。
共和党も民主党も混乱している様子で、私の見るところ、民主党楽勝と
は決して言えないと感じられた。共和党政権の可能性もかなり残ってお
り、マスコミが伝える情報(アメリカも日本も含め)と、実態はかなり
開きがあるように思った。
ここ20年余りアメリカ大統領選挙を観察してきたものとして、今年の大
統領選挙には大きな違和感を抱いている。
従来ならば国家路線をめぐる論争の中で政権の姿や候補者が見えてきて
いたのだが、今回は候補者の個性(女性、黒人、モルモン教徒、南部パ
フテスト・・・)が前面に出てしまっているためにまともな政治論争が
できずにいる。
そのため、今後、政治論争が展開され始めると様相はがらりと変化する
のではとの予感さえしている。場合によっては、現在の有力候補のどの
候補も不適格となり、予想しがたい候補が本命で出てくること(20年ほ
ど前の仕組みでは、ごく普通にあったこと)もあり得ない話ではないの
ではないか。
まして、ヒラリーが民主党候補になると本番の選挙戦は一層混迷するか
もしれない。ヒラリー候補への不支持率が支持率とほぼ同数の40%後半
を示しているからだ。
もしヒラリー候補やオバマ候補が出てこなければ、民主党候補としてバ
イデン上院議員は最終段階まで有力候補として残ったと思うし、大統領
候補としても十分な有資格者だったと思う。
こうした有力候補が早々と予備選から撤退したことが後々、民主党の痛
手にもなりかねない。残った候補の中ではエドワーズ候補の方が経験か
らいっても政治手腕、見識から見てもまだまともかもしれない。
一方の共和党もジュリアーニー候補で確定とは決して言えない気がする。
政治的見識・政治能力としてはロムニー候補の方が最有力と見るが、有
力候補同士の票のつぶし合いが続くようだと、広く共和党票をまとめら
れる候補としては意外にもトンプソン候補あたりが適任かもしれない。
ハッカビー候補は南部バプテストの保守票は取れても共和党本流の穏健
派の支持は得難い。だからといって南部保守層の票は共和党政権の維持
にとっては不可欠な基礎票。中間選挙で一度は共和党支持を離れ、今回、
ハッカビー候補が大量に引き
戻した保守票をどのように共和党につなぎとめるかが選挙対策上の課題
となろう。
戻ってきた南部保守票をハッカビー候補に変わってつなぎとめられ、し
かも国家指導者としての政治見識、政策路線を提示できる候補は消去法
ではトンプソン候補となり、しかもトンプソン候補の政策は基本的にレ
ーガン―ブッシュ・Sr.―ブッシュ・Jr.政権の路線を継承している。
また、個人的な印象ながら、現ブッシュ政権の内部者にはトンプソン支
持者が少なくないように見える。
ただし、ブッシュ政権の後継者色が強く出れば、早い段階で、つぶされ
かねない候補であり、彼が候補者に浮かび上がるには、共和党の混迷が
大前提であり、今夏の全国党大会まで共和党が候補を絞り込めなければ、
極めて有力な候補になりうると思う。
ここまでは、かなり大胆なあてずっぽうだが、それほど両党の予備選挙
は混迷している。
もっとも、私としては、誰が大統領になるかということよりも、政治論
争がまともに展開されないことの方が気になっている。
アメリカにおいて、過去の4年ないし8年の国家政治を総括し、新たな4年
間の国家路線を決定していく国民的大事業である大統領選挙が、今回は、
政策論争ではなく候補者のキャラクターで判断されるのを見るにつけ、
いささか言い過ぎかもしれないが、私はアメリカ政治の貧困化現象とさ
え感じている。
日本にとっては、そちらの方が深刻であり、国際政治を専門とするもの
としては国際情勢及び日本の安全保障にも大変な危機感を抱かざるを得
ない。
アメリカが必ずしも頼りにならない中で、日本はどうするのか。その問
いかけが日本にもまた欠落している。自らが国家戦略を考えるべき国際
政治学者の一員であることの意味を痛切に問われているようにも思う。
アメリカも日本も、世界もアジアも、時代は、大きく転換しようとして
いるように感じる。
2008年が大きな意味を持つ年になりそうだとの気配を感じつつ、いささ
か気負いを感じながら祖国の土を踏んだ年の暮であった。(学習院女子大
学教授)2008・01・09
━━━━━━━━━━━━━
知事選を左右する超大物!?
━━━━━━━━━━━━━
毛馬 一三
大阪知事選は、今日10日告示され、33年ぶりの与野党3党による激戦が火
蓋を切った。ところがこの選挙での有権者の関心は、選挙戦の行方であ
ることは当然ながらも、告示直前表舞台に突如姿を現した“ある大物”
に視線が注がれている。
“大物”とは、小説家堺屋太一氏のことである。知らない人は少ない筈
だ。その堺屋太一氏が、橋下徹候補(38)<自民推薦・公明支持>を支
援する「橋下氏を知事にする勝手連」を結成して運動を始めたのだから、
大阪はビックリ。
知事選には、熊谷貞俊候補(63)<民主推薦>と梅田章二候補(57)<
共産推薦>、それに橋下候補が事実上争うが、知名度の面からみると橋
下候補が、2候補より群を抜いているのは、誰しもが認めるところだ。
そこに輪をかけて知名度の高い堺屋氏が、橋下氏の応援に回ったことで
他候補陣営にとり俄に大きな脅威のなったことは事実。ならばマニフェ
ストの内容で勝負し、戦いに打ち勝つしかないと、2陣営は新たな戦術に
切り替える動き開始し出した。
ところで、堺屋氏と橋下氏が懇意になったのは、<某弁護士を通しての
昨年11月初めのことで、そこから知事選に至る人間関係が出来た」とい
う。当の堺屋氏は、「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅
速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価して、橋
下氏を応援する決意を固めた>という(産経新聞)。
ご承知のように堺屋氏は、大阪市生まれ。通産省時代に万博開催を提案、
1970年の大阪万博で成功を収める。退官後も、イベント・プロデューサー
として数々の博覧会を手掛けている(出典 ウィキペディア)。
いわば都市の経済基盤の確立と景気高揚を図る第一人者である。その堺
屋氏が、自ら橋下氏を同道して自民党本部の首脳と引き合わせるなどの
動きを見せるが、それはあくまで影で動く“フィクサー役”に終始して
いた。
しかしそうした水面下の生易しい動きだけでは済まされない事態に直面
することになる。つまり関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会
議所など関西経済4団体が、堺屋氏の思惑とは外れた動きを見せ始めたか
らである。
堺屋太一氏の決断は早かった。舞台裏から演出するフィクサー役をかな
ぐり捨て、前記の「勝手連」を経済界中心に14名からなるメンバーで構
成、表舞台に飛び出した訳である。そして相手陣営に傾いている経済団
体の切り崩し工作を着手し出したのだった。
会長自ら「橋下批判」を行い敢えて中立の立場を取ると宣言した関西経
済連合界に対しては、推薦政党の自民党に委ね、堺屋氏自身は、大阪商
工会議所の政治団体「日本商工連盟大阪地区=小池俊二代表世話人」を
まず説得、9日午後4時の会合で自らの陣営に引き入れる工作に成功した
事実を本欄は掴んだ。
そして堺屋氏は、選挙事務所に各界代表で構成する「堺屋塾」のメンバ
ーを派遣、自らは10日の告示直後の第一声を放つ市内高島屋デパート前
での集会に出て、有権者に支援を呼びかけるなど、街頭活動の先頭に立
った。
そんな中、熊谷陣営、梅田陣営のいずれも、告示日から連日東京本部か
ら党首脳らが相次いで来阪、地元議員や支援者も駆けつけて激しい街頭
選挙活動を繰り広げる。
しかし橋下陣営では国会議員、府市会議員はいずれも事務所業務に専念
し、街頭選挙活動のすべては、堺屋氏の「勝手連」と候補者の支援呼び
かけ活動に委ねるという、異例の戦術で臨んでいる。
どうやら堺屋氏の動きが、今回の知事選挙の帰趨を決める大きな要因に
もなってきたようだ。投開票は27日に行われ新しい知事が誕生する。
(了)08.01.10
<ヒラリー氏が接戦制す 米大統領予備選、共和党はマケイン氏
【マンチェスター(米ニューハンプシャー州)=山本秀也】米次期大統
領選の候補指名を争うニューハンプシャー州予備選は8日、投票を終え
て即日開票され、民主党のクリントン上院議員(60)が、支持率を急伸
させるオバマ上院議員(46)との激しい接戦を制して初の勝利を手にし
た。
共和党では、マケイン上院議員(71)がロムニー前マサチューセッツ州
知事(60)を抑えて勝利した。
クリントン氏は、8日午後11時(日本時間9日午後1時)すぎ、マンチ
ェスター市内の選対集会に夫のクリントン前大統領をともなって登場。
「この国の政府を一握りのものから、人民の人民による人民のためのも
のとしよう」と、リンカーンの名言を引用して勝利宣言した。
今回の予備選は、3日のアイオワ州党員集会で1勝して波に乗るオバマ
氏に対し、民主党の「本命」とみられたクリントン氏がライバルの連勝
を阻止できるのかに最大の関心が集まった。
事前の世論調査では、「変革」を訴えるオバマ氏の支持率が約10ポイン
トの大差でクリントン氏を引き離し、クリントン氏の苦戦が予測されて
いた。
投票形式による初の予備選は、8日午後8時(同9日午前10時)の終了
から開票が進み、開票率60%を過ぎてもクリントン、オバマ両氏の得票
率が3ポイント差という異例の大接戦となった。
しかし、民主党で3位となったエドワーズ元上院議員(54)が敗北宣
言したのに続き、オバマ氏が支持者を前に「クリントン氏に祝意を表す
る」と敗北を認めた。同州予備選の結果、政権交代を狙う民主党では、
オバマ、クリントンの各氏が1勝ずつで並ぶ結果となった。
混戦の続く共和党では、アイオワ州で1勝のハッカビー前アーカンソー
州知事(52)が低迷するなか、ワイオミング州で1勝したロムニー氏
とマケイン氏が激しい争いを演じたが、ニューハンプシャー州で重点的
に選挙活動を進めたマケイン氏が事前の予想通り勝利した。
ニューハンプシャー州では、有権者登録で民主、共和いずれの党にも属
さない無党派層が4割を超えており、勝利の鍵は無党派層の支持獲得と
みられていた。同時に、投票率の低さで眠ってしまう票が多く、こうし
た無関心派の動員も勝敗の要因となっていた。>産経ニュース
2008.1.9 13:30
米国大統領選挙が熱い。民主党指名候補になるのはオバマかヒラリーか。
9日現在、一勝一敗のがっぷり四つだ。
ヒラリーの亭主のビル・クリントンは1993年から2001年まで大統領を務
めたが、スキャンダルにまみれていた。
ウィキなどによるとアーカンソー州知事時代に強姦疑惑があったが、92
年の大統領選出馬中にはクラブ歌手ジェニファー・フラワーズとの、さ
らに98年にはモニカ・ルインスキーとの不倫問題が発覚。下半身の節操
のなさはケネディ並だ。
金銭スキャンダルも相次いだ。アーカンソー州知事時代、長年の支援者
が経営する貯蓄貸付組合に便宜を図り、見返りに政治資金の応援を受け、
さらに大統領夫妻がこの支援者と共同経営した不動産開発会社「ホワイ
トウォーター」に、同組合から不正融資した疑いは氷山の一角である。
<日本にとって残念なことに、21世紀の初頭になっても、米民主党と中
国の権力者は癒着関係にある。この癒着関係は、クリントン政権時代に
暴露された民主党政治家の中国スパイ組織からの収賄事件で、その一部
が明るみに出た。
・・・1992~96年、クリントン夫妻・ゴア副大統領・民主党党本部・連
邦議会の民主党議員は、(アジアの)華僑、在米の中国政府エージェン
ト、そして北京の中国共産党と人民解放軍のスパイ機関から、繰り返し
賄賂(違法な政治資金)を受け取っていた。・・・
1997年にこの事実が明るみに出たとき、クリントン夫妻は「われわれは
金を受け取ったかもしれないが、何も覚えていない。誰が金を出したの
か、われわれは何も知らない」と言い張って、逃げてしまった>(伊藤
貫「中国の核が世界を制す」)
クリントン政権の司法省が捜査続行を主張した検察官を馘首にして捜査
を打ち切ったのだ。
ビルもヒラリーもメダルの裏と表であり、これまでもこれからも容共左
派である。ヒラリーが大統領になればビルと同様に中共に与し、日本や
台湾はひどい目に遭うだろう。
1996年春、台湾の選挙に干渉するため中共は台湾沖にミサイルをぶち込
んだ。クリントンは空母を出動させて中共を牽制したが、大統領選挙中
に下院多数派の共和党から「中共の台湾恫喝に屈した」とクリントン批
難決議が出されそうだったから空母出動になったそうだ。
「クリントン夫妻は、選挙に勝つためなら何でも言う、何でもやるタイ
プである。・・・人民解放軍が台湾沖にミサイルを撃ち込んだのが96年
春ではなくて97年の春であったら、クリントン夫妻は何もしなかったで
あろう」と伊藤貫氏は書いている。
米民主党である限り親中、嫌日、侮台がDNAなのかもしれないが、オ
バ マの外交姿勢はどうなのだろう。一方で共和党の候補者のそれも知り
たいものである。それにしても日本の政治は退屈だ。党首討論の最初の
テー マが年金である。官僚には優秀な人がいっぱいいるのだから、国家
百年の計を政治家に提案してほしいものだ。
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混迷の米大統領選挙と日本
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畠山 圭一
年末の12月20-26日、米国ワシントンDCに滞在した。純然たる資料収
集が目的だったが、大統領選挙についても少しばかり取材してみた。
共和党も民主党も混乱している様子で、私の見るところ、民主党楽勝と
は決して言えないと感じられた。共和党政権の可能性もかなり残ってお
り、マスコミが伝える情報(アメリカも日本も含め)と、実態はかなり
開きがあるように思った。
ここ20年余りアメリカ大統領選挙を観察してきたものとして、今年の大
統領選挙には大きな違和感を抱いている。
従来ならば国家路線をめぐる論争の中で政権の姿や候補者が見えてきて
いたのだが、今回は候補者の個性(女性、黒人、モルモン教徒、南部パ
フテスト・・・)が前面に出てしまっているためにまともな政治論争が
できずにいる。
そのため、今後、政治論争が展開され始めると様相はがらりと変化する
のではとの予感さえしている。場合によっては、現在の有力候補のどの
候補も不適格となり、予想しがたい候補が本命で出てくること(20年ほ
ど前の仕組みでは、ごく普通にあったこと)もあり得ない話ではないの
ではないか。
まして、ヒラリーが民主党候補になると本番の選挙戦は一層混迷するか
もしれない。ヒラリー候補への不支持率が支持率とほぼ同数の40%後半
を示しているからだ。
もしヒラリー候補やオバマ候補が出てこなければ、民主党候補としてバ
イデン上院議員は最終段階まで有力候補として残ったと思うし、大統領
候補としても十分な有資格者だったと思う。
こうした有力候補が早々と予備選から撤退したことが後々、民主党の痛
手にもなりかねない。残った候補の中ではエドワーズ候補の方が経験か
らいっても政治手腕、見識から見てもまだまともかもしれない。
一方の共和党もジュリアーニー候補で確定とは決して言えない気がする。
政治的見識・政治能力としてはロムニー候補の方が最有力と見るが、有
力候補同士の票のつぶし合いが続くようだと、広く共和党票をまとめら
れる候補としては意外にもトンプソン候補あたりが適任かもしれない。
ハッカビー候補は南部バプテストの保守票は取れても共和党本流の穏健
派の支持は得難い。だからといって南部保守層の票は共和党政権の維持
にとっては不可欠な基礎票。中間選挙で一度は共和党支持を離れ、今回、
ハッカビー候補が大量に引き
戻した保守票をどのように共和党につなぎとめるかが選挙対策上の課題
となろう。
戻ってきた南部保守票をハッカビー候補に変わってつなぎとめられ、し
かも国家指導者としての政治見識、政策路線を提示できる候補は消去法
ではトンプソン候補となり、しかもトンプソン候補の政策は基本的にレ
ーガン―ブッシュ・Sr.―ブッシュ・Jr.政権の路線を継承している。
また、個人的な印象ながら、現ブッシュ政権の内部者にはトンプソン支
持者が少なくないように見える。
ただし、ブッシュ政権の後継者色が強く出れば、早い段階で、つぶされ
かねない候補であり、彼が候補者に浮かび上がるには、共和党の混迷が
大前提であり、今夏の全国党大会まで共和党が候補を絞り込めなければ、
極めて有力な候補になりうると思う。
ここまでは、かなり大胆なあてずっぽうだが、それほど両党の予備選挙
は混迷している。
もっとも、私としては、誰が大統領になるかということよりも、政治論
争がまともに展開されないことの方が気になっている。
アメリカにおいて、過去の4年ないし8年の国家政治を総括し、新たな4年
間の国家路線を決定していく国民的大事業である大統領選挙が、今回は、
政策論争ではなく候補者のキャラクターで判断されるのを見るにつけ、
いささか言い過ぎかもしれないが、私はアメリカ政治の貧困化現象とさ
え感じている。
日本にとっては、そちらの方が深刻であり、国際政治を専門とするもの
としては国際情勢及び日本の安全保障にも大変な危機感を抱かざるを得
ない。
アメリカが必ずしも頼りにならない中で、日本はどうするのか。その問
いかけが日本にもまた欠落している。自らが国家戦略を考えるべき国際
政治学者の一員であることの意味を痛切に問われているようにも思う。
アメリカも日本も、世界もアジアも、時代は、大きく転換しようとして
いるように感じる。
2008年が大きな意味を持つ年になりそうだとの気配を感じつつ、いささ
か気負いを感じながら祖国の土を踏んだ年の暮であった。(学習院女子大
学教授)2008・01・09
━━━━━━━━━━━━━
知事選を左右する超大物!?
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毛馬 一三
大阪知事選は、今日10日告示され、33年ぶりの与野党3党による激戦が火
蓋を切った。ところがこの選挙での有権者の関心は、選挙戦の行方であ
ることは当然ながらも、告示直前表舞台に突如姿を現した“ある大物”
に視線が注がれている。
“大物”とは、小説家堺屋太一氏のことである。知らない人は少ない筈
だ。その堺屋太一氏が、橋下徹候補(38)<自民推薦・公明支持>を支
援する「橋下氏を知事にする勝手連」を結成して運動を始めたのだから、
大阪はビックリ。
知事選には、熊谷貞俊候補(63)<民主推薦>と梅田章二候補(57)<
共産推薦>、それに橋下候補が事実上争うが、知名度の面からみると橋
下候補が、2候補より群を抜いているのは、誰しもが認めるところだ。
そこに輪をかけて知名度の高い堺屋氏が、橋下氏の応援に回ったことで
他候補陣営にとり俄に大きな脅威のなったことは事実。ならばマニフェ
ストの内容で勝負し、戦いに打ち勝つしかないと、2陣営は新たな戦術に
切り替える動き開始し出した。
ところで、堺屋氏と橋下氏が懇意になったのは、<某弁護士を通しての
昨年11月初めのことで、そこから知事選に至る人間関係が出来た」とい
う。当の堺屋氏は、「橋下氏の弁護士活動には、改革に欠かせない『迅
速さ』がある。大阪の情報発信源になれる人でもある」と評価して、橋
下氏を応援する決意を固めた>という(産経新聞)。
ご承知のように堺屋氏は、大阪市生まれ。通産省時代に万博開催を提案、
1970年の大阪万博で成功を収める。退官後も、イベント・プロデューサー
として数々の博覧会を手掛けている(出典 ウィキペディア)。
いわば都市の経済基盤の確立と景気高揚を図る第一人者である。その堺
屋氏が、自ら橋下氏を同道して自民党本部の首脳と引き合わせるなどの
動きを見せるが、それはあくまで影で動く“フィクサー役”に終始して
いた。
しかしそうした水面下の生易しい動きだけでは済まされない事態に直面
することになる。つまり関西経済連合会、関西経済同友会、大阪商工会
議所など関西経済4団体が、堺屋氏の思惑とは外れた動きを見せ始めたか
らである。
堺屋太一氏の決断は早かった。舞台裏から演出するフィクサー役をかな
ぐり捨て、前記の「勝手連」を経済界中心に14名からなるメンバーで構
成、表舞台に飛び出した訳である。そして相手陣営に傾いている経済団
体の切り崩し工作を着手し出したのだった。
会長自ら「橋下批判」を行い敢えて中立の立場を取ると宣言した関西経
済連合界に対しては、推薦政党の自民党に委ね、堺屋氏自身は、大阪商
工会議所の政治団体「日本商工連盟大阪地区=小池俊二代表世話人」を
まず説得、9日午後4時の会合で自らの陣営に引き入れる工作に成功した
事実を本欄は掴んだ。
そして堺屋氏は、選挙事務所に各界代表で構成する「堺屋塾」のメンバ
ーを派遣、自らは10日の告示直後の第一声を放つ市内高島屋デパート前
での集会に出て、有権者に支援を呼びかけるなど、街頭活動の先頭に立
った。
そんな中、熊谷陣営、梅田陣営のいずれも、告示日から連日東京本部か
ら党首脳らが相次いで来阪、地元議員や支援者も駆けつけて激しい街頭
選挙活動を繰り広げる。
しかし橋下陣営では国会議員、府市会議員はいずれも事務所業務に専念
し、街頭選挙活動のすべては、堺屋氏の「勝手連」と候補者の支援呼び
かけ活動に委ねるという、異例の戦術で臨んでいる。
どうやら堺屋氏の動きが、今回の知事選挙の帰趨を決める大きな要因に
もなってきたようだ。投開票は27日に行われ新しい知事が誕生する。
(了)08.01.10