『竜のかわいい七つの子』(九井諒子作)COMIC REVIEW | 『にゃんころがり新聞』

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「竜の小塔」、「人魚禁漁区」、「わたしのかみさま」、「狼は嘘をつかない」、「金なし白祿」、「子がかわいいと竜は鳴く」、「犬谷家の人々」がおさめられたショートストーリー集です。

STORY
「金なし白祿」は、江戸時代の絵師・白祿の物語です。
白祿は絵が上手なので、描いた絵がほんものになると言われているくらいです。ですから、白祿は、自分が描いた絵の、動物や人間などは、片目だけしか描かないようにしています。(両目を描くと、ほんものになってしまうからです。)
けれど、そんな名人・白祿も、今は落ちぶれ、老いさらばえて、家族とも離ればなれになっています。
金もないため、白祿は、自分の描いた虎や竜の絵に、片目を描き入れ、ほんものにすることで、それを捕まえ、金をつくろうとします。

白祿は、自分の絵を所有している客の元へ行くために、まずは手はじめに、誰かが描いた贋作の白祿絵に、片目を描きいれます。
たちまち、馬と侍が紙から人間に生まれ変わります。

白祿と紙のお侍は、竜や虎をいけどりにしようとしますが……。

「犬谷家の人々」は、江戸川乱歩の『犬神家の人々』のパロディーです。
『犬神家の人々』とだいぶ違っているのは、「犬谷家の人々」は超能力をつかう点にあります。家族そろって、テレキネシスや、透明人間になる能力、空を飛ぶことができる能力などをそれぞれ身につけていますが、妙齢になった娘ありさに、このたび授かったちからは、
「服をパジャマに変えることのできる超能力」。


ありさは、あまり実用的でない、「服をパジャマに変えることのできる超能力」という、自分の超能力に引け目を感じています。

そんなところへ、一家のパパが、一夜の宿を貸すために、銅田一耕助という青年を家につれてきます。
銅田一耕助は、有名な推理の名人です。
家族の面々は、銅田一耕助がいるにもかかわらず、無意識に、毎日つかっていた超能力を披露してしまいます。それを目の当たりにした銅田一耕助は、殺人事件が発生したと勘違いし、早く帰ってほしいと望む家族の前で、得意の推理を開始します。
超能力が世間に暴露されることを避けたい家族は、どのように対応すべきか悩みますが……。


にゃん子さんの感想
以前とりあげた、『竜の学校は山の上』より、『竜のかわいい七つの子』の方がおもしろいと思います。(値段もこちらの方がお安いですし)。

特に私が好きだったのは、「狼は嘘をつかない」、「金なし白祿」、「犬谷家の人々」です。

「狼は嘘をつかない」は、「狼男」になる持病をもった男の子の話ですが、「狼男」が現代にいたら、こんな感じかなと思いました。(月を見たら狼男になる、とかじゃなくて、薬で症状を抑えるところとか。)狼男になったときに、お座りをしたりとか、犬っぽいところもおもしろかったです。

にゃんくの感想
ぼくも、「金なし白祿」と「犬谷家の人々」は特におもしろいと思いました。
作者の想像力に脱帽です。
自分も小説で、こういう作品を描いてみたいと思いました。

にゃん子の評価

 



感想:にゃん子、文:編集長

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