相当頭の悪い愛媛新聞の松本尚也記者 | ふるさとを守りたい、子供達の未来を守りたい

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日々頭に浮かんだことを語りたいと思います。

1月14日付愛媛新聞の地方面の「取材最前線」に「新幹線開業の裏に」という松本尚也記者の署名記事があった。


「「四国新幹線」を求める声が政官民で高まっているが、新幹線開通後の並行在来線の実情を聞くと、手放しで歓迎していいものかとも思う」、「新幹線が開業すれば、地域住民の重要な交通手段である並行在来線がJRから切り離され、運行本数削減や運賃値上げを余儀なくされる可能性がある。経営分離後の在来線に携わる自治体関係者からは悩みも聞かれる」、「この先、大幅な人口減少が見込まれる四国にとって、多額の投資や開業後の地元負担に見合うインフラなのだろうか」などという内容だった。


松本尚也記者は、新幹線どの交通インフラに関して全く理解してないようだ。


松本記者は、「人口減少下においては、交通インフラ整備の必要性は低くなる」と、考えているようだが、以下の二つの理由からこの考えは全くの間違いであり、人口減少下においては、逆に交通インフラの必要性は「高まる」のである。


まず、日本は今後、生産年齢人口が減少していくので、供給能力を維持するために労働生産性を向上させる必要があるが、これには、交通インフラの充実による移動時間短縮が不可欠だからである。


また、地方への新幹線整備は、地方の人口流出に歯止めをかけることにもつながる。大阪産業大学の波床正敏教授作成の「平成22年時点の政令指定都市と新幹線ネットワーク」という資料によると、明治9年の人口ベスト一五都市のうち金沢、富山、熊本、鹿児島、和歌山、徳島、函館など新幹線が未開通となっている都市は現在、政令指定都市になっていない(人口が少ない)が、新幹線が開通している東京、大阪、名古屋、広島、仙台は政令指定都市(人口が多い)となっており、新幹線には人口流出を食い止める効果がある。今、地方の人口流出が続く一方で、首都圏に人口が集中している大きな要因は、首都圏は新幹線などの交通インフラが充実している一方で、地方には十分な交通インフラがないという交通インフラの格差である。その結果、地方は人口流出による経済の低迷などに悩まされ、一方、首都圏は首都直下地震、富士山噴火、巨大台風襲来などの災害リスク、慢性的な交通渋滞、通勤ラッシュ、夏場のヒートアイランド現象 など、一極集中にともなう様々な問題をかかえており、問題解決には、地方への新幹線等のインフラ投資を拡大し、首都圏に集中する公的機関や企業の地方への分散移転を実現し、人口の分散化を図ることが必要である。


詳しくは、京都大学大学院の藤井聡教授の著作「超インフラ論 地方が甦る「四大交流圏」構想」、「新幹線とナショナリズム」などをご覧ください。


記事では、並行在来線の問題にも触れられていたが、これに関しては、傾聴に値すると思う。ただ、「新幹線をとるか、在来線をとるか」というような二者択一ではなく、新幹線と在来線を上手く共存させる方策を考えるべきだ。


そもそも、新幹線を建設することが問題なのではなく、新幹線を建設する際の並行在来線に対する国の財政面の支援が不十分なことが問題なのである。


今後、政府は既存の新幹線路線の並行在来線に対する財政支援を拡充するとともに、「四国新幹線」早期整備と同時に、国が大規模な財政支援を行い、四国の各在来線の複線化、全線電化、新型車両導入などによる高速化、各駅と周辺を結ぶLRT、BRTなどの公共交通網整備、駅内のバリアフリー化、駐輪、駐車場の増設、駅を中心としたコンパクトシティーの整備などの投資によって利用者を大幅に増やし、新幹線と並行在来線の共存を図るべきだ。


また、在来線の維持策として、鉄道貨物の利用拡大を図る政策を行うことも一つの方法だと思う。これは、トラックドライバーの人手不足問題の解決策や、省エネ、渋滞の抑制などにもつながります。


これらを行うには多額の財源が必要になるが、それに見合うだけの多大な恩恵が日本全体にもたらされる。しかも、財務省やマスコミが宣伝する「国の借金」、「財政問題」なるものは真っ赤なウソであり、経常収支黒字、100%自国通貨建て国債、低金利の日本に「財政問題」は存在しません。


自治体に財政負担を求めずに、政府が国債を発行し、日銀が国債を買い入れたり、JRに政府が資金を無利子で100年程度の長期の償還期間を設けて融資するなどすれば、地元や国民の負担は増えません。日銀が保有する国債は、民間企業の親会社、子会社間の貸し借りと同様に連結決算で相殺されるため、返済や利払いは不要になります。


記事には、「関西の大学から帰省する際、岡山駅での乗り換えを含め長時間を要した経験から、魅力的に映る。」ともあったが、このような「経験」をしているにもかかわらず、このような記事を書く松本尚也記者は相当頭が悪く、記者としての適性に欠けていると言わざるを得ない。