その後の列車2題 | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

前回の記事でちらっと触れたけど、モンテネグロのバールとセルビアのベオグラードを結ぶバール鉄道は、欧州屈指の景勝路線って言う割にはボク的にはそうでもなくて、なんといっても11時間ってのは長く退屈でね。
まぁ、アドリア海に面する街から内陸のベオグラードに向かう妥当なルートはそうないからさ。しかた無いんだけどさ~


で、その後、2つ列車に乗ったのでご報告だよ。

1 ベオグラードからブダペストまで

別に特に見所があるって鉄道でもないんだ。だから「1等」個室寝台をとってみた。ヨーロッパで1等車ってのに乗るの、始めてなんじゃないかなぁ。意外と安かったから乗るつもりになったんだけどね。

夜10時10分発の列車は2時間くらい前にはベオグラード本駅の1番線に入線していて、それを知っているってことは2時間前にはボクは駅で列車を待っていたってことなんだけど、牽引する機関車を待って暗いホームに寄り添うように5台の車両が停まっていた。
もっと長い列車を想像していたから、ちょっと拍子抜けしたよ。

ハンガリーの車両とセルビアの車両の混成なんだけど、座席の車両も簡易寝台の車両も、エアコン付きの清潔感のある新型の車両だった。ところがボクの乗る寝台車両だけ、ひときわ目立って古かった。ボロかった。小汚かった。そしてその上、車体には落書きがされたままだった。

///   H A I H A I S M   ///-セルビア国鉄1

いや、そりゃ古いよ。だけど中はきっと居心地が良く整えられていて「1等」車に相応しい快適な列車の旅が出来るはずだよ。歴史のあるホテルのようなものだよ。老舗の料亭のようなものだよ。古くても丁寧に磨かれた調度品は、気品があって美しいものさ。

ボクは2時間、そういう夢を見ていたんだな。

こいつがどのくらいポンコツかについては、いろいろ書きたい事はあるんだけど、書き出すときっと止まらない。だから2つだけ書く。

まずカーテンがタダのグレーの布切れ。丈夫そうだけど味がない清掃員の制服に使いそうなやつ。窓の上側の左右に頭を5ミリくらい出してビスがとめてある。一方グレーの布切れには丁度ビスの位置に合うように2カ所穴があけられている。この穴なんだけど、ちゃんとボタンホール状にステッチ仕上げになってるとかじゃないんだ。ただ破いてあるだけ。適当に穴を開けただけ。で、これを利用して窓に布をたらすようになっている。

そしてベッド。個室だけどベッドは上下2段あるのね。シングルで利用する時は上段のベッドを収納する様になっている。ところがこいつがちゃんと収納できない。壁面に収めてラッチで飛び出さないように固定するはずなんだけど、ラッチがバカになっていてベッドは斜めに飛び出している。いつ上段のベッドがすっかり飛び出して来るのかってヒヤヒヤもんさぁ。巨体の車掌に言ってみたけどノープロブレムって言うだけで、相手にしてくれないんだ。


で、その車掌が、列車が走り出すとすぐに部屋をノックして来た。扉を開けるとすぐに巨体を部屋に押し込んできた。部屋に入って来るなり中にあった鉄の棒を握る。そして扉を閉める。

あ、ボク犯されるかも。

一瞬恐怖がよぎったね。今、大声を出した方が良いのだろうか? ってね。

巨体の彼が説明するに、この鉄道はとってもデンジャラスでありまして、ってかお前の方がデンジャラスだと思ったよ。あ、これは誤解だったワケだけど、で、あんたがもってる大切なドキュメントとか取られるといけないので、寝る前には、こうやって、あ、上手くいかんぞ、ここをこうして、えっとガチャリンコ、そうそう、こういう風にカンヌキをしなさいよ。
ではおやすみなさい。

///   H A I H A I S M   ///-セルビア国鉄2

ポンコツ車両だけじゃなくて、泥棒列車だったとは。


2 ハンガリー子供列車

今日はあれやこれややらなきゃならない事が終わっても、まだ時間が残っていてね。だからブダペストの子供鉄道に乗って来た。

子供鉄道ってのは、ブダペストの西側の丘と言うか、山というか、森と言うか、その中を走るハンガリー国有鉄道の路線なんだ。セーチェーニヘジュ駅とヒューヴェシュヴェルジュ駅との間11.2kmを結ぶちゃんとした鉄道なんだよ。で、この路線は、主な業務を小学生高学年から中学生くらいの子供達が運営している。

駅で切符を売っているのも、列車の中で検札に来るのも、駅の出発時に安全の確認をするのも、次の駅名を乗客に伝えるのも、みんな制服の子供達なんだ。

///   H A I H A I S M   ///-子供鉄道の男の子

いやぁ、なんとも可愛い。
そして列車は晴れ渡った空の元、森の中の単線路線を時速20キロくらいで走る。窓がなく屋根だけの車両には、ピクニックの親子連れが多くてね。気持ちの良い風とほのぼのとした雰囲気の、なんとも愉快な45分間だった。

///   H A I H A I S M   ///-子供鉄道の女の子
↑ どうか、ロリコンで制服フェチの鉄ちゃんがこの鉄道に集まったりしませんように!


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