この前、初めての往復キッス の相手がマリ=カルメンだって、ちょっとお伝えしましたが、そのときのいきさつを少々。
いやぁ。若いころの思い出っていいものだなぁ。
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マドリッドで通ってたスペイン語教室の若くてキュートで(実はちょっとお国訛りのある)先生が、
マリ=カルメンだった。
ボクは中途半端なときに入学しちゃったから、教室に通い始めてすぐに冬休みに入ることになっってしまったのです。それで学期最後の授業が終わったときに、「ではまた来年会いましょう」的なあいさつに自然になったというワケです。
クラスには、フランス人やイタリア人の女の子もいて、彼女らはラテン系同士だから挨拶のキッスが板についてたな。その点、根っからシャイな日本の男の子だったボクは、順番が近づくにつれてドキドキしたんだよな。
そりゃ、キッスはやっぱりくちびるでするものでしょ?
くちびる同士ってことじゃなくても、少なくとも自分のくちびるが相手のどこかに触れるものでしょ?
ところが、不思議なんだよな。
往復キッスって、一方のくちびるが相手のほほについてるとき、キスされている方のくちびるは、どこにもつかないじゃん。
これ、いったいどういうメカニズムなの?
って。
メカニズムが解明されないうちにボクの順番になってしまいました。
マリ=カルメンのほほとボクのほほが近づいて...
あ、これじゃキスにならんじゃん。
ちゃんとラテン系の挨拶ができないじゃん。
って思ったボクは、
ちょっと顔を横にずらしてくちびるがかるくマリ=カルメンに付くようにしちゃったんだよな~
驚いたマリ=カルメン。
「どうして?」
って思ったボク。
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ところで、キッスっていう単語(beso)スペイン語を勉強してたときはすぐに覚えたんだけど、タイ語の場合、なんとつい最近になって覚えたんだよね。
でも、「徳を積む」とか、「托鉢」とかのタイ語は、勉強し始めてすぐに覚えたのに。
文化の違いだなぁ。
スペインじゃ、街のあちらこちらでキスしてたけど、タイでキスしてる人見たことない。
ちなみに、タイ語でキッスは จูย (チュープ)。
擬音語ですか?
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さて、マリ=カルメンとの一件ですが、
挨拶のキッスは、キッスといってもほほとほほをくっつけてチュって音を出すだけ、ってのが結論でした。
くちびるは、触れない。
ついたとしても、端っこがちょっとって感じ。
マリ=カルメン、驚いたはずです。
ま、こうやってスペイン風挨拶のファーストキッスをなんとか終えたボクは、
その後の滞在中に、小学生くらいの子から80近いおばあさんまでと、いろいろと挨拶したワケです。
いまや、プロ級です。
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