ミッチー語録❷「魚心あらば、水心あり」 | 渡辺喜美 公式ブログ

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政治経済の解説・提言

安倍総理とプーチン大統領の会談は、なかなかいい感じだったのではないでしょうか。13回も会っていれば、気心も知れています。

クリミア紛争で一旦中断したものの、お互いのポジションを理解した上で、粘り強い下ごしらえがあったのだと思います。

旧ソ連時代から北方領土交渉は、難航を極めてきました。一進一退の歴史です。でも、原油価格が安い時は、結構うまくいきそうになるんです。

ソ連もロシアも原油や鉱物資源に依存している割合が高いですからね。

私の親父・渡辺美智雄が北方領土交渉を手がけた頃は、ソ連崩壊前後。原油価格が1バーレル10ドル台から20ドル台。1バーレルはドラム缶8分目。随分お安い時代でした。

ところで、ソ連・ロシアの指導者には一定の法則があるのを、ご存知でしょうか❓

プーチン、メドベージェフ、プーチン、エリツィン、ゴルバチョフ、ブレジネフ、フルシチョフ、スターリン、レーニン。

100年経ってもたったこれだけ~  確かに日本の総理大臣の数に比べると、圧倒的に
少ないです。でも、これは「法則」ということじゃありません。

それぞれの指導者の頭を見てください。そう、「ハゲ、フサフサ、ハゲ、フサフサ」の繰り返しなんです❗️

まあ、母の日には何の関係もない話しなんですけどね。

ウチの親父が交渉してたのは、ゴルバチョフ(ハ)、エリツィン(フ)の頃でした。そして、親父は気がつきました。アメリカが利上げすると、原油価格が下がるという法則に❗️

当時レーガノミックスというのがあって、貿易も財政も家計も3つ子の赤字でした。アメリカの景気は良くないのに、利上げする。まあ、ドル高にして赤字のファイナンスをやってたわけですな。

すると、原油市場からおカネが逃げる。原油価格は下落する。サウジと図って減産どころか増産させる。ソ連は軍備拡張競争について行けず崩壊。なるほどね。

オバマ大統領にそこまでの戦略眼があれば、イエレンおば様に利上げしてもらうでしょうが、多分、6月も無し。

日本は、まず、「日本第一」で密教戦略をつくる必要があります。トランプ劇場のように声高に叫ばなくともよろしい。

ミッチー語録にありました。「魚心あらば、水心あり」とね。

相手のことを思う気持ちがあれば、相手も好意を持って応じてくれるという意味です。外務省風に言えば、「拡大均衡」てなとこですか。

一見、戦略ど返しの精神論のように聞こえますが、そうではありません。「法と正義」の顕教戦略に対し、経済協力と北方領土交渉を重ねた立派な密教戦略なのであります。

無論、これを実行に移すには、相手との強い信頼関係と政治的な「わざ」が必要です。

ウチの親父の場合は、大病を患い、交渉を継続出来ませんでした。安倍総理には是非とも、歴史的偉業を成し遂げて欲しいものです。
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昭和20年台  行商人から計理士に