さきがけて | 沼津港深海水族館・シーラカンスミュージアム公式ブログ

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このページでは、沼津港深海水族館の飼育員が水族館で会える生物たちの飼育状況や、日々のちょっとした発見などを随時お届けしていきます。
随時更新していきますので、是非ご覧ください。

みなさんこんにちわ。

 

 

今日の話はヌタウナギについて。

ではなく、ヌタウナギを含めた生き物の名前のお話。

ヌタウナギの仲間はもともとメクラウナギと呼ばれていたのはご存知の方も多いのではないでしょうか。ヌタウナギという名前に改称されたのは2007年のことです。

 

 

・もともと魚類の名前の中には差別的な用語を含むものがあり、命名時に差別的な意図がなかったとしても和名の利用者などに不快感をもたらす可能性がある。

・一部の差別的和名は水族館などの公共機関では別名への言い換えがされていた。

・言い換えに統一性がなく混乱した状況にあった。

 

 

これらの理由から重ねられた議論の末、2007年に30種以上の標準和名が改名されました。

 

 

さて、そんな中さきがけて2004年に差別的和名の改称がされた種類がいます。それがニライカサゴです。ふと過去の資料を眺めていた時に改名前の「セムシカサゴ」という表記をみたのがきっかけでブログにしてみようと思い立ったわけです。

 

 

 

 

当時の論文を読み返してみると、

本来、標準和名の改称は標準和名の安定性を損うことになり控えるべきであるが、

 

 

・セムシとは背骨が後方に湾曲して前かがみになっていることを意味しており差別的用語として広く認識されている。

・標準和名セムシカサゴが提唱されてから約10年と日が浅く、改称による混乱を最小限に抑えることができる。

 

 

 

上記の理由から差別的用語に起因するセムシカサゴを改称することが適切であると判断したとの記述がありました。

 

 

 

差別的和名の改称にはもちろん様々な意見があったわけですが、結果としては改名するという結論に至っているわけで。さきがけてセムシカサゴの改名にあたったことは大きな意味があったのではないか思います。

 

 

 

生き物の飼育にもいえることですが、他の人がしたことのないことをやったり、誰も挑戦したことをないことにチャレンジするというのは非常に難しい事であり勇気がいることだと思います。

 

 

 

深海水族館ではまだ知見のない生き物を飼育することも多いです。今年より多くの事にチャレンジしながら結果を残していきたいなと改めて考えさせられました。

 

 

 

取り留めのない文章になってしまいましたが、、、言いたいことは1つ。

みなさんも今年は新しいことにレッツチャレンジキラキラ♪