7/11(火)に日経ホールで開催された丸キャリtravelに行ってきました!


今回のお題は薬師寺の再建復興について。


5月末に食堂が完成した薬師寺。

この7月から11月末まで、特別拝観を行うそうです。
http://www.nara-yakushiji.com/data/0029.htm

食堂内部には、同じく薬師寺内にある玄奘院の壁画を描いた故・平山郁夫画伯のお弟子さんである田渕俊夫画伯が描いた阿弥陀三尊像と、玄奘三蔵が中国へ持ち込んだ経典を、今度は中国(唐)から日本に持ち帰った遣唐使や留学僧の様子を描いた壁画が飾られています。

この壁画、実は平山先生が使っていた絵具を譲り受けて描いたそうです。

テーマも、技法も、道具も、時の流れとともに受け継がれているんですね。


一部の講演には、奈文研の海野先生が登壇。

食堂だけでなく、薬師寺の発掘と再建について、いろんな資料を提示しながらお話をしてくださいました。

知ってることもいっぱいあったけど、図面とか発掘した地下の画像なんかは現場レベルの資料でしょうから、見ててとっても楽しかったです。

個人的には、柱と庇、軒の関係性についての話がすごく興味を持ちました。


憧れなんですよね~。

軒の深い、庇の長い、縁側がある畳の家(笑)。



建築基準法により、薬師寺の金堂は防災壁が取り込まれた造りになってます。

時代が下り、建築基準法が改変されたため、講堂は木造で造ることができました。


そして、今回の食堂は最先端の技術をふんだんに使っています。

参集所としての使用目的から、堂内には柱がありません。
視界をさえぎらないようにという配慮らしいのですが、柱を建てないとすると何処かでそれを補う必要はあります。

食堂は見た目は講堂同様木造に見えますが、すべて鉄。

絶妙な庇の反りも鉄でできてます。
このカーブを作るのがとっても難しかったそうです。

木造の場合、ある程度の時間をかけて瓦の重さも計算して緩やかに弧を描いていきますが、鉄はそうはいかないみたい。


それと、薬師寺の建物だけではないようですが、柱や垂木の角材と丸木材の違いについても面白かったです。

瓦もそうですよね。

丸と四角。
デザイン性ももちろん含まれてるでしょうが、そればかりではないということを知りました。


後半、第二部には薬師寺から村上定運録事が登壇。

相変わらず滑らかなトークで、諸行無常・お寺の役割などなど、ためになるお話をいっぱいしてくれました。



来週末にはそんな薬師寺へも久しぶりにお邪魔しようと思います。