輪違屋さんの後に訪れたのは、同じ島原にある角屋さん。
島原大門からまっすぐ向かった突き当り。
角にあるから角屋なのかな?
今は揚屋としては営業していないけど、
当時の文化財を展示したりする【角屋もてなしの文化美術館
】として営業されています。
近くには久坂玄瑞ゆかりの碑があり、
来年の大河ドラマの主要キャストでもあるので何やら企画をお考えのようですよ。
さて、そんな角屋さん。
先に述べたように揚屋として建てられ、数年前までは現役でした。
揚屋建築として現存してる貴重な建物だそうです。
揚屋建築とは…
①大きなお座敷がある!
②自前の台所がある!
③お庭に茶室がある!
っていう3つの要件を兼ねた建物だそうです。
①大きなお座敷はこちら
新選組局長芹沢鴨が、生前最後に宴会を開いた場所だそうです。
水戸浪士なんですよ…芹沢さん。
(しかも、鹿島神宮宮司家の流れを汲んでる…)
めっちゃ剣客だったんですって。
でも、酒癖が悪くてね…。
普段も素行がよくなかったみたいで。
いよいよお上から「なんとかしろよ…。」ってことになったわけですが、
普通に立ち会うと土方さんや沖田さんでも敵わない。
じゃぁどうする?
そりゃ、酔わせたところを殺るしかない!
で、その宴会をここでやったのだそうです。
(角屋さんのあとに、壬生の八木家でもやったらしいですが)
このお庭も最後に眺めたことでしょうね。
③茶室のあるお庭
全部は写っていないけど、このお庭には茶室が3つあります。
この庭に3つもあるんですよ!
辛うじて見えてるこの茶室は風変わりな茶室で、
普通の茶室にある躙り口などがありません。
壁も引き戸も何もない、あけっぴろげな空間です。
こんな茶室、他ではめったにみられないそうですよ。
大広間にいても、茶室の様子がわかるし逆もしかり。
しかし・・・。
世の中の流れというかなんというか。
あの奥の壁の上をJRが走ってるんですわ(ーー゛)
ものすごい音がします(これでも一悶着のあと騒音防止を施してるらしい)。
電車が通る度に風情がまったく感じられなくなり現実に引き戻されます。
あの機械的な音と変な振動。
この場所には似つかわしくないです。
今更取り壊せとは言えないけど…なんとかならないかなぁ。
②大きなお台所
最近の京都の花街事情。
お茶屋遊びってのは、芸舞妓さんを宴席に呼んで芸を愉しむことだけど、お料理は基本仕出し屋さんから届きます。
もしくは、最初から料亭・お料理屋さんのお座敷の宴会に芸舞妓さんを呼ぶ。
でも、ここ角屋さんのように《揚屋》というのは自分のところでお料理もしてお食事を用意していたそうです。
妙心寺など、まるで禅寺の食堂のようです…。
ちなみに、これは天然の冷蔵庫。
昔、お仕置きに庭の物置に入れられたことがありますが……ここよりマシかも(>_<)
お台所の続きには番頭さんなど店員さんたちがお仕事をしていた奥向きのお部屋。
お二階に続く箱階段もあります(通常の特別公開の時は予約すると上がれるようです)。
台所には竈門の神さま。
お部屋の方には…大黒様?
このアングル、かなり不気味です
新選組はじめ、
帯刀を許されてた方たちがたくさん利用した名残り。
お客様用の玄関は、
駕籠で乗り付けても曲がりやすいようにと石畳が少し斜めに敷かれています。
(まっすぐ行くと奥向き・勝手口になります)
玄関感から見えるお庭は、
輪違屋さんの縁側と一緒で柱をつけない構造ですって。
夏の簾は京都っぽさ満載ですよね~。
来年の大河ドラマは江戸幕末期の萩を舞台に展開されます。
長州の男たちが京都で活躍する姿も描かれるかも?
島原も出てくるかもしれないですね。
お庭がとっても綺麗だったので、
紅葉の季節にも訪れてみたいなぁ~と思いました。