人生50年。
かの織田信長が好んだ幸若舞『敦盛』の一節。


現在の平均寿命は80歳を超える日本。

50歳なんて人生花盛り!
やりたい事いっぱい♪な年頃でしょうか。


時は江戸時代末期。
50歳を機に商売から引退し、
江戸へ出て憧れていた観測や測量の技術を学んだ人物がいました。


伊能忠敬です。


おそらく、日本人なら一度は彼の名前を教科書で目にしたことがあるでしょう。

学習要領にも、教えるべき人物例として名前の挙がる人です。


その伊能忠敬が残した地図を東博・平成館の企画室で展示(8/17迄)、
ミュージアムシアターでは彼の地図をバーチャルで体感する作品上映(9/28迄)がされています。


日本沿岸を中心に、56歳から17年をかけて測量して作り上げた日本地図。

実測にこだわり、
実測できなかったところはその旨をきちんと地図中に書き込むほど。


当時から地図記号もあったようで、神社は今も昔も鳥居型。


測量日記もちゃんと残されていて、すっごく細かく書いてあるんです。

・・・ただ、とても真面目な方なのでしょう。
朝から晩まで、きっちり仕事のことしか書かれていません(笑)。

何時に起きて、どこそこへ行って、どれくらい作業をして、などなど。


実は、7月の月例講演会はこの伊能忠敬がテーマで、約1時間半では短いと感じるくらい楽しい講演会でした。


そんなわけで、いざ実際の地図を拝見!




細かい部分はデジカメのズーム機能を駆使してチェック(笑)。


奈良県もありますよ~。



めっちゃ細かいでしょ?


三輪山付近もわかりますか???





56歳から17年間。
幕府からの要請を受けたとは言え、なかなかできることじゃないですよね。


そして、好きな事を突き詰める。
やりたい事をやり抜く。

趣味に没頭する。


人生50年だった頃の、今でいうリタイア後の人生を存分に生きた方。



私もやりたい事がいっぱいです(笑)。

隠居生活もしてみたいけど、このご時世さすがにそれは無理でしょう。

どうにか一つくらい、お勉強にしろ趣味にしろ夢中になれるものがあるといいな。



彼の生き方は道徳の教科書にも載っていたりするそうですね。


何かを始めるのに遅いも早いもない。

やりたいと思ったらとりあえずやってみる。

そして、すぐにあきらめずにとにかく続けてみる。


そんなことが大事なんだな~、と改めて感じる展示&講演会でした。