偕楽園の西の端にある、園内唯一の建物が好文亭。

お城の方々がいらした時に使われた建物で、空襲や落雷で焼失したあと再建されたものです。


斉昭公が自ら設計したと言われていて、平屋と3階建ての建物を太鼓廊下でつないだ、かなりモダンな建物だと思いますよ。いろいろ珍しい仕掛けもありますしね。

偕楽園自体は無料で楽しめますが、こちらの好文亭は維持費が若干必要ですのでいくらかの入園料を徴収(と言っても、200円程度です…ご協力お願いします)。




公園内にあるのですが、とても静かで雰囲気たっぷり。
こちらもあちこちに梅が植えられていて、質素なんだけど落ち着く離れみたいな感じです。


公園からみるとこんな姿。



ちなみに、手前に映りこんでるのは左近の桜。
吉子さまが降嫁される際に、京都御所の桜を鉢植えにしてお持ちになった桜だそうです。


ん~。
遠くから見ると地味ですね(笑)。いかにも水戸っぽい。


では近くからみると…たいして変わりません(笑)。


けど、私はこういう造りのお家が好きです。

さっそく上がってみましょう。


先ずは板張りの菊の間。


こちらからお庭を望むとこのような景色です。



廊下を進むと少し奥まったところからは畳のお部屋になります。


このあたりのお部屋は藩主夫人と奥女中向けのお部屋だったようです。

ここへは大正天皇もお泊りになったことがあるんだとか。





襖絵が柔らかで女性的です。
竹の間の欄間は襖絵同様竹のデザイン。細かい気配りがいいですね。




どのお部屋からもお庭が見えるんですが、目線の高さによって見えるものが違うので楽しいですね。






太鼓橋を渡って奥の御殿へ進みます。


奥御殿は政治の場…かな。

この大広間は、お殿様主催の宴会が催された場所です。



老若男女問わず、様々な人たちがここにやってきたそうです。


大きく全体の写真を撮りたかったのですが、人が居なくなる気配がまったくなくて…断念しました。

ここでは桜吹雪ならぬ、梅吹雪(笑)。




洒落た入り口ですが、右側に映りこんでるのは厠です(笑)。


は扉がないけど、当時はちゃんとあったのかなぁ?

では上へ行きましょう。

2階は御家来衆の控の間だったようです。


ちゃんとした2階というより、踊り場的な感じ。


昔の造りなので階段は急ですね。


これを着物で昇り降りしてたんだから…すごいよなぁ。


さぁ、好文亭一番の景色をどうぞ!




遠くに見えるのは千波湖です。
昔は千波湖が那珂川ともお堀で繋がっていたようなので、海みたいに見えたかもしれないですね。

ここから眺める夕景がとても素敵だと言われています。

3面が開けているので、お座敷に座っていても景色を楽しめると思います。




ちなみに、このお部屋の障子は連結式になっていて、1枚目を動かすだけで残りの襖は自動で付いてきます(笑)。




で、お隣のお部屋にあるのがこちら。



何だかわかりますか?

実はこれなんです。




そう。
今でいう配膳用のエレベーター。

下のお部屋はこんな感じです。




さすが、奇人水戸光圀公の血を引く斉昭公。
公園内のほとんどの設計に自ら参加したそうなので、こういうのも率先して使ってたんでしょうね(笑)。


彼が生きていたら、歴史はきっと変わっていたに違いない。



とまぁそんなわけで、こちらにも是非足を運んでくださいませ。


偕楽園は梅だけではなく萩やツツジも楽しめますので、ちょっと遠足気分でお出で下さい。