世界遺産に登録されてる“道”は2つ。

1つは、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路。
(のちにフランス領の巡礼路も登録されたから、実際には3つかな。)

そして、ここ紀伊山地の霊場と参詣道として、熊野古道や大峯修験道などが登録されています。


登録にあたっては厳しい基準が設けられているわけで、それをクリアしてなお維持していかなくてはいけない苦労があると思います。

熊野も世界遺産登録後はかな観光客が増えたようで、それによる良し悪しがいろいろとあるのだとか。

そんな目に見える事情も耳にしながら、熊野詣は滝尻王子からスタート!

日夏詩



…と言っても、ここは王子社をお参りしただけ(笑)。

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先ほどの資料館の目の前がこの滝尻王子なんです。

王子って資料読んでもよくわからないんだけど、熊野権現さまのお子様たちって解釈でいいのかな?
滝尻王子に社が出来たのはだいぶ後のことだそうで、もともとはこの山肌に見える石(ちょうど真ん中の細い木が二本出てる下あたり)がご神体としての役目を担ってきたのだそう。

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無事に熊野詣でが出来ますように…って祈願をする、道祖神みたいな役割だったのかな?

熊野古道を歩いて行く方ははこちらから。

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私たちは車移動(笑)。

歩くと5時間くらいかかるらしい…。
車だと15分。

世の中便利になりましたよねぇ~。
有難いって思わないと、そりゃ罰があたりますよ。

古道の入り口にはこんな古木と石。

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時の流れを感じます。


そんなわけで、車で移動し歩き始めはこちらから。

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牛馬童子を超えて、近露王子を目指します。

…と言うものの、今はほとんどの道が舗装されてしまって手が加えられているので、本来の古道部分を歩くのはごくわずか。
そして、このように手を加えた部分はいくら古道の一部とは言っても世界遺産としては除外されるんだそうです。

そうは言っても、手を加えずに保存すると言うのは、こういう山道の場合とても難しいですよね…。

雨上がりでぬかるんだ道。

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灌漑用水の確保の為に造られた用水路。

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あれは、石ころが転がらない程度のごくごくゆるい傾きで作られています。
傾斜がついてると水流が勢いを増してしまって、逆に危険が生まれるからだそうです。

安易な植林管理の結果植えられた西洋松。

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西洋松は使い道がなく、かといって伐採するにも費用等がかかるため、毎年秋から冬にかけて枯れるように皮を剥ぐことくくらいしか手の出しようがないのだとおっしゃってました。

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唯一、西洋松を使ってるのを見るのは、冬のクリスマスリースに使われたりする松ぼっくりですかね(急いでいたのでピンボケです…)。

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ガイドさんは地下足袋と編み笠。

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かつてはここに人が住んでいて、ちょっとした休憩が出来る施設だったそうです!

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こんな山奥に人が住んでいたなんて…。ビックリです\(◎o◎)/!
さっきのぬかるんでた道も、昭和の頃はバスが走ってたとか…。
(バスって言ってもレトロな6人乗りくらいのね)

山道の入り口から40~50分くらい歩くと、ようやく牛馬童子が見えてきました。

いろいろ謂れがあるようですが、こうして石碑が建てられたのはわりと最近の話のようです。

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このあたりも、今では木々が茂っていますが、昔は田んぼだったそうですよ!

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…そう言われると、棚田のように段々にはなってるんですけどねぇぇ(^_^;)

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峠を超えると、視界がひらけてこんな景色!

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牛馬童子付近でちょっとだけ降られた雨も、この頃には小雨になり、やがては完全に止みました。

ススキも出番を待ってます!
昨日はあいにくのお天気だったから、今日の十六夜で観月会のやり直しをしようかな(笑)。


雨上がりの青空と道端のコスモス。

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秋の気配を感じる一瞬です。

昨年の台風被害を受ける前は、もっとたおやかな流れをしていたとか。

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昨日の台風は被害無かったかな?心配(>_<)

あの大きな銀杏木の下にある小屋の中にはお薬師さまがいらっしゃるそうです。

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どんなお薬師さまなのかな?
お会いしたかったなぁ~。

そんなこんなで登り始めて1時間半くらいかけて、ようやく近露王子に到着。

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かつてはこんなに大きなご神木があったんだそうですが、今では整備するのに邪魔だという事で切られてしまったそう。

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今でもわりと整備された道路の片隅にある王子跡としては、緑が茂っていて何とも言えない雰囲気の近露王子。

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熊野詣でが盛んだったころは、どんな里だったんだろう…。


近露王子の近くには、なかへち美術館 があります。
ガラス張りのこの建物は、その硝子に「NAKAHECHI ART SALON」と彫り込まれていて、遠くからみるとまるでくもりガラスのように見えるそうです。

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ちなみに、しばらく修理の為に臨時休館のようです。



さて。
お腹も空いたし、お昼ご飯を食べて熊野三山へお詣りに参りましょう!