スウェーデン認知症緩和ケア研修ツアー | フロレンス岩下あおぞら介護日記 ~水戸から元気にする介護を発信~

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茨城県水戸市・日立市で高齢者にお元気になっていただくための介護を実践しております。良質で丁寧な介護を実践すれば、多くの高齢者はお元気で笑顔あふれる生活が送れるのです。まだまだ、貧しい日本の高齢者介護事情を変えるために日々、精進しております。

8日間の研修旅行に行ってまいりました。

福祉先進国のスウェーデンです。
 
北欧のベルサイユ宮殿とよばれているドロットニングホルム宮殿です。
とっても素敵でしたよ。

スウェーデンでは、認知症は治らない病気なので、治療をするという考え方はありません。
緩和ケアという考え方です。
日本でも末期がんの方に対しての緩和ケアは、ずいぶん普及してまいりましたが
残念ながら、認知症に対しての緩和ケアという考え方は
まだまだ浸透していません。

その点が、大きな違いでした。

認知症が進行すると食事が食べれなくなります。
そんな時に日本では、点滴をしたり、経管栄養といって
鼻や腹部から栄養剤を注入して、命をつなぎます。

スウェーデンでは、そのような延命治療は、なんと法律で禁止されているそうです。
理由は、人間らしく尊厳をもった生活を守るため。

肺炎を起こしても
治療する回数に制限があるそうです。
4回は積極的に治療するけれど、それ以上はしない。

私がナースとして社会人になった25年前には、がんの患者さんに対して
まだ告知がされていませんでした。なので、治らない末期がんの方でも手術をしたり
積極的な抗がん剤の治療をしていました。
その時に、強く疑問を抱いていましたが、数年の後に告知が当たり前になり
緩和ケアが普及して、苦痛のない生活が送れるようになってきました。

私が就職したあの頃と同じような状況が現在の認知症の方々の状況なのです。
私たち介護の仕事をしている専門家もいつも
この問題には、苦しみながら、解決策を模索しています。

人間の尊厳を守る。
人間らしく生きる。

高齢者ケアでもこの難しい課題にそろそろ取り組む時期なんでしょうね。

とっても悲しかったのは
指導をしてくださった先生が日本の施設を見学に来られて感じたことは
日本はスウェーデンと比べて、約40年程度遅れているということ。
日本の高齢者をみて、その先生は涙されそうです。
あまりにも可哀想で・・・・・涙

日本で年をとるのは、まだまだ不幸なんですね。
スウェーデンで学んできた人間らしい老後の環境を実践できるよう
がんばります!!